「大阪市立住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館」で大阪の古き良き時代にタイムスリップ!
2024.05.01イベント
日本一長い商店街で有名な天神橋筋商店街。その周辺に広がるディープな下町風情あふれるエリアに、古き良き時代の大阪の暮らしやまち並みを楽しめる場所があるのはご存知でしょうか。
それが、天神橋筋六丁目駅直結の「大阪市立住まい情報センター」ビル8階から10階にある「大阪市立住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館」。
古くから西日本における、経済・文化・交通の中心都市として栄えてきた大阪。昔からの人々の暮らしが息づくこのまちでは、どのような生活が営まれていたのでしょうか。さっそく大阪くらしの今昔館に行ってみましょう!
目次
大阪くらしの今昔館とは? 見どころを詳しく紹介!
大阪くらしの今昔館は、「大阪の住まい」をテーマにした日本初の専門ミュージアム。
「暮らし」から「まちづくり」までを扱っており、高い学術性に裏付けられつつも、来場者が楽しみながら体験できる展示が豊富です。
大阪市の住宅に関する情報提供や相談、大阪の居住の歴史についても発信する総合的な住情報拠点として、1999年に開設されたのが「大阪市立住まい情報センター」。
その一翼を担い、歴史を学ぶ中核施設として誕生したのが「大阪くらしの今昔館」です。2001年のオープンから、延べ600万人を超える入館者が訪れています。
駅直結の屋内施設なので、アクセスが便利なうえに、雨の日でも安心して楽しめます。
まずはビル8階にてチケットを入手し、荷物を預けてエスカレーターで10階に移動。
【10階】大阪の古き良き江戸時代のまち並みを一望!
10階展望フロアでは、「大坂町三丁目」のまち並みを一望できます。このあと実際に、このまちを歩いて散策することもできるんです。
ここでは、人間国宝の落語家・桂 米朝さんによる解説を視聴できます。桂 米朝さんの柔らかな語り口での解説が、耳に心地よく入ってきますよ。
【9階】まるでタイムスリップ!なにわ大阪近世展示室で江戸時代のまちを散策
続いて9階に移動します。いざ中へ入ると、「大坂町三丁目」と書かれた木戸門が!その先には、まるでタイムスリップしたかのような、江戸時代のなにわのまち並みが広がります。
あまりのリアルなまち並みに「ビルの中にこんなまちがあるとは…!」と思わずつぶやく私。
「皆さん、都心部のビルの中にこのようなまち並みが広がっていることに驚かれますね」とにこやかに教えて下さったのは、今回取材に応じていただいたミュージアムプロモーション担当の玉井明子さん。
「当館ではSNSなどに写真を上げられる若い方や、国内だけではなく海外からの観光客も多く、老若男女、様々な年代の方が来られるんですよ」
たしかに見渡すと、お友達同士で来られたのか、着物を着て写真を撮り合う人たちの姿もあちこちに。皆さん楽しそう…!
町家ツアーに参加しよう
「まずは町家ツアーに参加して、ひと通りまちを歩いてみると、より深く展示について学べるのでおすすめです」と、玉井さんに教えていただき、町家ツアーに参加しました!
町家ツアーのガイドを務めるのは、土日は「町家衆(まちやしゅう)」。「町家衆」とは、講習を受けて同館の活動を支えるボランティアスタッフさんのことです。その数なんと約200名の登録があるのだとか。平日は町家ツアースタッフが案内してくれます。
町家の造りやまち並みに関する解説を聞きながら、大坂町三丁目のまちを歩きます。入ってすぐの場所にあるのは、建具屋さん。
「お店ごとの紋はのれんに描かれていますが、遠くの人にも見えるように、ほら、屋根にも!」とガイドさん。注目ポイントも教えてもらいながら、商家が並ぶ通りを進みます。
「町会所の屋根の上には、火の見櫓(やぐら)があるんですよ。櫓から遠いところだとゆっくり、近いと速く鐘を打ち、火災を周囲に知らせました」と、興味深い話を分かりやすく紹介してもらえます。
引札(ひきふだ)といわれる物や暮らしについてのイラスト付き資料も配布されていて、知れば知るほど面白い!
