サントリー〈天然水のビール工場〉京都の工場見学へ!試飲体験もできる無料ツアー

全国各地に地ビールが誕生するなど、ビールへの注目度は年々アップ。阪急沿線においても、今や多種多様なビールを楽しむことができるなか、特に話題なのが、京都・長岡京市にあるサントリーのビール工場「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」。

実はこのビール工場は、だれでも無料で見学可能。嬉しいことに、この工場見学ツアーではビールの試飲もできる。

…ならば、行ってみるしかない!というわけで、さっそく「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」を訪れた。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都とは?

「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」は、阪急西山天王山駅から徒歩約10分。JR京都線の線路からも程近いため、「車窓から見たことがある」という人も多いかもしれない。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 外観

広さは約10万平方メートルで、阪神甲子園球場のグラウンド約9面分!この工場は1969年に完成したもので、国内に4つあるサントリーのビール工場では、東京の武蔵野工場に次いで2番目に古いそうだ。

工場見学ツアーのプランは、参加費無料の「ガイドツアー」と、時期によっては有料のイベントも開催している。

今回は、ツアーガイドを務めている谷村よしのさんにお話を聞きながら、「ガイドツアー」に参加することに。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 ツアーガイド谷村さん
今回工場内を案内してくださった谷村さん

「サントリーがビールの製造・販売を始めたのは1963年。京都ビール工場はその6年後に完成し、稼働が始まりました。

当社が何よりもこだわるのが素材選び、とくに水です。この工場のすぐ近くにウイスキーの山崎蒸溜所があるように、このあたりでは良質な水が採れるんです。ここはまさに、ビールづくりに最適の場所でした」と谷村さん。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 入口看板
ビールの90%は水。そのため良質な水が採れる地に工場はつくられた

京都ビール工場では、「ザ・プレミアム・モルツ」シリーズをはじめ、「金麦」などサントリービールの主要ブランドを製造する。缶だけでなく、飲食店向けの樽に入ったビールもここから出荷。関西に住む人たちが飲むサントリーのビールの多くが、この工場でつくられているそうだ。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都の工場見学ガイドツアー

さっそく「ガイドツアー」へ。「ガイドツアー」では、ガイドさんの解説付きでビールの製造工程を見学した後、最後にはビールの試飲タイムもあるのだとか!所要時間は約70分(試飲を含む)。

はじめに、ガイドさんがパネル展示や映像を交えて、ビールの製造方法やおいしさへのこだわりを説明してくれる。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 ガイドツアー
パネル展示や映像を交えて説明する谷村さん。ビールの原料紹介から始まる

新型コロナウイルス感染症の影響もあって現在は人数を絞っているそうだが、それでも「ガイドツアー」の参加者は1日平均200人。海外からの参加者も増えており、全体の1割近くになるとのこと。

谷村さんによると「最近では特に韓国で『ザ・プレミアム・モルツ』の人気が高いんです」。海外の方がしっかり学んで楽しめるよう、英語・中国語・韓国語に対応したイヤホンガイドも用意されている。

巨大な釜を使って行う「仕込み」の現場

「ガイドツアー」では、ガイドさんと一緒に「素材選び」「仕込み」「発酵」「貯酒」「ろ過」「パッケージング」の6つのテーマごとに巡っていく。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 ガイドツアー
パネル展示もあるので説明がわかりやすい

サントリーが追及しているのは、“水にこだわったビールづくり”。ほかにも、麦芽(希少なダイヤモンド麦芽を一部で使用)やホップ(チェコ周辺のアロマホップを厳選)にもこだわることで、「ザ・プレミアム・モルツ」の「華やかな香り」と「深いコク」が生み出されるのだという。あぁ、すでにビールの試飲タイムが待ち遠しい…!

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 展示パネル
絵を使ったパネルも随所にあり、説明に工夫が凝らされている

サントリービールのおいしさの理由が分かったところで、ビールの仕込室を見学。※夏の時期は仕込室内が高温になるため、ガラス越しの見学となります。

仕込室に入ってまず驚くのが、いくつも並んでいる大きなドーム型の釜。そして、甘い香りと室温の高さ。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 仕込室
いくつもある大きな仕込窯はそれぞれ異なる役割をもっている

