なぜ「豚まん」と呼ぶ?関西人の幸せの代名詞。なんば・551蓬莱本店を取材レポート
2025.06.24グルメ
#551 #豚まん #551蓬莱 #551蓬莱本店 #なんばグルメ #大阪名物
関西の人ならお馴染みのCM「551の豚まんがあるときー!わっはっはっは!ないときー!…」で有名な551蓬莱。少し大きめのふかふかとした生地に、ぎっしりと餡が包まれた出来立ての豚まんは、このCMのフレーズも相まって関西人にとって幸せの代名詞とも言えます。
関西の主要駅や百貨店などでテイクアウト専門の店舗を多く見かけますが、出来立てほかほかの料理を食べられるレストランがあるのはご存知でしょうか?
今回は関西に18店舗ある551のレストランの中でも長い歴史を持ち、多くのメニューが展開されている551蓬莱本店へ行ってきました。

大阪名物としても有名になった551蓬莱の豚まんの歴史や、本店レストランの楽しみ方、限定メニューについて、営業部八田さんに教えていただきました。
関西万博で盛り上がる大阪に旅行で来られた方も、テイクアウトの豚まんは食べたことがあるけどレストランには行ったことがないという関西の方も、知ると何倍も楽しめる551蓬莱の美味しさの秘密をご紹介していきます!
目次
肉まんではなく豚まん!551蓬莱とは?
「大阪の人の口に合う饅頭を」551蓬莱と豚まん誕生の歴史
551蓬莱は1945年10月、戦後間もない大阪の地で食堂として始まりました。今は豚まんや中華料理が有名ですが、食堂として始動した当初は意外にもカレーなどあらゆる料理を提供していたそうです。
翌年、近隣にも飲食店が増えてきたことで創業者は蓬莱食堂に何か強みを作りたいと模索していた中、神戸南京町で売られていた饅頭(まんとう)をみて、故郷の台湾で食べていた母親の味を思い出し、売り出そうと考えたそうです。
台湾で食べていたものは小ぶりのものでしたが、一度で満足できるように大きく。そして、材料は豚肉と大阪泉州でとれていた玉ねぎを使用して大阪の人の口に合うようにした「豚まん」が誕生したとのことです。
ちなみに、551と言えば「豚まん」ですが、なぜ「肉まん」ではなく「豚まん」と呼ばれるのでしょう。八田さんに伺ったところ、「肉」と言うと関西では牛肉をイメージされる方が多く、「豚まん」と呼ぶことで豚肉が入った中華饅頭であることが分かるようにしたのだとか。
レストランとして営業を開始した551蓬莱。当初は豚まんもレストランの数あるメニューの内の一つでしたが、お土産として持ち帰りを希望される方も多く、また551蓬莱は「出来立てがおいしい」という創業者の想いもあり、実演販売を開始。豚まんのテイクアウトが開始されました。

こうして生まれた名物、551の豚まん。
「551があるときー」のフレーズでおなじみのテレビCMは、1993年に芸人のなるみさんが当時「トゥナイト」という名のコンビで活躍されていた頃に「ある日、ない日」というフレーズで始まり、その後形を変えながら現在まで続いています。キャッチーで覚えやすいCMのフレーズの効果もあり、551蓬莱の豚まんと言えばあると嬉しい、みんなで食べると幸せになるもの、というイメージが関西のお茶の間に浸透しました。
店舗出店は関西のみ!関西人の口コミで広まった「大阪名物」
現在、551蓬莱は本店や空港などの交通主要地に展開するレストラン5店舗、百貨店内を中心に10店舗を超えるイートインと、百貨店や駅ナカを中心にテイクアウト店舗を50店舗以上構えています。
全ての実店舗が関西圏にあるのは、理由があります。
551蓬莱は「出来立てがおいしい」というそ創業者の思いから「鮮度最優先」をモットーに、各店舗で1つ1つ手包みして蒸し上げた豚まんを届けるために、出来立てほかほかで提供しています。
工場は本店近くの大阪市内にあり、工場で作られた生地と餡を別々で各店舗へ1日に2~4回運びます。豚まんの生地は、練り上げた瞬間から発酵が始まるため、店舗に生地が届き、1個の大きさに分割し二次発酵を経て餡を包むまでの時間を考慮すると、出店は工場から安定供給できる150分が限界だそうです。
また、生地の状態や発酵具合の見極めや、豚まんを作ることができる人材を安定して教育・配置するためにも、目の届く範囲内で提供したいという想いもあります。

