<祇園祭編>風土を知る夏の祭事。地域の歴史と文化に触れる【TOKK2023年7月号】

千年以上受け継がれてきた京都の祇園祭、大阪の天神祭をはじめ、阪急沿線の個性豊かな地域性が感じられる夏の祭事をご紹介。

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<天神祭編>風土を知る夏の祭事。地域の歴史と文化に触れる

【2023年】京都・大阪・神戸、関西の夏のイベント・祭事まとめ

【京都】祇園祭/7月1日(土)~31日(月)

疫病退散を願い1カ月にわたり催行

京の都で疫病が流行していた869年、神泉苑に当時の国の数66カ国と同じ66本の矛(ほこ)を立て、祇園社(現在の八坂神社)から神輿を迎えて災難厄除を祈願した「御霊会(ごりょうえ)」が祇園祭の発祥とされる。そして今では、大阪の天神祭、東京の神田祭とともに日本三大祭の一つに数えられている。

1カ月にわたり様々な神事が行われる祇園祭では、特に前祭(さきまつり)、後祭(あとまつり)の山鉾巡行が注目を集めるが、もっとも重要なのは神輿渡御(みこしとぎょ)。山鉾は本来疫病神を鎮めるための依(よ)り代(しろ)であり、山鉾巡行には疫病神を集め、神輿渡御に先立って都大路を清めるという露払いの意味合いがある。その後、八坂神社の主祭神三座の御神霊を遷(うつ)した神輿が渡御する。

今年の祇園祭について祇園祭山鉾連合会は、「今年は4年ぶりに本来の形に戻して実施する予定です。とはいえ大々的に盛り上げることよりも、安全に祇園祭を催行するのが最優先。皆さんも安全には十分配慮してお楽しみください」と話す。祭り情緒に包まれながら、無病息災を祈願しよう。

山鉾建て【雨天決行】

各山鉾町
| 前祭 | 7月10日(月)~14日(金)
| 後祭 | 7月18日(火)~21日(金)

※日時は山鉾によって異なる。

手伝い方、大工方、車方の三役に分かれ、釘を使わず縄だけで組み立てる。伝統技法「縄がらみ」を用いながら、大きいもので重さ10トン、高さ25mにおよぶ山や鉾を建てる。縄は山鉾巡行の際に伸縮して衝撃を緩和する。

場所阪急烏丸駅周辺【MAP

宵山【雨天決行】

©橋本健次

各山鉾町
| 前祭 | 7月14日(金)~16日(日)
| 後祭 | 7月21日(金)~23日(日)

夕方から山鉾に飾られた駒形提灯が灯り、祇園囃子が奏でられる。一部の町会所では、山鉾の懸装品を鑑賞したり、山鉾の中を見学したりできる。各山鉾で授与される粽(ちまき)などの縁起物やオリジナル御朱印も人気。

場所阪急烏丸駅周辺【MAP

山鉾巡行【雨天決行※】

(右)前祭 (左)後祭

| 前祭 | 四条通→河原町通→御池通 7月17日(祝)9:00~
| 後祭 | 御池通→河原町通→四条通 7月24日(月)9:30~

豪華絢爛(けんらん)な懸装品で彩られた山鉾が京都市街地を巡行する。各山鉾が巡行順を記したくじを奉公役に確認してもらう「くじ改め」や、交差点で巨大な山鉾の向きを90度変える「辻回し」など見どころ多数。

※…荒天中止の場合あり。

場所阪急烏丸駅周辺【MAP】 、阪急京都河原町駅【MAP
備考山鉾巡行の観覧は、阪急烏丸駅→地下鉄・烏丸御池駅【MAP】、または京都市役所前駅【MAP】の利用も便利。

神幸祭(神輿渡御)【雨天決行※】

八坂神社→御旅所 7月17日(祝)16:00~(神輿渡御は18:00~)

八坂神社御祭神の御神霊を遷した三基の神輿が、八坂神社から御旅所まで渡御する。神輿を高く掲げて鳴閂(なりかん)を激しく鳴らす「差し上げ」や、神輿を時計回りに回転させる「差し回し」が迫力満点。

※…荒天中止の場合あり。

場所八坂神社【MAP
問い合わせ075-561-6155
アクセス阪急京都河原町駅下車 約8分
住所京都市東山区祇園町北側625

還幸祭(神輿渡御)【雨天決行※】

御旅所→八坂神社 7月24日(月)17:00~23:00

神幸祭で御旅所に運ばれた神輿三基を担ぎ、それぞれの行列が別ルートで氏地を進み八坂神社に戻っていく。午前0時頃に境内の灯りが消され、暗闇と静寂のなか御神霊を本殿に戻す「遷御の儀」も行われる。

