西宮神社とは?福の神えびすさまを祀る商売繁盛のご利益や十日えびすなどの祭事を紹介

「えべっさん」の愛称で知られる西宮神社。福の神えびすさまを祀り、商売繁盛を願う「十日えびす」には100万人以上の参拝者が訪れるという、全国的にも有名な神社です。

そんな注目度の高い西宮神社を訪れて、その歴史や見どころ、授与品、祭事などについて、禰宜(ねぎ)の吉井さんに教えていただきました。

普段は落ち着いた雰囲気で心穏やかになれる、西宮神社の魅力をレポートします。

西宮神社の見どころ

まずは西宮神社の境内をまわり、見どころをご紹介します。

阪神電車・西宮駅から徒歩約5分、西宮神社の大練塀と大きな門が迎えてくれます。これが有名な福男選びのスタート地点「表大門」、通称「赤門」。国の重要文化財に指定されています。

西宮神社 表大門

表大門の手前には、安産の神様をお祀りする末社「梅宮神社」も。西宮神社では安産のご祈祷も受け付けており、印を押した腹帯と安産守を授与していただけます。

西宮神社 梅宮神社

表大門から本殿までの参道は230m。吉井さんは「普段の境内は落ち着いた雰囲気です。長い参道を歩きながら、ゆっくりと過ごしていただけると思います。そして落ち着いた心で本殿にお参りください。

その後は境内に11ある末社をお参りし、色んな神様とご縁を結ばれるのもおすすめです。境内の休憩処・おかめ茶屋で、季節の花々に囲まれながらひと休みするのもいいですよ」と話します。

西宮神社 参道

木漏れ日のなか歩いていると、気持ちも穏やかに。都心にあるとは思えない静けさと豊かな緑に包まれ、広い境内を散歩するのも気持ち良いです。

大きな鳥居の手前には、祈祷殿があります。ご祈祷の際にはこちらでご祈祷を受けます。室内なので、雨の日や夏冬の子連れでのご祈祷も安心。

西宮神社 祈祷殿

右手の道を進むと、献酒樽が並んでおり、酒どころ西宮の一面もうかがうことができます。

西宮神社 献酒樽

参道のつきあたり左手に、堂々たる佇まいの拝殿が姿を現します。鮮やかな朱と屋根の緑が、青空に映えますね。

西宮神社 本殿・拝殿

拝殿の奥に本殿が立っていますが、普段は拝殿の前からの参拝となります。お正月や十日えびすの期間中には特別に本殿の前まで入ることができ、より神様の近くにお参りすることができます。

西宮神社 拝殿

本殿、拝殿は戦災から復興してから約60年経っています。そのため2024年1月末日から11月末頃まで、屋根の銅板葺き替え工事が行われる予定。本殿の朱色と銅の美しい緑のコントラストが見られるのも、2024年のお正月と十日えびすの頃をもってしばらく見納め。お参りの際は本殿、拝殿の写真撮影をお忘れなく!

銅板奉賛も受付されているので、気になる方はホームページなどで確認を。

西宮神社 銅板奉賛

社務所の中に入ると「えびす信仰資料室」があります。

西宮神社 社務所・えびす信仰資料館

ロビーには有名人が奉納した、サイン入り絵馬が飾られています。西宮出身の超有名歌手や、西宮ゆかりのスポーツ選手の絵馬も…!

西宮神社 えびす信仰資料館 絵馬

たくさんのえびすさまや、江戸時代の境内を再現したジオラマ模型も展示されています。ぜひ立ち寄ってみてください。

西宮神社 えびす信仰資料館 えびす様
西宮神社 えびす信仰資料館 ジオラマ

社務所の右手奥には「西宮神社会館」があり、結婚式やお食い初めといった御祝いの会席の場を設けることもできます。(要事前予約)

