京都土産に!レトロでかわいい「大文字飴本舗(だいもんじあめほんぽ)」

大文字飴本舗の飴

創業約100年の歴史を誇る大文字飴本舗(だいもんじあめほんぽ)。京土産にもぴったりな、レトロでかわいい飴を手作りしている大文字飴本舗の工房を、今回特別に取材させていただきました。

その色彩の美しさとおいしさの秘密をご紹介します。

店内の工房で生み出される何種類もの飴

大文字飴本舗の外観

約100年前に菓子問屋として創業した「大文字飴本舗」。西院の地に店を構えて以来、飴作り一筋のお店です。

大文字飴本舗の商品棚

店内には、ニッキやハッカ、しょうが飴のほか、宇治抹茶や黒糖、べっこう飴など、昔ながらの懐かしさを感じる飴がずらりと並びます。

大文字飴本舗の内観

乾燥が気になる季節にぴったりな、きんかんやかりんを使ったのど飴も充実。のど飴に使用されているハーブエキスは、大文字飴本舗で手作りされているオリジナルのエキスです。

大文字飴本舗の商品棚

そうした定番商品に加え、キウイやブルーベリー、オレンジ、柿などの果物を使った商品から、万願寺とうがらしや聖護院大根、九条ねぎなどの京野菜を原料にした飴まで、個性的な飴も豊富。

思わず選ぶのに迷ってしまうほど、バラエティー豊かな飴がそろっています。

大文字飴本舗の商品棚

大文字飴本舗の3代目を務める太田富博さんに、お店で販売している飴の種類を尋ねたところ、「年々種類が増えるのできちんと数えたことがなくて、何種類あるかわからないんです」とのこと。

大文字飴本舗の糸てまり飴

それほどたくさんの種類がありながら、店頭に並んでいる飴はすべて、なんと店の奥にある工房で手作りされているんです。

小ロットだからこその開発力

大文字飴本舗は、一般のお客さまに向けた店頭販売用の商品だけでなく、企業から依頼を受けてオリジナル商品の開発も行っています。

大文字飴本舗の飴づくり

飴作りの老舗である大文字飴本舗の技術力を聞きつけた業者の方から、飴の原料には向かない水分の多い農産品などを「なんとか飴にできませんか」と相談を受け、試作の依頼をされることも多いそうです。

大文字飴本舗がそうした難しい依頼に対応できるのは、手作りの小ロット生産だからこそ。依頼を実現するために試行錯誤することで新しい技術が培われ、それが同店オリジナルの飴作りにも生かされているのだそうです。

大文字飴本舗の商品

そうして新しい商品が続々と開発されていき、種類の豊富さにつながっているんですね。

熟練を感じる職人の手仕事

大文字飴本舗の飴を炊く窯

今回は特別に、阪急沿線情報紙TOKKの取材として工房に入り、飴作りの工程を取材させていただきました。

忙しい作業の合間を縫って飴作りの工程を説明してくださったのは、4代目の浩一さんです。伝統製法を守りつつ、若い感性で新しい飴の可能性を追求されています。

大文字飴本舗の窯を見守る職人

大文字飴本舗の飴の特徴は、なるべく香料を使わず、素材の良さを生かした味わいと、色合いの美しさにあるとのこと。

大文字飴本舗の飴

そのために重要となるのが、火加減です。店の工房にある専用の釜で飴を炊き上げるのですが、釜の中の温度は160度を超え、周りはいつも炎と熱気に包まれています。

大文字飴本舗の窯

毎回同じ品質に仕上げるために、日々変化する気温や湿度を見極め、窯につきっきりで燃え盛る炎と向き合いながら火加減を調整します。

その作業は、同店で半世紀以上にわたって飴作りを続ける職人でも、「まだ一人前になれない」と話すほど至難の業なのだそうです。

火からおろすタイミングを逃さないように炎と向き合う職人の真剣な姿を見ているだけで、取材をしているこちら側にも緊張が走ります。

大文字飴本舗の窯を見守る職人

そして、理想の色味に炊き上がった飴は、職人が素早く冷却台に流し込みます。

炊いた飴を冷却台に流し込む作業

そこへ必要な素材を加え、熟練の技で風味を損なわないように力強く混ぜ合わせていきます。

飴はすぐ固くなるので、短時間のうちに均一に混ぜ合わせることが求められます。それも、長年の経験を積んだ職人だからこそできる技です。

冷却台で練られた飴

素材を混ぜ合わせた飴は、裁断機にかけられ、粒になった状態で作業台へと次々に流れ込んでいきます。

裁断機でカットされた飴

それを慣れた手つきで素早くかつ丁寧に、一袋ずつ手作業で袋に詰めていき、梱包されてようやく商品としての飴が完成。

裁断機でカットされた飴を仕分けているところ

窯につきっきりで火加減を調整し、飴をこねる職人はもちろんのこと、各持ち場を担当している方々の動きには一切の無駄がなく、流れるように作業が進む様子は見ていて惚れ惚れしました。

長い歴史をもつ大文字飴本舗の飴は、こうして工房で働く人たちの丁寧な手作業の一つひとつによって支えられてきたのだと、改めて感じた瞬間でした。

大文字飴本舗ならではの色彩と味

大文字飴本舗の飴

取材を終えて再び店頭へと戻り、たくさんある飴の中から商品を選ばせていただきました。どの飴を選ぶか迷いましたが、同店でも人気が高いという「京友禅」「おはじきのうた」「べっこう飴」をいただきました。