ここでは加熱した天然水に麦芽を入れ、麦芽の中の酵素の働きにより、でんぷんを糖に分解。さらにホップを加えて煮沸し、独特の香りと苦みをもつ麦汁をつくっている。

温度や素材を入れるタイミングなどは、「醸造家」と呼ばれる技術者の五感で決まる。職人による熟練の技術が、ビールのおいしさの決め手となるわけだ。

巨大なタンクの中身は全部ビール

さて、ビール工場に到着した時に、巨大なタンクが何本も見えていたのを覚えているだろうか。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 外観

実はこのタンク群の中で、ビールのもととなる麦汁の発酵が進んでいる。タンク1本の大きさは直径約6メートル、高さは約20メートル、約30万リットルも入るそうで。このタンクの中、全部ビールになるのかぁー…!と想像すると、期待感でワクワクしてくる。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 ビールタンク

発酵などを経ておいしいビールに

タンクのなかで1週間ほど麦汁を発酵させることで、アルコール分と炭酸ガスが生まれる。こうしてでき上がったものは「若ビール」と呼ばれ、まだ未完成の状態。ここから「ザ・プレミアム・モルツ」らしいものへ整えなければいけない。そこで必要になるのが「貯酒(ちょしゅ)」という工程。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 貯酒
左右にずらりと並ぶ貯酒タンク。この中でおいしいビールになっていく

「貯酒」という言葉を初めて聞いた人も多いだろう(私もその一人)。ウイスキーや日本酒でいう「寝かせる」と同じような工程で、この工程を経て味と香りがまろやかになっていく(貯酒の期間は2~3週間)。

発酵とは違い、貯酒のタンクは低温状態で横置きする。1本につき電車の1車両分くらいの長さがあり、京都ビール工場にはこれが100本以上あるそうだ。

このあとオリと呼ばれる不純物や、役目を終えた酵母を取り除くのが「ろ過」の工程。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 ろ過
ろ過用の装置はまるで迷路の様。ここを経てビールが完成!

ここでようやく私たちが飲むビールが完成し、パッケージング、つまり缶や樽にビールがパッケージ詰めされ、各家庭やお店の元へ。以上が、ビールが私たちの元に届けられるまでの流れ。

何気なく飲んでいるビールに、こんなに製造行程があることを知れる良い機会。今後はいつものなじみのビールも、より一層おいしく感じられるだろう。

ビールのおいしさを決めるのは醸造家の五感

京都ビール工場の中には、巨大な機械や装置がずらり。ロボットが導入されているなど自動化も進んでおり、作業人数も少なくて近代的。しかし、谷村さんによると「最終的にビールの品質を決めるのは、人間の五感」だという。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 醸造家展示パネル
醸造家になれる人は一握り。まさに「匠」の仕事でビールはつくられる

谷村さんは「ホップを入れるタイミング次第で、味や苦みは変化します。発酵工程で酵母の状態を管理したり、貯酒工程で熟成のピークを見極めるのも醸造家です」と話す。醸造家は工場にたった数人。おいしいビールへのありがたみは増すばかりだ。

いよいよ試飲!3種類のプレモルを飲み比べる趣向も

工場見学ツアーの後は、バスに乗って別棟に移動。ここからはお楽しみの試飲タイム!

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 試飲

ドキドキ……

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 試飲

ついに!まずは、人気の銘柄「ザ・プレミアム・モルツ」を味わう。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 試飲ザ・プレミアム・モルツ

あぁ~、最高……!!

待ち望んでいたビールは、おいしさも格別!この時、ダイヤモンド麦芽を味見、ファインアロマホップの香りを体験することもできる。

続いて、3種類の「ザ・プレミアム・モルツ」(ザ・プレミアム・モルツ、香るエール、マスターズドリーム)を飲み比べ。家ではなかなかチャレンジできない体験、なんとも贅沢…!

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 試飲のみ比べ
それぞれ個性が違う3種類のビールからお気に入りの一杯を選ぼう
※試飲できる銘柄は、予告なく変更となる場合があります。

それぞれのビールを存分に堪能したら、3種類のなかからお気に入りを一つ選び、最後の1杯をいただく。アルコールが苦手な人、車で来られた人には、ソフトドリンクも用意されているのでご安心を。

サントリーのビール工場見学ツアーを終えて

以上で「ガイドツアー」は終了。この充実の内容が、参加費無料だなんて!サントリーのビールの魅力にどっぷりハマり、すっかり熱狂的なファンに。私は飲む専門です、という人にも工場見学ツアーはおすすめ!見学後は、今まで以上にビールのおいしさが身に染みる。ぜひ気軽に行ってみて。