西宮神社会館

拝殿の向かい側には神池も。強いカーブを描く石橋は、登録有形文化財の瑞寶橋(ずいほうばし)。渡ることはできませんが、池と共に趣ある姿を鑑賞できます。

西宮神社 神池・瑞宝橋

池には鴨や鯉、亀などが穏やかに集います。カキツバタ、ユキヤナギ、ハナショウブなどの植物に、四季の移ろいを感じながら散策するのも楽しいですね。

西宮神社 神池 鴨

境内の「おかめ茶屋」で少し休憩。甘酒とゆで卵を頂きます。

西宮神社 おかめ茶屋

あたたかい甘酒は「おかめ茶屋」の名前入りの湯飲みで頂きました。優しい甘さと温かさで、心までほっこり。

西宮神社 おかめ茶屋 甘酒

先ほどご紹介した梅宮神社の他にも、西宮神社には11の末社があり、色んな神様とご縁を結びながら境内を巡ることができるのも楽しみの一つ。

私事ながら、先日子どものお宮参りに参拝した際は、祈禱殿でご祈祷を終えた後、本殿の西側にある末社の一つ、百太夫(ひゃくだゆう)神社に巫女さんと一緒にお参りしました。徳川吉宗公の時代、疱痘の流行時にこの神様のご利益で病気が治癒したことから、子どもの守り神として大切にされています。元は芸能の神様でもあり、お社の横には技芸上達を願う扇子がかけられています。

西宮神社 百太夫神社

ちなみに、西宮神社のお宮参りでは、授与品として子どもの名前が金の糸で刺繍されたお守りを後日郵送で授与していただくことができます。夫婦で一生懸命考えた子どもの名前を刺繍していただけるのがとても嬉しかったです。

西宮神社 お宮参り授与品

西宮神社の歴史やご利益

ここで、西宮神社の歴史とご利益もご紹介します。

西宮神社の始まりには、とある逸話があります。その昔、鳴尾の村の漁師がかつて「茅渟(ちぬ)の海」と呼ばれていた大阪湾で、えびすさまの御神像を引き上げます。一度は海にお返ししたものの、神戸・和田岬の沖で再びえびすさまの御神像を引き上げ、「これはただ事ではない」と漁師は鳴尾に持ち帰り、えびすさまを祀ります。その後、ご神託により場所を現在地に遷されました。それが西宮神社の起源と伝えられています。

西宮神社に祀られているえびすさまは、「福の神」として知られます。「福」とされるものは土地によって様々。海の近くでは漁師達の大漁満足、里や町では町人達の商売繁盛、山では五穀豊穣といったように、その土地の人々の願いにあわせたご利益を、福の神えびすさまが授けてくれると信じられてきたそう。

商売繁盛のイメージが強い西宮神社も、元々はこの一帯が漁師町として栄えていたことから、古くは「漁業の神様」として信仰されていました。時を経て、神社周辺は西国街道の宿場町としても栄え、市場が設けられ、商業の中心地としても発展。こうした町の発展と共に、えびすさまは「商売繁盛の神様」としても信仰されるようになったそう。

各地の人々の様々な祈りを、えびすさまは受け止めてこられたのですね。

西宮神社の授与品(お守り、御朱印、おみくじ)

社務所には、さまざまな種類のお守りや絵馬がずらり。えびすさまや表大門など様々なモチーフが織り込まれています。どれも彩り豊かで、手に取るだけでも心が明るく晴れるよう。

西宮神社 授与品 お守りずらり
西宮神社 お守り 寄り
西宮神社 お守り・絵馬 寄り

西宮神社で話題なのがおみくじ。大吉よりさらに良い「大福」のおみくじがあるそうです。「大福」は台紙が金色。これは引き当てるだけでも福がありそう!!

※正月や十日えびすの期間は、金色の台紙ではなく折りみくじの授与となります。

西宮神社の祭事①十日えびす

西宮神社といえば、「十日えびす」。一体どんな祭事なのか、どんな見どころがあるのかを詳しくご紹介します。

西宮神社 十日えびす

十日えびすとは?

「十日えびす」は、毎年1月9日~11日の3日間に渡って行われる、阪神エリア最大級の祭典。

西宮神社 十日えびす

1月9日の「宵えびす」では、有馬温泉の芸妓さんによる「献湯式」や「宵宮祭」を実施。夜中12時になるとすべての神門を閉じ、10日未明からは「十日戎大祭」、10日午前6時からは「開門神事福男選び」が行われるなど、大いに賑わいます。商売繁盛や開運招福のご利益があるとされる縁起物「福笹」も有名です。

開門神事福男選び

1月10日未明の十日戎大祭が行われた後、午前6時に表大門が開かれ、参拝者は一番福を目指して本殿までの230m走り参りをします。これが「開門神事」。江戸時代頃から自然発生的に行われるようになり、いつしか西宮神社独自の行事として知られるようになりました。

