【大阪・高槻市のコーヒー豆専門店】カモセ珈琲焙煎所。高槻ブランドを目指す高品質なコーヒーを日常に。
2021.06.11ショッピング
阪急高槻市駅からすぐのところにある「カモセ珈琲焙煎所」。そしてもう一つ“カモセ”の名前がついた食パン専門店「カモセベーカリー」が徒歩で数分のところに建つ。この2店はともに、カモセを高槻発のブランドにするべく奮闘中のオーナーの平田さんのお店。
今回は、世界で流通しているコーヒーのうち、6~7%程度しか流通していない希少なコーヒー、スペシャリティコーヒーを扱うカモセ珈琲焙煎所を訪ねた。
目次
下町にある工場のようなイメージをコンセプトにした焙煎所
コーヒー専門店と聞くと、自分には少し入りにくいかも…と思われる方も多いのかもしれない。
ここカモセ珈琲焙煎所は、通りに面した白壁に大きくCOFFEEの文字が掲げられ、前を通るときに、外からでも店の中に置かれた焙煎機や、奥にあるカフェスペースまで見通せるガラス戸になっている。戸を開けなくても中の様子がわかるオープンな雰囲気でお客さんを迎えてくれる。
しばらくの間、テナントが入らずに空き家の状態が続いていたというこの場所、平田さんはその飾らない雰囲気をそのまま生かすことを考え、下町にある工場のようなイメージをコンセプトに内外装を作り上げていったとか。
中・深煎りで豆の味わいと香りを引き立たせる焙煎
カモセ珈琲焙煎所では、常時8種類の豆を用意し、中煎り~深煎りを中心とした焙煎度の豆を取り揃えている。
最近のスペシャリティコーヒーの主流は浅煎り、生鮮食品ならではのフレッシュさを楽しむものが多いが、カモセ珈琲焙煎所では豆の品質が良く、しっかりと手間をかければ、深煎り、中煎りにすることで、より豆の香りは引き立ち、コーヒーの魅力がさらに際立つと考えている。
コーヒーの味わいと香りのバランスを追究したオリジナルブレンド
カモセ珈琲焙煎所を訪れたら、まず購入したいのは「カモセブレンド」。苦みと酸味のバランスがよく、後味がすっきりとしているのが特長で、一番人気の商品でもある。そしてオーナー平田さんの自慢の一品でもある。
コーヒーの後味がすっきりという言葉はよく耳にする。この「すっきりした後口」を再現するのには、裏側に膨大な時間の作業の積み重ねが必要。
その作業は生豆、焙煎した後の豆の中から雑味につながるような欠点のある豆を取り除くハンドピック作業のこと。
ざるに広げた豆を目で見て、手を使って一つ一つ取り除いていく。考えただけでも気が遠くなるような作業に思うが、これがあってこそ雑味が消えた後味すっきり、他にはない特別な一杯のコーヒーが生まれるのだ。
カモセ珈琲焙煎所ではハンドピックの作業が、焙煎時間の約5倍にもなるそう。
そうして生まれたカモセブレンドは平田さんいわく「味、香り、コク」の調和がとれた万能型の一杯とのこと。
コーヒーへの間口を広く、楽しんでもらうための心配り
その日、店頭に並んでいるコーヒーの特長を簡単にまとめたカードを読めば、どれが自分の好みに合いそうか、一目でわかる。もっと詳しく知りたい場合は二次元コードを読み取れば、さらに情報を得ることができる。
さらに、カモセ珈琲焙煎所には、コーヒー豆のサンプルと共に、ガラスケースに入ったコーヒーの粉が置いてある。ふたを開けて、コーヒーの香りを確認するためのものだそう。
文字で説明を見て、香りを確認できれば、知らない豆でもかなりの情報を得ることができ、これという一品を選ぶのを助けてくれるし、選ぶのも簡単になる。
コーヒー専門店への道は小さなころから開かれていた?