「本屋さんに貼られている広告は、新刊のタイトル。置いている本は、その当時、本当に実在していたものなんですよ」とのこと。
昔の人たちも、私たちのように人気の本の新刊を待ちわびたり、買い物を楽しんだり、着物選びを楽しんだり、薬を買いに走ったりしていたのかなぁ、と。耳を澄ますと、店の人たちの話し声も聞こえてきます。
メインストリートから長屋のまち並みへ進むと一転、つつましい暮らしぶりが垣間見えます。
「ここは大工さんのお家です。新婚さんでまだお金があまりなく、かまどがありません。お隣は青物売りをしていて、子どもがいる3人暮らし。稼ぎは少なくてつつましいけれど、小さなかまどがありますね」
生活感あふれる長屋をのぞき込みながら解説を聞いていると、まるで本当にタイムスリップして、そこに住んでいる人たちが実在して、家人が留守の間に部屋をのぞかせてもらっているような不思議な気分になります。
展示されているのは1830年代、今からおよそ200年前の大坂のまち並み。「大坂町三丁目」というのは架空のまちですが、学術的な研究にもとづき作られたのだそう。
「実は、展示されている町家一軒一軒すべて、家族構成や奉公人の数、それぞれの店名や当主名、業種まで細かく設定されているんですよ」と玉井さん。なるほど、だからこんなにもリアルな生活感を感じ取ることができるわけですね!
ツアーに参加してまちを歩いていると、ゴロゴロドンドンと雷の音が。それに伴いゆっくりと辺りが暗くなっていき、空にはお月様が出てきました。
演出として日中と夜の時間が1日9回ほど交互に設定されており、昼間と夜両方のまち並みを散策することができます。
夏には花火が上がる演出もあるそうで、特別感たっぷり!
ガイドツアーとは別に、5言語(日本語、韓国語、中国語〈簡体、繁体〉、英語)対応の音声ガイドをレンタルすることもできます(有料/100円)。自分のペースで巡りたい人は、音声ガイドを利用するのもいいですね。
お手軽な「きもの体験」も
大坂町三丁目エリア限定の「きもの体験」サービスもあります。好きな着物を選び、服の上から簡単に着用するだけなので、とっても気軽。30分1000円と、リーズナブルな価格で「きもの体験」を楽しめます。
着物での観光は何かと荷物やお天気が気になり大変ですが、お手軽に体験できちゃうのはうれしいですよね。着物を身にまとい、町人気分で散策してみてください。
「学びプログラム」のクイズに正解してシールをゲット!
「大坂町三丁目」の至るところで出会えるかわいい動物たち。
こちらの犬の親子の名前は「てん」と「ろく」…
あ!天六!!(天神橋筋六丁目)
玉井さんによると「10種類の動物たちが展示されているんです。学びシートを手に、親子やカップルで一緒に動物を探しながら楽しくまちを巡れますよ」とのこと!
「学びシート」は各フロアで配布されており、クイズに全問正解するとオリジナルシールがもらえます。
「学びシート」は日本語版と英語版があり、子どもたちがこのシートを通じて外国の子どもたちと交流している姿を見かけることもあるのだとか。
学校の授業の一環として子どもたちが来館することも。展示をもっと見たい!ワークショップにも参加したい!と、後日再びご家族で来られる方も多いそうです。
映像で学べる「風呂屋シアター」
大坂町三丁目入ってすぐの風呂屋では、1日9回「風呂屋シアター」を開催中。映像で江戸時代の暮らしを知ることができます。
映像を通して、分かりやすく昔の暮らしを知ることができますよ。
各種イベント、ワークショップも開催
同館では、狂言や上方舞、和楽器のしらべなどのイベントや、「町家衆」が中心となり、折り紙、万華鏡、つまみ細工など多彩なワークショップが開催されているそうです。
イベントやワークショップに参加すれば、きっと素敵な思い出に!各種イベント、ワークショップについての詳細は、公式ホームページを要チェック。
【8階】モダン大阪パノラマ遊覧
精巧な模型で近代大阪のまちの変遷と広がるドラマ
今度は8階に移動。
時代は変わり、文明開化の明治から、大正・昭和にかけての大大阪への発展と、戦争、そして戦後の復興までの歴史が、模型展示などにより生き生きと紹介されています。
展示室中央の床一面に光り広がるのは、大正時代の大阪のパノラマ地図。地名も書いてあり、今のまち並みとの違いに思いを馳せながらじっくり鑑賞…。
まち並みはもちろん、家の造りまで時代ごとに違うのが面白い!
