阪急沿線のご利益を訪ねて。新年に願いを込める初詣【TOKK2023年1月号】

気持ち新たに迎える一年の幕開け。京都・大阪・阪神間の寺社へ初詣にでかけよう。
阪急沿線にある初詣におすすめの寺社を、その歴史に触れながらご利益別に紹介します。

※写真は2022年以前のものです。

【京都・松尾大社駅】松尾大社(まつのおたいしゃ)<酒業繁栄・無病息災>

京都洛西を護る“猛霊(もうれい)”の御加護が心強い

松尾大社

古来、山の神様をお祀(まつ)りし、多くの崇拝を受けてきた松尾大社。

「かつては『山の神様は恐い、だからこそより一層の御神徳がある』という話もあったようです。平安遷都の際には上賀茂神社、下鴨神社とともに皇城鎮護(おうじょうちんご)の社とされ、『賀茂の厳神、松尾の猛霊』と並び称された歴史もあります」と広報の西村伴雄さんは語る。

松尾大社
毎年心待ちにしているファンも多いという干支の大絵馬は、11月下旬から翌年3月末まで飾られる。

室町時代以降、すぐれた酒造技術をもつ渡来民族・秦(はた)氏が一族の氏神と仰いだことから、醸造祖神、特に酒造の神様としても信仰されるように。今もなお緑豊かで広大な境内に、京都洛西の総氏神としての堂々たる風格が感じられる。

松尾大社
神輿庫に飾られる酒樽の中に、普段飲んでいる銘柄を探してみるのも一興だ。

煌(きら)びやかな金装飾が目を引く本殿へお参りしたら、「亀の井」に湧く延命長寿の御神水も訪ねたい。酒に入れると腐らないともいわれる名水だ。

亀の井をはじめ各所で亀と鯉を見かけるが、同社においてこれらは神の使い。太古、御祭神・大山咋神(おおやまぐいのかみ)が川を渡る際に緩流は亀、急流は鯉に乗ったという伝承によるもので、亀は延命長寿、鯉は立身出世の象徴とされる。

松尾大社

全国でも珍しく御神像を通年公開する「神像館」も見逃せない。西村さんによると「神様には姿形がないという考えから、そもそも仏像と比べて御神像は数が少ない。通常非公開の場合も多い御神像を、ここでは21体展示しています」。

松尾大社

重森三玲(しげもりみれい)が手掛けた4つの庭園などの多彩な見どころをゆっくりと堪能する初詣もいいだろう。

松尾大社
左から「袋入服酒守」1,500円、「幸運の双鯉守」1,500円、「銭亀守」各300円
スポット名松尾大社
問い合わせ075-871-5016
アクセス阪急松尾大社駅下車すぐ
住所京都市西京区嵐山宮町3【MAP
お知らせ「歳旦祭」1月1日6:00〜、「金剛流謡曲・仕舞奉納」1月1日10:00〜、「元始祭」「干支祝寿祭」1月3日9:30~
URLmatsunoo.or.jp

【西宮・西宮北口駅】廣田神社(ひろたじんじゃ)<勝運合格・開運厄除>

勝運祈願で新年もあらゆる場面で勝つ!

廣田神社

神功皇后(じんぐうこうごう)により201年に創建された古社であり、その名は「日本書紀」にも記される廣田神社。京の都から西方にある特に重要な神社であることから、かつては別称で「西宮」とも呼ばれ、現在の「西宮市」の名前の由来となったという逸話もある。

「数々の時代を経て、当社のご利益はさまざまです。もとは国家の守護神、戦勝祈願の神社として祀られたことに始まり、平安時代以降には立身出世、和歌の神様、海上交通の守護としての信仰も。江戸時代になると地域の氏神としての性格が強まり、現在は主にスポーツ必勝や合格祈願、交通安全のご利益で知られています」と教えてくれたのは禰宜(ねぎ)の嶋津宣史さん。

1936年に大阪タイガース(現・阪神タイガース)の結成式が行われて以来、球団が毎年優勝祈願に訪れる神社としても有名だ。

廣田神社
数ある土鈴のなかでも卯の立ち姿が珍しく、ニンジンをもつしぐさが愛らしい「干支の土鈴」1,500円(写真上)、虎柄の「勝運守」や鶴が舞う「開運厄除守」各1,000円(写真下)など授与品にもセンスが光る。