こうして関西一円に広がった551蓬莱は、大きな街や百貨店に出かけた時の、ちょっとだけ特別なお土産として関西人にとってはなじみ深い食べ物になりました。
「お客様の力で大阪名物にしてもらったと思います」と八田さんは語ります。
というのも、日頃より551を利用してくださっていたお客様がおすすめしてくれたことで関西以外の地域の方へも口コミで広まり、大阪名物へと成長していったそうです。
基本的には関西のみの実店舗展開ですが、時々百貨店催事などで関西以外の地域の百貨店へ期間限定の出店をすることもあります。
催事であっても変わらぬ美味しさを届けるために、機材や人材も現地に派遣し、生地から練り上げ、手包みで蒸し上げる大掛かりな出張ですが、関西以外のお客さんも551蓬莱の味を楽しめる貴重な機会になっています。
また、チルド(冷蔵)商品の通販事業も展開しています。
551蓬莱本店があるのは、なんばの中心地
551蓬莱本店は観光の中心地、大阪難波の戎橋筋商店街の中にあります。
大阪メトロの「なんば駅」や、阪神電車や近鉄電車の「大阪難波駅」からもアクセス抜群!
「なんば駅」「大阪難波駅」ともに地下に駅が位置しており、11番出口から地上に出て、しばらく歩いた所にあるのが551蓬莱本店です。

観光の中心地道頓堀やランドマークとして有名な戎橋のグリコサイン、お買い物が楽しめるなんばウォークや大阪高島屋からも徒歩圏内なので、観光で訪れるにもぴったりです。
551蓬莱本店のフロア紹介
551蓬莱本店は3階建ての建物で、1階がテイクアウト専門店、2階と3階がレストランになっています。
1階のテイクアウト売場はお客さんが絶えず訪れる盛況ぶり!

豚まんをはじめ、551ちまきや焼売、アイスキャンデー、ボリューム満点な出来立てのお弁当などを販売しています。

テイクアウト売場の横の階段を昇ると2・3階にレストランがあります。こちらも11時のオープンを待つお客さんが並ばれている盛況ぶりでした。
2階は赤を基調とした中華らしい内装で賑やかな雰囲気。

3階はグレーを基調とした落ち着いた内装で、扉で仕切り、20~30人程度で利用できる半個室になる席もあります。

ベビーチェアもあり子ども連れでの利用も可能です。
551蓬莱本店は予約が可能、コース料理も楽しめる
レストランは少人数から30人程度の団体まで利用でき、電話での予約が可能。
2名以上から利用できるコース料理もあります。美食コース3,500円、要予約の絢爛コース5,000円の2コースがあります。ちょうど取材に伺った日も3階の半個室席で宴会の準備がされていました。
レストラン展開をしているのは本店以外に「パンチャン店」「福島店」「なんばウォーク店」「伊丹空港南ターミナル店」「アルデ新大阪店」と、各交通機関の主要地にあります。
「本店」「パンチャン店」「福島店」の3店はコース料理の提供や席予約が可能です。
「パンチャン店」は他店舗とは少し雰囲気が異なり、掘りごたつや洋室等の個室もあり、手づくり点心など高級なメニューも提供されているため、少し特別な日やお祝いなどの利用にもオススメです。
551蓬莱本店限定のメニューは必食!
551蓬莱本店限定メニューがあるのはご存知でしょうか?
叉焼(チャーシュー)まん(イートイン1個320円、テイクアウト2個500円)、あんまん(イートイン1個300円、テイクアウト2個460円)は本店に来たらぜひ食べて欲しい一品!
叉焼まんは梅田阪神地下1階と本店のみ、あんまんは本店のみでしか提供していません。(通販での取り寄せも可能)
叉焼まんは、豚肉をタレに漬け込み焼き上げた叉焼を角切りにして、玉ねぎ、筍と合わせた餡を豚まん同様に手包みし蒸し上げました。甘さを感じる餡の中にほろりと柔らかな叉焼が入っています。

あんまんは小豆に黒ゴマペーストを合わせた餡が甘く、弾力のある生地。
割った瞬間黒ゴマの香ばしく甘い香りが漂います。


いずれも数量限定販売で売り切れ次第終了のため、早めの来店がおすすめ。
551蓬莱本店のレストランの人気メニューはこれ!
551蓬莱本店レストランの人気メニューは「海鮮焼そば」。
綿は3種類から選べます。サクサクに揚げられた太麺の食感と、あんを合わせたしんなり食感が味わえる「フライ麺」、麺の色が茶色くなるまで蒸しあげたものを炙って香ばしさを出した「蒸し焼き麺」、中はもっちり外はパリッと香ばしい「両面焼き麺」の3種類から選べます。

この日は蒸し焼き麺をチョイス!
香ばしい麺の上に、ゴロリと大ぶりの海老、帆立、烏賊などの海鮮と、おなじく大きくて食べ応えのある白菜、青梗菜、エリンギ、人参、筍などの野菜がたっぷりと入った餡がかかっています。

大きな海老がプリプリと食べ応えがあります。

蒸し焼き麺は弾力を感じます。餡と絡めて美味しい!