向かい側のエリアでは、昭和時代を舞台とした「住まい劇場」を楽しむことができます。
この模型で表現されているのは、空堀通で生まれた「悦子さん」の暮らし。空堀商店街で生まれ育ち、戦後はバス住宅で仮住まい、高度成長期には古市中団地に引っ越した悦子さんの物語を、八千草 薫さんによる生き生きとした語りや映像、模型で楽しめます。
こうして、臨場感あふれる展示の数々を楽しみながら、館内をぐるりと巡りました。
今回ご紹介した常設展のほかに、企画展が年4回開催されています。企画展は、学芸員さんが企画する専門性の高い内容となっているそう。あわせて鑑賞したいですね!
大阪くらしの今昔館の所要時間はどれくらい?
常設展は、目安として2時間ほどで回ることができます。イベントやワークショップに参加して、さらに楽しむのも◎。チケットを提示すれば当日に限り再入館可能なので、休憩を挟みながら一日じっくり楽しむのもいいですね!
大阪くらしの今昔館のお土産グッズ
玉井さんによると、特に人気の高いグッズは、公式ガイドブックの「大阪くらしの今昔館 逍遥指南書(税込300円)」。日本語版と英語版の2種類あります。
展示内容と分かりやすい解説が載っており、ガイドブックを見ながら館内を回るのはもちろん、帰って見返すのも楽しい!さらに詳しい内容が知りたい方には、図録もおすすめとのこと。
「意外に人気なのが、地図ですね」と玉井さん。
8階展示室中央の床にも広がっていた「大阪市パノラマ地図」(税込2,200円)や「大阪都市住宅史付録地図 浪花地図/近代地図」(各税込1,100円)を買って帰られ、昔の土地がどのような場所だったのかを知り、住まい探しの参考にされる方もいらっしゃるのだとか。
大阪のまちは、これまで何度も整備が行われてきました。大都会・大阪の姿が今は当たり前の景色となっていますが、このような地図を見ると、新たな発見があるのも面白いですね。
大阪くらしの今昔館を訪れた感想
「博物館」といえば「展示を見る」といったイメージが強いですが、大阪くらしの今昔館では、展示空間の中に来訪者自身が入って歩き、まち並みや暮らしを体感できるところが非常に魅力的でした!
驚いたのは、町の家一つ一つに非常に細かく設定が行われていたこと。まるでそこに実在の人物たちが本当に暮らしているような、リアルなあり様が息づいているのを感じました。
江戸時代のまち並みの中を歩いてみたり、ワークショップに参加してみたりと、色んな楽しみ方ができる大阪くらしの今昔館。かつての大阪の姿に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
大阪くらしの今昔館の基本情報(入館料金、最寄駅からのアクセスなど)
大阪くらしの今昔館は、阪急天神橋筋六丁目駅下車すぐ。乗用車の場合は、駐車場もあります(収容台数40台)。駐車場への詳しい行き方は、公式ホームページを参照。
スポット名 | 大阪市立住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館 |
営業時間 | 10:00~17:00(入館は~16:30まで) |
休館日 | 火曜、年末年始 ※その他臨時休館あり。最新情報は公式ホームページを確認。 |
入館料 | 常設展600円 ※企画展は展覧会ごとに料金が異なります。詳しくは公式ホームページをご覧ください。 |
問い合わせ | 06-6242-1170 |
アクセス | 阪急天神橋筋六丁目駅下車すぐ |
住所 | 大阪市北区天神橋6丁目4-20 住まい情報センタービル8階【MAP】 |
URL | https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan |
大阪くらしの今昔館を訪れる際のランチ・カフェ情報
大阪くらしの今昔館を訪れる際は、大阪梅田エリアでランチ・カフェを楽しむのもおすすめ。スムーズに行きたいところを巡れるよう、こちらの記事をチェックしてみて。
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この記事を書いたのは… TOKK情報部
「TOKK情報部」は、TOKKの読者から構成されている組織です。大阪・兵庫・京都の阪急沿線エリアを中心に、関西で長年暮らしているメンバー揃い。年代、性別もさまざま。グルメ/観光/エンタメ/歴史/アート/イベントなど、様々なジャンルに興味・関心をもち、沿線ライフを日々楽しんでいる「TOKK情報部」が、TOKK読者ならではの目線で取材した記事をお届けします。
この記事を企画・編集したのは… TOKK編集部I
京都在住。休日の過ごし方はもっぱら京都のまち歩き。美術館や社寺、お笑いライブがとくに好き。花より団子。
阪急沿線情報紙「TOKK」は今年で創刊から50年目を迎える情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。
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