厳かな佇まいの本殿は、2021年11月に約60年ぶりとなる屋根の銅板葺(ふ)き替えが完了。本殿右手の干支の大絵馬も、例年11月下旬に次の干支と「剣珠(けんじゅ)」が描かれた新しいものに入れ替わる。剣珠とは、神功皇后が長門の国・豊浦津(とようらのつ)の海中から得られ、創建と同時に納められた御宝物。干支の大絵馬は通年飾られるため、混雑する日を避けて参拝するのがおすすめだ。

スポット名廣田神社
問い合わせ0798-74-3489
アクセス阪急西宮北口駅→阪急バス・広田神社前停下車すぐ
住所西宮市大社町7-7【MAP
お知らせ「歳旦祭」1月1日5:00〜、「初日供祭」1月2日8:30〜、「南京玉すだれ」1月2日11:00〜、「開運大的御弓始神事」1月2日14:00〜、「元始祭」1月3日9:00〜
URLhirotahonsya.or.jp

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【豊中・服部天神駅】服部天神宮(はっとりてんじんぐう)<足の神様・合格祈願>

足の神様に祈願して一年を颯爽と駆ける

服部天神宮

医薬の神様・少彦名命(すくなひこなのみこと)を小さな祠(ほこら)に祀ったことに始まる。901年、菅原道真公が左遷先の太宰府へ赴く道中で足の病に襲われたが、この祠に足病回復を祈願すると病が快調したという。以来、足の神様として信仰される。禰宜の加藤大志さんは「人生100年時代、足の健康はますます大切なことでしょう。足が不調な方はもちろん、今の健康な足を将来にわたり守っていきたい方もぜひお参りください」と話す。

参道脇の「草履堂」には、わらじ草履が積み重なるように納められている。これらは、お礼参りや足の神様に願いを捧げる証として奉納されたもの。約1メートルもある特大の草履は、その昔「うちには巨人がいるぞ」と、魔除けの意味合いで民家などに飾られていた。

服部天神宮
草履堂には、鉄製わらじや約1cmのミニわらじなども奉納されている。創意工夫されたデザインが見た目にも楽しい。わらじ草履は年代不詳だが、鉄製わらじは古いもので江戸時代の代物。

同社で、参拝者が本当に求めている授与品を作りたいと考えた加藤さん。多くのランナーへ聞き込みをし、靴紐に通すことで運動時にも身につけられる、小さくて丈夫なお守り「足守(あしまもり)」が誕生した。

服部天神宮
左から「足守」、「健脚健康草履守」各1,000円

「中央の梅の花模様には、『梅が花開くように、皆さんの願いも花開くように』との想いを込めました」。足の神様へのお参りが、新年の幸先の良いスタートダッシュとなりそうだ。

服部天神宮
「卯の置物」2,000円
日本古来の履物でもある神具「浅沓(あさぐつ)」がモチーフ。ゆる~い表情がたまらない
スポット名服部天神宮
問い合わせ06-6862-5022
アクセス阪急服部天神駅下車すぐ
住所豊中市服部元町1-2-17【MAP
お知らせ「樽神酒無料授与」1月1日0:00~16:30、2・3日9:00〜16:30
備考初詣は2月6日まで延長。
URLhattoritenjingu.or.jp

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【京都・大宮駅】神泉苑(しんせんえん)<諸願成就・金運上昇>

2023年の恵方は南南東。日本唯一の回転するお社

794年、桓武天皇によって造営された禁苑で、美しい池泉回遊式庭園となっている神泉苑。恵方(その年の幸運の方角)におられる歳徳神(としとくじん)を祀るお社「恵方社」は、毎年恵方を向くように回転される。

神泉苑

「その年の恵方に向かい行動すると良いご利益を得られる」という言い伝えにあやかりつつ、歴代天皇が行幸された史跡で、新年を優雅な気持ちで迎えてみては。現在は真言宗寺院で、神様と仏様両方にお参りできる。

神泉苑
スポット名神泉苑
問い合わせ075-821-1466
アクセス阪急大宮駅下車 約11分
住所京都市中京区門前167【MAP
お知らせ「新春祈祷会」1月1日11:00~
URLshinsenen.org

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【阪急バスからのお知らせ】
年末年始の運行ダイヤは、阪急バスホームページ(hankyubus.co.jp)やバス停留所のお知らせをご覧ください。

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