一つ一つの味がしっかり感じられる大きめの具材で、ボリューム満点!途中にお酢を少し垂らして味変も楽しみつつ完食!お腹いっぱいになりました!単品でもボリュームがありますが、チャーハンとスープがついた「海鮮セット」も人気です。
551蓬莱本店来たらこれ食べてってや~
他にも多くのメニューがありますが、いくつかオススメを八田さんに伺いました。
「551点心セット」は、豚まん、エビ焼売、甘酢団子などの551を代表する点心と台湾屋台定番の担仔麺のセットで人気があります。
「甘酢3品盛り合わせ」はお客さん人気の高い甘酢メニューが一皿に盛られた人気メニューです。レストランでしか食べられない「小籠包」も人気。
従業員オススメは、すっぱさと辛さがクセになる「酸辣湯麺(さんらーたんめん)」や、ごはんに玉子焼きを乗せ、その上に麻婆豆腐がかかった「麻婆玉子飯」とのこと。どちらも少し辛めなので、辛いのが好きな方はぜひ!
テイクアウトでは定番の点心に加えてボリューム満点のお弁当も販売しています。お弁当も豚まんもどちらも食べたいという欲張りな希望を叶える、豚まんがドンと1個入った「豚まん弁当」もあります。

なんば周辺で551蓬莱がある場所(テイクアウト専門店&レストラン)
なんば周辺には本店含め6店舗の551蓬莱があります。
それぞれ定休日が異なるため、行く前に要チェック!
(1)本店
定休日/第1・第3火曜日(祝日・行事等で変更あり)
(2)パンチャン店
定休日/毎週火曜日(祝日・行事等で変更あり)
住所/大阪府大阪市浪速区元町1-10-2【MAP】
(3)難波中店
定休日/毎週水曜日(祝日・行事等で変更あり)
住所/大阪府大阪市浪速区難波中1-17-12【MAP】
(4)大阪高島屋店
定休日/不定休(百貨店に準ずる)
住所/大阪府大阪市中央区難波5-1-5【MAP】
(5)南海なんば駅店
定休日/不定休
住所/大阪府大阪市中央区難波5-1-60【MAP】
(6)なんばウォーク店
定休日/奇数月第3水曜日(なんばウォークに準ずる)
住所/大阪府大阪市中央区難波2 なんばウォーク1番街北通り-4【MAP】
551蓬莱本店で出来立てホカホカが「あるときー!」
551と言えば豚まんが有名ですが、本店限定のテイクアウトメニューや、レストランならではのメニューも魅力いっぱい。レストランでも「出来立てがおいしい」というお店の想いを存分に味わうことができます。
筆者も今回の取材で本店に初めて行きましたが、メニューの豊富さやコース料理があることなど、知らなかった魅力も多く、食べ応えのある商品の数々にお腹も心も満たされました。
観光で大阪に来られた方はもちろん、テイクアウト御用達の地元の方も、是非551蓬莱本店へ行ってお腹も心も幸せな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
551蓬莱本店 基本情報
スポット名 | 551蓬莱本店 |
営業時間 | 10:00~21:30 |
定休日 | 第1・3火曜日 |
問い合わせ | 06-6641-0551 |
アクセス | 大阪府大阪市中央区難波3丁目6-3【MAP】 |
URL | https://www.551horai.co.jp/ |
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「TOKK情報部」は、TOKKの読者から構成されている組織です。大阪・兵庫・京都の阪急沿線エリアを中心に、関西で長年暮らしているメンバー揃い。年代、性別もさまざま。グルメ/観光/エンタメ/歴史/アート/イベントなど、様々なジャンルに興味・関心をもち、沿線ライフを日々楽しんでいる「TOKK情報部」が、TOKK読者ならではの目線で取材した記事をお届けします。
この記事の企画編集は… TOKK編集部T
「TOKK(トック)」編集部T。豊中育ち→箕面→豊中→池田→神戸・岡本→池田と阪急沿線を転々とする。そのたびに街と周辺を隅々まで歩き、住人だからこそ分かる見どころを掘り起こしている。次に住んでみたいのは阪急京都線の大山崎。趣味は、おいしいもの発掘と山歩き。
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