西宮神社 開門神事福男選び

一番にえびすさまにお参りしたい参拝者の想いが脈々と受け継がれていることからも、えびすさまへの人々の信仰の深さが感じられます。

西宮神社 福男選び 表大門

本殿へ到着した順に1番から3番までがその年の「福男」として認定され、宮司から認定証と御神像を、淡路島のえびす浄瑠璃人形から副賞と法被が授与されます。先着五千名の参拝客には「開門神事参拝之証」が配布されるので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

ちなみに、この淡路島のえびす浄瑠璃人形は、1月の間に5・6回、にぎわい行事として西宮神社会館で演舞を行われるそうです。

大まぐろ奉納

十日えびすといえば、拝殿に奉納される大まぐろも有名。

始まりは1970年(昭和45年)、神戸市東部水産卸売市場の方々が商売繁盛や大漁を願って何を奉納するのが良いかと考えられた結果、参拝客にも見てもらえる大まぐろが良いだろうと奉納されるようになったそうです。まぐろはあまりに大きく本殿には入らないため、手前の拝殿に置かれています。

西宮神社 大鮪2020年
写真は2020年のもの

大まぐろに参拝客が小銭を張り付ける風景も今や恒例となっていますが、この風習も参拝者から広がった風習なのだとか。「お金が身に付く」と誰かが言い始め、皆が倣うようになりました。参拝者から生まれる信仰の形があるのも、えびすさまのご利益を信じる人々の想いの強さの表れですね。

正月の授与品「福笹」「鯛みくじ」

福笹は、笹にえびすさまの御札や鯛、小判などの吉兆をつけた縁起物。2024年は、1月4日から2月末まで授与される予定とのこと(なくなり次第終了)。

西宮神社 福笹と鯛みくじ

笹は商売繁盛、開運招福などあらゆる福を招くとされています。笹は、えびすさまが竹の釣竿を持っていることやまっすぐ伸びる姿から、商売人の正直な心を象徴しているとも言われ、縁起物として扱われるように。

かわいらしい鯛みくじもあります(こちらもなくなり次第終了)。鯛の置物はみくじと一緒に持ち帰れるので、部屋に飾ってもかわいいですね。

西宮神社 鯛みくじ

参拝者が福笹などの縁起物を手に、福笹についた鈴をシャンシャンと鳴らしながら神社一帯を歩く姿は、十日えびすの風物詩でもありとても賑やかです。

えびすさまとあらえびすさまの両参り

十日えびすの際、境内放送で「えびすさまとあらえびすさまの両参り」を案内するアナウンスを聞いたことがあります。

吉井さんによると「西宮神社では、本殿に和魂(にぎみたま)を持つ優しく和やかなえびすさまを、境内にある沖恵美酒神社(おきのえびすじんじゃ)に荒魂(あらみたま)を持つ力強く荒々しいえびすさまをお祀りしています。

西宮神社 沖恵美酒神社寄り

この両方をお参りする「両参り」により、両側面のえびすさまのご利益を受けられるといいます」とのこと。

あらえびすさまは力強い神様であることから、健康や勝運にご利益があるそうです。ぜひどちらもお参りしたいですね。

西宮神社 沖恵美酒神社 必勝絵馬

なぜ10日なのか?

ところで「十日えびす」はなぜ10日なのでしょうか?吉井さんによると、

「十日はえびすさまの縁日。そして1月10日は、その日の夜中にえびすさまが白い馬に乗って町を廻られ、未明に神社に帰ってこられるため、1年の中で最もえびすさまのお力が強くなる日です。西宮神社では全ての門を閉めきり、えびすさまが帰って来られる10日未明に十日戎大祭が行われます。

西宮神社 神馬
境内にある「神馬舎」

かつては西宮神社の門前に市(いち)が立ち賑わいを見せていましたが、その初市が立つのが十日だったという縁もあります」とのこと。

初市が立ち、えびすさまの力が最も強くなる1月10日にえびすさまに感謝の気持ちを伝えに行く。そんな「十日えびす」のお参りが次第に定着したのですね。えびすさまにあやかり、幸先の良い新年をスタートするのも良いでしょう。

西宮神社の祭事夏えびす

十日えびすで有名な西宮神社ですが、実は「夏えびす」と呼ばれる夏祭りがあることをご存知でしょうか。

十日えびすから半年後の7月10日は、えびすさまの荒魂をまつる沖恵美酒神社の祭日。この日を中心に、計4日間の夏祭りが行われます。

7月7日には神池天の川のライトアップ、7月9日・10日は「あらえびす夜まつり(ヱビスビールフェスタ)」や風鈴市。7月20日には湯立神楽やえびす萬燈籠が行われ、境内はいつもとまた違った雰囲気に包まれます。見どころが盛りだくさんの夏祭りにも、訪れてみてください。

