大阪豊中「萩の寺 東光院」は萩の名所として知られる古刹。見どころや人気の御朱印、アクセスなどご紹介
2024.10.19おでかけ
大阪府豊中市にある「萩の寺東光院」は、奈良時代から約1300年の歴史をもつ古刹(こさつ)。9月には境内一円に可憐な萩の花が咲き誇り、多くの参拝者が訪れる。最近はオリジナリティのある御朱印も美しいと話題に!
今回は、花の見頃である9月下旬に萩の寺 東光院を訪れ、副住職の村山さんに歴史や見どころ、御朱印などの話を伺った。
#萩の寺東光院 #東光院 萩の寺 御朱印 #萩の寺 御朱印 #萩の名所 #大阪御朱印 #大阪豊中
目次
「萩の寺 東光院」の境内の見どころ
まずは、萩の寺東光院の境内をぐるりと巡ってみよう!
山門 薬醫門(やくいもん)
入口に立つのは、1757年に建立された、総欅(そうけやき)造りの風情ある山門。かつての山門は阪神・淡路大震災により大破し、現在の山門は1995年に修復されたもの。志納料を納めて境内へ。
萩の花が咲く参道
取材に訪れた9月下旬は、参道脇の萩の花がちょうど満開!
可憐でかわいい萩の花に、心がほっこり癒やされる。
本堂
色とりどりの萩の花を楽しみながら、まずは境内奥にある本堂へ。
本堂には、御本尊「薬師如来坐像」と御醍醐天皇ゆかりの「こより十一面観世音菩薩立像」が祀(まつ)られている。
萩の庭園 萩露園(しゅうろえん)
本堂にお参りし、続いては萩露園へ。美しい萩のトンネルを散策できる庭園で、「大阪みどりの百選」にも選ばれている。
木漏れ日が差し込む萩のトンネルをくぐり抜けると、全身を萩に包まれたかのような感覚に!萩の寺東光院ならではの体験だ。「萩露園」は北大路魯山人の命名による。
道了大権現堂(どうりょうだいごんげんどう)
こちらは、道了大権現堂。御本尊の道了大権現は室町時代の禅僧で、関東地方では「小田原の道了さん」と信仰されてきた。
豊臣秀吉公も自身の守り本尊として信仰し、大阪市内玉江橋付近にお堂を建てて祀ったといい、縁あってお堂ごと萩の寺東光院へ移転してきたものだ。
東照閣仏舎利殿、あごなし地蔵堂
そして「東照閣仏舎利殿」は、元は川崎東照宮の本地堂(寺院の本堂にあたる)だったもの。廃仏毀釈の頃に萩の寺東光院へ移され、徳川家康権現の厄除薬師如来を祀っている。
また、同じ頃に廃仏に遭った島根県隠岐島(おきのしま)の伴桂寺から受け入れた、あごなし地蔵尊像も祀られている。
このあごなし地蔵尊は、ことごとく願いを叶えてくれるお地蔵さん。50年に一度御開帳される秘仏である。
こうして境内を一周。境内は落ち着いた雰囲気で、穏やかな時間が流れているよう。至る所に咲く萩の花にも癒やされる。阪急曽根駅から徒歩約4分と近いため、気軽に立ち寄ってみてはいかがだろう。
「萩の寺 東光院」のお花の見頃は?
萩の花の見頃は、9月初旬~10月初旬頃。萩の寺東光院では、13種類3,000株の萩が順番に花開く。最盛期の9月中旬~下旬には、毎年「萩まつり道了祭」が開催されている。
ピンクや赤紫の萩をはじめ、上品な白萩や、白地に赤い色の入った「江戸絞り」という珍しい品種など、様々な萩に出合えて楽しい!
山門近くの背の低い萩は、6月と9月に花をつける二度咲きの珍しい夏萩で、輪廻・再生の象徴として大切に育てられているもの。
また、境内で最も背の高いミヤギノハギは、通常2mほどであるところ、萩の寺東光院では4mにまで大きく成長するそうだ。
村山さんによると「日々のお手入れは大変ですが、萩の寺東光院において萩は御本尊と同じ存在。
もとは、萩の寺東光院を開創した行基菩薩(ぎょうぎぼさつ)が、亡くなった方を供養する時にお供えしたのが萩の花。萩の一本一本に供養の心が宿り、毎年美しい姿で咲いてくれます」。
お話を伺った後、あらためて萩の花を眺めると、心にじんわりと温かい気持ちが湧いてくる。
「萩の寺 東光院」の授与品(御朱印、お守りなど)
ここでふと、授与品に目がクギヅケに!萩の寺東光院の御朱印は、美しすぎると近年話題になっている。
こちらは、限定切り絵御朱印「萩と蝶」。「『皆さんにお寺での風景を思い出してほしい』との思いを込めて、萩の花と蝶をデザインしました。萩の寺東光院には、よく蝶が飛んでいるんです」と村山さん。
特別御朱印「萩花螺鈿蒔絵と蝶」は、立体的な蝶の飾りが斬新!華やかで美しい御朱印だ。
限定立体御朱印「クリア」も要チェック。ステンドグラスを思わせる透明感のある御朱印に、きらめく箔押しの印、立体的な蝶の飾りやスワロフスキーが添えられた独創的な一体。参拝の素敵な思い出になりそうだ。
「萩の寺透明お守り」にも個性が光る。秋の季語でもある「三日月」は、祈ると願いを叶えてくれる月として知られる。また、これから満月に向かう姿は成長や発展を意味し、病気や災いから守ってくれる幸運の象徴とされてきた。
そんな三日月をモチーフにした、幸運のお守りなのだそう。
萩の花をこよなく愛した豊臣秀吉の側室・淀殿が、切り花に向かない萩を小筆に仕立てて写経に励んだという逸話にちなみ、淀殿ゆかりの萩の筆も授与されている。
萩の寺東光院に参拝する際は、様々な授与品にもご注目を!
