美しい“逆さ紅葉”の絶景。紅葉リフレクション【TOKK2025年11月号】
2025.10.25特集
広大な池や磨き抜かれた机に映し出される、紅葉の水鏡。
心奪われる阪急沿線の絶景に出合いに。
目次
【嵐山 祐斎亭】一幅の絵画のような絶景。紅葉の帳(とばり)のリフレクション
息をのむほどの絶景とは、まさしくこのこと――。
阪急嵐山駅から渡月橋を渡り、観光客のにぎわいを離れ大堰川沿いを上流へ。歩道から石段を上がると、侘びた門が出迎える。嵐山 祐斎亭は、かつて料理旅館として栄えた築約150年の風情ある建物を、染色作家・奥田祐斎氏がアトリエとし、2020年からギャラリーとして一般開放している。隠れ家のようなこの場所では、文豪・川端康成も堪能した贅沢(ぜいたく)な秋の風景が眺められる。

特筆したいのが「まる窓の部屋」。艶やかな漆黒の机の前に座り、目を机の高さに合わせると、一瞬にして心を奪われる絶景が飛び込んでくる。本物と映り込んだ風景の境目が分からず、幻想の世界へと吸い込まれていきそうになる。

庭の風流な〝筆遊び〟もまた見事。水鏡の水たまりに、瑞々(みずみず)しい木々がリフレクションする。そしてそばに置かれた筆で水面をなぞると、映り込んだ景色と光がゆらめく――。
まばたきするのが惜しいほどの美しさで、祐斎亭の奥田恵美さんはその様子を「印象派の絵画のよう」と称する。

さらに、心の琴線に触れるのは室内のしつらえにもある。水琴窟に響きわたる水の音や染色のタペストリーを揺らす風のゆらめきなど、こうした目に見えない自然までも感じることができる。嵐山 祐斎亭はどこを切り取っても美しく、日常で鈍った感性を呼び覚ましてくれる。

| スポット名 | 嵐山 祐斎亭 |
| 料金 | 2,000円(11月21日~12月10日は3,000円)、ホームページより要予約。入館は13歳以上のみ |
| 時間 | 10:00〜17:00(11月21日〜12月7日は8:00〜17:00、12月8〜10日は10:00〜19:00、入館は閉館の30分前まで) |
| 定休日 | 木曜休(11月13日~12月11日は営業) |
| 問い合わせ | 075-881-2331 |
| アクセス | 阪急嵐山駅下車 約20分 |
| 住所 | 京都市右京区嵯峨亀ノ尾町6【MAP】 |
| URL | yusai.kyoto |
| 備考 | 紅葉期の詳細はホームページで要確認。 |
【神戸市立森林植物園】薄紅葉の水鏡を目指して静かな秋の森へ

六甲山地の一角にある同園は、総面積約142ヘクタールもの広大な地に、世界各地から集めた約1,200種の樹木を植栽した自然の森。園内はぐるっと歩いて約1時間、秋を迎えた木々が織りなす、自然のままの姿を目にすることができる。
特に長谷池に鏡のように映り込む逆さ紅葉は、圧巻と呼ぶにふさわしい。10月下旬に真っ赤に染まるハナノキが見頃を迎えた後、イロハモミジ、ハゼノキなどがグラデーションのバトンを繋ぎ池の周りを彩っていく。また、鮮やかな黄金色から赤褐色へと日々色が変化していくメタセコイアの並木道も見どころ。約100メートルの奥行きのある景観は、まるでドラマのワンシーンのよう。
適度にアップダウンのある園内は散策にもほど良い。大きく深呼吸して、秋を目一杯味わってみては。

| スポット名 | 神戸市立森林植物園 |
| 料金 | 大人(高校生以上)300円、小中生150円 |
| 時間 | 9:00〜17:00(入園は〜16:30。11月3日〜12月7日は土・日曜・祝日のみ延長あり) |
| 休園日 | 水曜休(祝日の場合は開園、翌日休。ただし10月25日〜12月7日は無休) |
| 問い合わせ | 078-591-0253 |
| アクセス | 神戸高速線・新開地駅→神戸電鉄・北鈴蘭台駅→無料送迎バス、または阪急神戸三宮駅→市バス・森林植物園前停下車すぐ ※無料送迎バスは本数が少ないのでご注意ください(1時間に1本。ただし期間中は一部増便あり)。 ※市バスの運行は11月30日までの土・日曜・祝日のみ。詳しくは下記までお問い合わせください。 078-321-0484(神戸市バス・地下鉄お客様サービスコーナー) |
| 住所 | 神戸市北区山田町上谷上字長尾1-2【MAP】 |
| インフォ | 「紅葉のライトアップ」11月3日〜12月7日の土・日曜・祝日16:30〜19:30(入園は〜19:00) |
| URL | https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/ |
【勝尾寺】弁天池におぼろげに映る境内を埋め尽くす紅葉

勝ち運の寺、勝ちダルマの寺として知られる勝尾寺は、関西の紅葉の名所の一つ。約8万坪の境内は圧倒的なスケールを誇る。秋をまとった雄大な景色から顔を出す諸堂や多宝塔の遠景、鮮やかな紅葉のトンネル、参拝者が奉納した数々のダルマと紅葉など写真に収めたくなるスポットが多く、時間を忘れて楽しめる。

人気のスタンプラリー。入口で配られるポストカードにスタンプを重ね押していくことで絵が完成する。季節ごとに絵柄が変わる。
山門をくぐると現れる弁天池には、朱色の弁財天社と周囲を彩る紅葉が水面に映り込み、秋晴れの空によく映える。さらに毎年恒例の夜間特別ライトアップでは、お清めの霧が立ち込める中、水面にきらびやかな光が反射し、日中とは全く異なる幻想的な風景が浮かび上がる。晴れ渡った日中も、夕暮れ後も見応えがある勝尾寺。ゆっくりと巡って、深まる秋に浸りたい。

| スポット名 | 勝尾寺 |
| 料金 | 大人500円、小中生400円、未就学児100円、2歳以下無料 |
| 時間 | 8:00~17:00(土曜は~18:00、入山受付は閉門の30分前まで) |
| 問い合わせ | 072-721-7010 |
| アクセス | 北大阪急行・箕面萱野駅→阪急バス・勝尾寺停下車すぐ |
| 住所 | 箕面市粟生間谷2914ー1【MAP】 |
| インフォ | 夜間特別ライトアップ「錦秋の宵詣り2025」11月1~30日の土・日曜・祝日のみ、日没〜20:30(入山受付は20:00まで) |
| URL | https://katsuo-ji-temple.or.jp/ |
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