※…荒天中止の場合あり。

場所八坂神社【MAP
問い合わせ075-561-6155
アクセス阪急京都河原町駅下車 約8分
住所京都市東山区祇園町北側625

花傘巡行【雨天中止】

下京中学校成徳学舎→八坂神社 7月24日(月)9:30頃~

山鉾の原型といわれる花傘や舞妓達を乗せた曳(ひ)き車、獅子舞、鷺(さぎ)踊など約1,000人の華やかな行列が巡行。1966年に前祭、後祭の山鉾巡行が17日の合同巡行となった際、24日の山鉾巡行の代わりとして始まった。

場所阪急京都河原町駅【MAP
備考山鉾巡行の観覧は、阪急烏丸駅→地下鉄・烏丸御池駅【MAP】、または京都市役所前駅【MAP】の利用も便利。

祇園祭の主なスケジュール

7月1日~18日吉符入 | 各山鉾町
7月1日長刀鉾町御千度 | 八坂神社
7月1日~11日二階囃子 | 各山鉾町(鉾・曳山のみ)
7月2日くじ取り式 | 京都市役所 市会議場
山鉾町社参 | 八坂神社
7月3日神面改め | 船鉾町
7月5日長刀鉾稚児舞披露 | 長刀鉾町
7月7日綾傘鉾稚児社参 | 八坂神社
7月10日~14日前祭山鉾建て | 前祭各山鉾町
7月10日お迎提灯 | 氏子区内
神輿洗式 | 四条大橋
7月12~13日前祭山鉾曳初・舁(かき)初 | 前祭各山鉾町(鉾・曳山、一部舁山)
7月13日長刀鉾稚児社参 | 八坂神社
久世稚児社参 | 八坂神社
7月14日~16日前祭宵山 | 前祭各山鉾町
7月15日斎竹(いみだけ)建 | 四条麩屋町
宵宮祭 | 八坂神社
7月16日献茶祭 | 八坂神社
7月17日前祭山鉾巡行 | 氏子区内
くじ改め | 四条堺町
神幸祭 (神輿渡御) | 八坂神社~御旅所
7月18日~21日後祭山鉾建て | 後祭各山鉾町
7月20日~21日後祭山鉾曳初・舁初 | 後祭各山鉾町(鉾・曳山、一部舁山)
7月21日~23日後祭宵山 | 後祭各山鉾町(鉾・曳山のみ)
7月23日煎茶献茶祭 | 八坂神社
護摩焚き | 役行者町
7月24日後祭山鉾巡行 | 氏子区内
くじ改め | 寺町御池
花傘巡行 | 下京中学校成徳学舎~八坂神社
還幸祭(神輿渡御) | 御旅所~八坂神社
7月25日狂言奉納 | 八坂神社
7月28日神輿洗式 | 四条大橋
7月29日神事済奉告祭(しんじずみほうこくさい) | 八坂神社
7月31日疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい) | 八坂神社境内疫神社

祇園祭NEWS

「TOKK」で祇園祭を紹介するのは4年ぶり。ここ数年のトピックスを振り返ろう。

鷹山復活

応仁の乱以前から巡行していたと伝わる鷹山は、1826年の巡行で大雨にあい懸装品が汚損して以来、参加を休止していた。その鷹山が昨年196年ぶりに巡行へ復活し、話題となった。

青龍神水お清めの儀

山鉾が辻回しをする交差点を八坂神社の霊水で清める「青龍神水お清めの儀」が昨年から新たに始まった。八坂神社の本殿下には都の水脈につながる「龍穴」という深い池があると伝えられ、同社と水の関わりは深い。

御神霊渡御

神輿渡御が中止となった2020年、2021年のみ、神輿渡御の代わりとして、八坂神社御祭神の御神霊を榊(さかき)に遷して白馬の背に立て、八坂神社と御旅所の間を歩く神事「御神霊渡御」が行われた。

詳細マップ&行事案内

祇園祭特別号miniTOKK ミニ・トック「祇園祭ガイドマップ」7月上旬より配布!(予定)
特設サイトも7月上旬公開予定。

配布場所
阪急烏丸・京都河原町駅ほか阪急主要駅

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