大文字飴本舗の飴3種

「京友禅」は、その商品名のとおり「京友禅」をイメージして作られた、淡い色が幻想的で美しい、板状の形をしたフルーツ味の飴です。いちごや巨峰、メロン、レモンなどの味がミックスされています。

大文字飴本舗の京友禅

普通に口に含んで味わうのもいいですが、板状なので噛んでパリッとした食感を味わうのもおすすめです。この食感の良さも、大文字飴本舗が飴を作るうえで大事にされていることのひとつだそうです。

「おはじきのうた」は、ガラス製の本物のおはじきのような輝きと透明感があり、眺めているだけでも飽きません。

大文字飴本舗のおはじきのうた

色は赤、青、黄、緑、桃、紫の6色と彩り豊か。それぞれいちご、シャンパンサイダー、レモン、メロン、ピーチ、グレープの6つの味が楽しめます。

大文字飴本舗のべっこう飴

そして定番の「べっこう飴」。かなり久しぶりにべっこう飴を味わいましたが、過去に食べたものとは明らかにちがうおいしさに驚きました。

口に含んだ瞬間、香ばしく豊かな風味が広がり、しっかりと甘みがあるのに上品で、シンプルだからこそ良質な素材や洗練された技術が求められるのだと感じました。

大文字飴本舗の柚子飴

他にも、柚子の産地で有名な京都・水尾の生柚子を、果汁だけでなく果皮も使って作られた柚子飴も絶品。柚子の澄んださわやかな香りと、程良い甘酸っぱさが口中を満たします。

ほっと一息つきたい時や、癒やしがほしい時にぴったりです。

大文字飴本舗の商品棚

まだまだ挙げだしたらきりがないくらい、大文字本舗には魅力的な商品がたくさん。オンライン販売もしているので、遠方の方はぜひそちらもチェックしてみだくさいね。
https://www.daimonji.co.jp/

ラベルにメッセージを入れられる飴も

TOKKラベルが付いたフルーツ飴

さらに大文字飴本舗では、ラベルにオリジナルの一言メッセージを入れることができる、プチギフト用の飴も販売しています。

中身の飴は「糸手まり飴」「べっこう飴」「京野菜飴」「フルーツ飴」の4種類から選ぶことが可能です。

今回は、阪急沿線情報紙TOKKの取材で訪れた記念として、ラベルに「TOKK」と記載したフルーツ飴を作っていただきました。

TOKKラベルが付いたフルーツ飴

出来上がった飴を受け取ったときはうれしくて思わず笑顔がこぼれました。

普段お世話になっている方へのちょっとしたギフトなど、いろいろなシーンで活躍してくれそうですよね。

小ロットでも対応してくれるそうなので、「こんなラベルで作ってみたい」と思った方は、直接問い合わせてみてくださいね。

新しいことに挑戦し、進化し続ける大文字飴本舗

大文字飴本舗の外観

大文字飴本舗は、2021年1月現在、立命館大学発の講談社BBO(ブルーバックスアウトリーチ)プロジェクトの1件において、飴作りの側面でサポートを予定されています。

窯で炊いた飴を冷却台に流しているところ

講談社BBOは、「この研究、がんばってほしい!」という気持ちを、「学んで楽しむ科学コンテンツ」を購入することによって、研究者の方々に届けるという取り組みです。

大文字飴本舗が参加するのは、「甘葛(あまづら)を復元し『枕草子』『今昔物語』に登場した究極古代スイーツを作る!」という企画。

芥川龍之介の名作にも書かれた古代の究極のデザート「芋粥」に使われた幻の甘味料「甘葛」。古代の究極のデザートにも使われた、「甘葛」を再現した飴を、提供する予定です。
https://outreach.bluebacks.jp/project/home/20

これからも大文字飴本舗ならではの伝統と技術を生かして、どんな新しい飴を開発していくのか、目が離せませんね!

伝統を大切にしながら、新しいことにも果敢にチャレンジしてきたからこそ、約100年にもわたって愛される飴を提供し続けることができたのでしょうね。

ぜひ一度、大文字飴本舗ならではの飴を味わってみてくださいね。

スポット名大文字飴本舗(だいもんじあめほんぽ)
時間 9:00~17:00
定休日土曜不定休・日曜・祝日
※9月~4月のみ第1・3・5土曜は営業。
問い合わせ075-312-1568
アクセス阪急西院駅下車すぐ
住所京都市右京区西院東淳和院町28【MAP
URL https://www.daimonji.co.jp/

※最終更新日:2021年2月3日

この記事を書いたのは… TOKK編集部

「TOKK(トック)」編集部I。西宮生まれ、西宮育ちの宮っ子。サンドイッチが大好きで、ある店に3年間通い詰めて毎日サンドイッチを食べていたことも。また、ハイキングTOKKの編集制作を担当していた経験から野鳥が好きになり、外出すると必ず野鳥がいないか探す習性が。興味があるのは、レトロなもの、昭和のカルチャー全般。

阪急沿線情報紙「TOKK」は2020年で創刊から48年目を迎える情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月2回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。

【Instagram】@tokk_hankyulocalmedia

【Twitter】@hankyu_tokk

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