ところで、「ガイドツアー」の最後に味わったビールは、なぜあんなにもおいしかったのか。

谷村さんをはじめガイドのみなさんは「ザ・プレミアム・モルツ」を最高の状態で注げるように練習を経て注いでいる。そのため、味はもちろん、見た目も素晴らしい!谷村さんによると「ビール 対 泡は7:3がベストバランス」だそうだ。ぜひ、参考にしてみてほしい。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都の予約方法

「ガイドツアー」はインターネットまたは電話にて要予約。

土・日曜を除く、毎月第1営業日の9時30分より、翌月分の予約受付が開始となる。予約開始日は電話が集中してつながりにくい場合があるため、ホームページからのweb予約がおすすめ。当日のガイドツアーの空き状況についても、ホームページで確認できる。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都のショップでお土産選び

ビール工場見学のあとには、併設のブルワリーショップでお土産選びもお忘れなく。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 ブルワリーショップ
ショップには製品はもちろんビールに合う食べ物などがずらり

京都工場でつくられているビール類はもちろん、おつまみやお菓子なども充実しており、ビール好きには目移りするラインアップ。ラグビーの強豪チーム「東京サントリーサンゴリアス」のオリジナルグッズも販売されていた。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 「京都工場オリジナルグラス」
ショップで一番人気の「京都工場オリジナルグラス」

一番の売れ筋は「京都工場オリジナルグラス」(タンブラータイプとピルスナータイプの2種類あり)。一方、谷村さんのおすすめは「神泡サーバー」。これを缶に装着してグラスにビールを注ぐと、超音波振動により、まるでお店のような生ビールが味わえる優れもの。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 お土産

ビールを格段においしく楽しみたい人向けのおすすめグッズ多数。すみずみまで要チェック。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都のアクセス

最寄り駅は阪急京都線の西山天王山駅。駅から工場までは、徒歩または無料シャトルバスを利用しよう。 徒歩の場合は、所要時間は約10分。駅からのルートやシャトルバスの運行状況は、ホームページで確認を。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都 無料シャトルバス
オリジナルラッピングのバスに乗るのも楽しい思い出に

無料シャトルバスは、阪急西山天王山駅を出発し、JR・長岡京駅を経由して、工場まではトータル約18分。帰りの便は工場から西山天王山駅まで直行するルートになるため、約5分で到着する。

サントリー〈天然水のビール工場〉京都の基本情報

スポット名サントリー〈天然水のビール工場〉京都
料金入場無料
時間9:30~17:00 ※工場見学ツアーの開催日時はホームページを要確認。
休み年末年始、工場休業日 (臨時休業あり)
問い合わせ075-952-2020
アクセス阪急西山天王山駅下車 徒歩約10分
住所長岡京市調子3-1-1【MAP
URLhttps://www.suntory.co.jp/factory/kyoto/

サントリー〈天然水のビール工場〉京都の近くでランチするならどこがいい?

サントリー〈天然水のビール工場〉京都の近くでランチを食べるなら、阪急でひと駅おとなりの「大山崎駅」に行くのがおすすめ。大山崎には実はおしゃれでおいしいランチのお店が多数あり、穴場のお店を開拓するのが楽しいとツウのあいだで話題となっているエリア。そんな大山崎の絶品ランチはこちらをチェック!

サントリー〈天然水のビール工場〉京都がある長岡京市には、ほかにもぜひ訪れたい名所が。たとえば「柳谷観音 楊谷寺」は、近年全国各地の寺社で人気を集めている「花手水(はなちょうず)」発祥のお寺。柳谷観音 楊谷寺の見どころや行き方はこちらをチェック!

この記事を書いたのは… TOKK情報部
「TOKK情報部」は、TOKKの読者から構成されている組織です。大阪・兵庫・京都の阪急沿線エリアを中心に、関西で長年暮らしているメンバー揃い。年代、性別もさまざま。グルメ/観光/エンタメ/歴史/アート/イベントなど、様々なジャンルに興味・関心をもち、沿線ライフを日々楽しんでいる「TOKK情報部」が、TOKK読者ならではの目線で取材した記事をお届けします。

この記事を企画・編集したのは… TOKK編集部I

甘いものが大好きなTOKK編集部 I

京都在住。休日の過ごし方はもっぱら京都のまち歩き。美術館や社寺、お笑いライブがとくに好き。花より団子。

阪急沿線情報紙「TOKK」は今年で創刊から50年目を迎える情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。

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