西宮神社の祭事③例祭

毎年9月21~23日は、22日の例祭を中心に「西宮まつり」として神社一帯が賑わいます。

西宮神社 例祭西宮まつり
西宮神社 例祭西宮まつり

9月22日は、同社で最も重要な祭り「例祭」。前日に「宵宮祭」があり、9月22日午前中に厳粛に祭典を行った後、午後からは稚児行列や子ども神輿が行われます。

9月23日は渡御祭。これは鳴尾の漁師がえびすさまの御神像を和田岬ですくい上げ、西宮の地にお連れしたという伝説にちなんだ神事。えびすさまの御霊を乗せた神輿を運び、西宮神社から新西宮ヨットハーバーへ、そこから海上へ出て御霊を慰めます。10年に1度だけ渡御祭の場所が変わり、和田岬へ船で移動し、和田神社まで向かいます。

西宮神社 例祭西宮まつり渡御祭

西宮神社ではこのような年中行事の他にも、日本酒で有名な西宮郷の酒蔵とのイベントや古本市など、多くのイベントが行われています。西宮の街や人々の想いと共に盛り上がりを見せる西宮神社に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

西宮神社毎月10日は「とおかし」の日。限定和菓子が登場

毎月10日はえびすさまのご縁がある日として、賑わいを出して皆さんに楽しんでもらおうと、西宮神社が地域の和菓子屋さんや市役所との協働で始めたプロジェクトが「とおかし」。

1月以外の毎月10日、毎月異なるお店の和菓子が、午前中の参列者に限定180個配られます(限定菓子がなくなった後は、お茶屋さんの休憩券を配布)。

西宮神社 おかしチラシ

「とおかし」の日の午後には、境内で「十日市」も開催。十日市では、お菓子や野菜などを販売するお店が20~30店舗ほど並ぶとのこと。西宮神社ならではのモチーフが盛り込まれた和菓子をいただくのも、特別な気持ちに浸れそうです。

西宮神社の基本情報(拝観時間、拝観料、アクセスなど)

スポット名西宮神社
料金境内自由
営業時間4月~8月は5:00~19:00、3月・9月は5:00~18:30、10月~2月は5:00~18:00
※授与所は9:00~17:00。
※正月、十日えびす期間については、ホームページにて最新情報を要確認。
定休日無休
問い合わせ0798-33-0321
アクセス阪急夙川駅下車 約15分、または阪神電車・西宮駅下車 約5分
住所西宮市社家町1-17【MAP
URLhttps://nishinomiya-ebisu.com/index.html

西宮・夙川周辺のランチ・グルメ・手土産情報

西宮神社周辺の名物グルメ

西宮神社とあわせて立ち寄りたい名物グルメはこちらをチェック。

西宮・夙川の手土産にもぴったりなおすすめパン

西宮・夙川は実はパン激戦区。お土産に買って帰りたいおすすめパンのお店はこちらでご紹介しています。

西宮北口駅のおしゃれなおすすめランチ

西宮神社へ参拝する際のランチは阪急西宮北口駅も◎。

まとめ

西宮神社について、歴史やご利益、境内の見どころ、授与品、祭事など詳しくご紹介しました。100万人以上の参拝者が訪れる「十日えびす」などの年中行事はもちろん、西宮神社では多彩なイベントを開催しており、何度でも訪れたい場所。

普段は静かで落ち着いた雰囲気なので、広々とした境内を歩いていると心穏やかに過ごせますよ。記事を参考に、ぜひ西宮神社の様々な表情を楽しんでみてください。

この記事を書いたのは… TOKK情報部
「TOKK情報部」は、TOKKの読者から構成されている組織です。大阪・兵庫・京都の阪急沿線エリアを中心に、関西で長年暮らしているメンバー揃い。年代、性別もさまざま。グルメ/観光/エンタメ/歴史/アート/イベントなど、様々なジャンルに興味・関心をもち、沿線ライフを日々楽しんでいる「TOKK情報部」が、TOKK読者ならではの目線で取材した記事をお届けします。

この記事を企画・編集したのは… TOKK編集部I

甘いものが大好きなTOKK編集部 I

京都在住。休日の過ごし方はもっぱら京都のまち歩き。美術館や社寺、お笑いライブがとくに好き。花より団子。

阪急沿線情報紙「TOKK」は今年で創刊から50年目を迎える情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。

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