【阪急沿線で、半世紀。vol.4】知らぬうちにみんなのソウルフード。業務用天ぷら「永田食品」
2022.06.25グルメ
誰もがきっと1つは持っている“なつかしの場所”。
沿線で愛される、1972年創業のお店の、素敵なストーリーをご紹介。
知らぬうちにみんなのソウルフード
今回紹介する「永田食品」と聞いても、「聞いたことないな」と思われる方もいるかもしれない。それもそのはず、永田食品は、業務用の天ぷらを卸して今年で50年になる会社。
市販は一切されていないのに、なぜ、ソウルフードと言えるのか。実は同社は天ぷら一筋で、年間600万枚もの海老天ぷらを製造する業界ナンバーワンのシェアを誇る。
卸している店舗も「都そば」、「ねぎ焼のやまもと」、「恩地食品」など関西では有名なお店が同社の天ぷらを使用。沿線でお馴染みの「若菜そば」でも一部採用されていると聞き、お昼に「若菜そば」で食べた天ぷらうどんのおいしさを改めて思い出した。
手作業がやっぱり一番!
同社の一番人気の天ぷらは、丸天ぷらだ。この天ぷらのすごさは、出汁に溶けることにある。出汁の中で花が開くように出汁を吸い、程よく形が残るその絶妙加減。
「天ぷらにサクサク・カリカリを求められることもありますが、うちは出汁を吸いやわらかくなるところが特長」とはマネージャーの主原さん。時代によって味付けは少しずつ変えてはいるが、作り方はずっと同じ。「コストはかかるんですが、やっぱりおいしく仕上げるには手作業が大切なんです」。
実際衣をつけるのも、揚げあがりを確認するのも、箱詰めされるのもすべて手仕事で行われており、その丁寧さに驚かされる。実は、この丁寧な仕事で天ぷら製造会社で唯一「ハラール認証 ※1」も得ている。
「揚げ不足などがあれば追加で揚げなおすことも。やっぱり人の目が一番なんです」と教えてくれた。同社は26人と小さな会社だが、新製品を作るにも全員で話し合うアットホームな社風が、天ぷらのカラリとした仕上がりに似ている。
※1 ハラール認証とは、イスラム教と食品衛生の専門家が豚やアルコールなどの禁止されている成分が含まれていないことを保証した製品に与えられる認証のこと。
記憶に残る味をこれからも
天ぷら油は、国産の大豆と菜種油をブレンドしたもので、素材も作り方もシンプルだが、時間が経っても天ぷらには油っこさが一切出ない。「うちの天ぷらは、記憶に残る味だと思っています。ゆくゆくは一般の人にも買ってもらえるようにできれば」と笑顔がこぼれた。
天ぷら一筋で50年続けられるのは、街に溶け込み、店や人に愛される丁寧な仕事ぶりあってこそだと感じた取材になった。
祝!TOKK50周年コラボ
業務用が主だが、B級の品をお買い得に不定期で購入できる無人販売所(冷凍庫)を敷地内に設置。今回TOKKとのコラボで普段販売されない「海老天ぷら1尾」100円が登場。タマゴでとじても、冷やしうどんに入れても、めんつゆにつけてツマミにしても◎な、おいしい天ぷらをぜひ自宅で試してみて!
スポット名 | 永田食品 |
問い合わせ | 072-761-8477 |
アクセス | 阪急石橋阪大前駅下車 約5分 |
場所 | 豊中市石橋麻田町4-11【MAP】 |
URL | http://www.tenpura.co.jp/ |
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