「萩の寺 東光院」の歴史
最後に、お寺の歴史を詳しく教えていただいた。 萩の寺東光院は、735年、大坂豊崎の里(現在の大阪市中津)にて行基菩薩により開創された。
村山さんによると、梅田にほど近い中津は今でこそ都会だが、当時は淀川の支流だらけの湿地帯。亡くなった人の遺体を安置する、広大な墓地のような場所だった。
その頃はまだ日本に火葬の風習がなく、この地を訪れた行基は、多くの遺体が淀川河畔でそのまま朽ちていく光景に心を痛め、遺体を火葬して供養することに。その際、自ら堀った薬師如来像と、淀川に群生していた萩の花をお供えしたという。
そこに薬師堂が建てられて、萩の寺東光院の始まりとなった。
「村人たちの亡くなった家族を供養するお寺として始まったので、萩の寺東光院では昔から、宗派を問わず人々を供養してきました。
江戸時代、幕府による寺院法度のために宗派を定めるよう迫られ、曹洞宗の寺院となりましたが、変わらず大事にしてきたことは『宗派を問うてはいけない。すべての人を供養するお寺である』ということです」と村山さん。
また「萩の寺東光院において萩の花は、故人を想う供養の心の象徴です。皆で大切に守ってきました」と話す。
明治時代の廃仏毀釈を乗り越えたのち、1910年に箕面有馬電気軌道(現 阪急電鉄)が開業したことをきっかけに、萩の寺東光院は現在地(大阪府豊中市)に移転。
時代の流れで場所こそ変わったものの、萩の寺東光院は今もなお、美しい萩の花に囲まれ、人々の心の拠り所として親しまれている。
「萩の寺 東光院」の基本情報(拝観時間、料金、アクセスなど)
萩の寺東光院は、阪急宝塚線・曽根駅から徒歩約4分。駅から所々に看板が立っている。それらを目印にして向かおう。
スポット名 | 萩の寺東光院 |
料金 | 志納500円 |
時間 | 9:00~17:00(御朱印の受付は9:30~16:30) |
問い合わせ | 06-6852-3002 |
アクセス | 阪急曽根駅下車 約4分 |
住所 | 豊中市南桜塚1ー12ー7【MAP】 |
URL | https://www.haginotera.or.jp/ |
「萩の寺 東光院」の取材を終えて
「萩の寺東光院において、萩は御本尊と同じ存在。故人を想う供養の心の象徴です」というお言葉が印象的だった今回の取材。
村山さんによると「萩は古来、日本人に愛されてきた花です。万葉集で最も多く詠まれた花も、実は萩なんですよ」という意外なお話も。
境内は落ち着いた雰囲気なので、花が見頃を迎える9月初旬~10月初旬はもちろん、いつでもふらりと訪れたい。
「萩の寺 東光院」を訪れる際のおすすめランチ・カフェ情報
「萩の寺東光院」を訪れる際は、豊中エリアのカフェ情報も要チェック。詳しくはこちら!
豊中エリアのおいしいランチのお店はこちらをチェック!和洋どちらもご紹介。
「萩の寺 東光院」の最寄り駅・曽根駅から大阪梅田駅までは、阪急電車で約15分。意外と近いので、梅田でランチ・カフェを楽しむのもおすすめ。梅田のおすすめランチはこちら!
梅田はカフェが多すぎて迷う…という人にもおすすめしたい、梅田のおすすめカフェ特集はこちら!
この記事を書いたのは… TOKK編集部I
京都在住。休日の過ごし方はもっぱら京都のまち歩き。美術館や社寺、お笑いライブがとくに好き。花より団子。
阪急沿線情報紙「TOKK」は今年で創刊から50年目を迎える情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。
【Twitter】@hankyu_tokk
【Instagram】@tokk_hankyulocalmed
- 掲載店舗や施設の定休日、営業時間、メニュー内容、イベント情報などは、記事配信日時点での情報です。新型コロナウイルス感染症対策の影響などにより、店舗の定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。また、お出かけの前に各店舗にご確認いただきますようお願いいたします。
- 価格は記事配信日時点での税込価格です。