オーナーの平田さんがカモセ珈琲焙煎所をオープンするまでの経緯もユニークなのでぜひご紹介したい。
平田オーナーのおじいさまは、今はなき、京都河原町にあった名曲喫茶「るーちぇ(LUCE)」を事業の一つとして営まれていた。そしてお父さまは事業を継承、拡大し、事業の一つとして、芦屋にある「芦屋珈琲舎」を開業された。
小さな頃からコーヒーの香りに包まれて育ったという平田さん。中でも忘れない味がある。
幼いころに京都のコーヒー専門店「ひいらぎ」で食べたというコーヒーの粉をトッピングしたアイスクリーム。
そして、お父さまが毎日、毎日、自宅で豆を挽き飲まれていたというコーヒーの香りも特に思い出深いそう。
スペシャリティコーヒーの本場で掴んだ将来の種
大学卒業後、経営を学ぶために渡米、サンフランシスコを本拠地とするFourbarrel Coffee (フォーバレル・コーヒー)でスペシャリティコーヒーと出合う。
サンフランシスコ市内に4店舗を展開するフォーバレルコーヒーのうち、2号店「ザ・ミル(THE MILL)」には、パン職人のベーカリーも併設され、コーヒーと共に職人が作るパンも提供されていた。
コーヒー専門店でありながら、パン職人がいるという様子に刺激を受けて、カモセベーカリーの考案へとつながっていく。
おいしいパンにはおいしいコーヒーが、おいしいコーヒーにはおいしいパンが必要というコンセプトで、2018年にコーヒー豆と食パン専門店が一つになり、「KAMOSE COFFEE KAMOSE BAKERY」がオープン、それから約1年後の2019年にコーヒー豆の専門店を独立させる形で「カモセ珈琲焙煎所」が誕生した。
サンフランシスコといえば、コーヒーのサードウェーブをけん引してきたブルーボトルコーヒーの故郷でもある。スペシャリティコーヒーの本場で得た将来への種、そして、3代続いてコーヒー豆と関わり合いの深い家業を継いでいく。
お話をうかがうえば、うかがうほど、カモセ珈琲焙煎所は誕生するべくして、できたとの思いも強くなった。
店名のカモセは高槻の最高峰・加茂勢山にちなむもの
店名のカモセは、京都市西京区と大阪府高槻市の境界に位置する通称“ポンポン山”、加茂勢山にちなみ名付けられたもの。
少し行けば、山や渓谷にアクセスできる高槻の自然の豊かさをイメージできる響きが、高槻の地になじむ。
食べて気に入った。いちおしのコーヒースイーツ
カモセ珈琲焙煎所で豆と一緒に買いたいのが、ダッコワーズコーヒーサンド。スペシャリティコーヒーに高槻産の米粉を生地に練り込み作られている。軽い口当たり、そしてコーヒーの風味が口の中で広がる、そして優しく甘い。コーヒーと一緒にぜひ食べてみてほしい。
こちらは高槻商工会議所が選定、たかつきの魅力を伝える「たかつき土産」にも選ばれている。
専門店からギフトでおいしいコーヒーを届けよう
カモセ珈琲焙煎所の平田さんが厳選するスペシャリティコーヒーはギフトとしても贈ることができる。ドリップバッグコーヒーやおいしいダッコワーズなどを詰め合わせて贈れば、コーヒー好きな方もきっと喜んでくれそう。
店名 | カモセ珈琲焙煎所 |
営業時間 | 11:00-20:00 (ドリンクラストオーダー 19:45) |
定休日 | 月曜日 |
問い合わせ | 072-672-8800 |
アクセス | 阪急高槻市駅からすぐ |
住所 | 高槻市城北町2-2-3【MAP】 |
URL | カモセ珈琲焙煎所 (kamose.shop) |
最後に
安満遺跡公園も全面オープンし、おしゃれなカフェなども増えつつある高槻は、TOKK編集部でも注目のエリアです。個性的な個店が多いほど、その街の暮らしは豊かに感じますし、暮らしていても楽しいですよね。
あちこちで見かけるようになったスペシャリティコーヒー専門店ですが、高槻でも少しずつ増えています。次のコーヒー専門店巡りも高槻市となっていますので、お楽しみに。高槻に誕生したスペシャリティコーヒーの専門店。みなさまもぜひ一度お出かけください。
この記事を書いたのは、TOKK編集部 K
生まれも育ちも京都。阪急電車の全駅を紹介した『まちあるき手帖 神戸線・宝塚線・京都線』を編集し、阪急電車の全駅を踏破した経験の持ち主。気になること、興味の対象は数限りなく、一日24時間では足りない!
うどん/コーヒー/ロードバイク/猫/読書/SNS(dispoで何を撮影するのが良いかお悩み中のこの頃)/ピラティス/和菓子/パン/電車/旅/東京/アンティーク/写真/建築
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