【阪急沿線で、半世紀。vol.10最終回】あのチーズが50歳に!「六甲バター」
2023.02.2550周年
誰もがきっと1つは持っている“なつかしの味”。
沿線で愛される会社で1972年に発売のロングセラー商品をご紹介。
いつも食べているあのチーズが50歳に!
年間約2億5千万本を発売するという人気商品で、スーパーマーケットなどのチーズ売り場で一度は目にしたことがある人も多いのではないだろうか。六甲バターの「Q・B・Bベビーチーズ」が50周年を迎えた。
ロングセラーとなっている「プレーン」をはじめ、「スモーク味」、「カマンベール入り」、「ブラックペッパー入り」といった定番商品。コロナ禍には家でお酒を飲む人たちに向けた「おうちDE居酒屋ベビーチーズ」、「厳選おつまみベビーチーズ」など新シリーズも発売された。
今回の取材担当者も例外ではなく、物心ついた時から自宅の冷蔵庫にいつも置いてあり、大人になってからもずっと食べているチーズの一つである。
人気を支える商品開発の裏側
Q・B・Bでは主にオセアニアから原料となるナチュラルチーズを輸入し、同社でブレンドして商品製造を行う。定番12種に年2回季節限定品を3種ずつと、豊富なラインアップをそろえている。
商品の開発の際にはマーケティング、商品開発、営業の3つの部署が集まる開発会議からスタートする。メンバーそれぞれが日々の生活の中で「これはチーズと合うのではないか」と感じた食材について持ち寄り、実現できそうな組み合わせを絞り込んでいく。店頭に並ぶまで約1年を要するが、実際に商品として出しても意外な味がヒットしたり、自信があった商品でも受け入れられなかったりと、狙う結果は発売するまで読めないことも多い。
商品開発のチームリーダーを務める吉田さんが大切にしているのは「メンバーの意見に耳を傾け、より良いものを目指すこと」。商品がより多くの人に届くようマーケティング本部の高橋さんたちが市場動向やマーケティングのデータを読み解き、パッケージデザイン、キャンペーン立案などでサポートする。
カマンベールが苦難の歴史を救う
意外なことに、ベビーチーズは1972年の発売開始から1996年頃まで、20数年間はヒットといえるほどは売れない時代が続いたそう。2001年に発売された「カマンベール入り」が、クリーミーでやわらかく、親しみやすい味わいでヒット。以降は、スーパーで下段展開(視認性が良くなる)され始めたことも重なり、次々と多彩な味が誕生することになった。
ベビーチーズが発売される以前、チーズはカルトンタイプと呼ばれる切り分けるものが主流で、必要な分をナイフで切り分けていた。
現在のベビーチーズ約30個分にもなる400g一本のサイズで家庭用として販売されていたそう。もっと食べやすいサイズで販売できないかという思いから、1972年にベビーチーズが発売されることとなった。
日本人のチーズ消費量は現在も年々増え続け、商品は多様化しているが、吉田さんは「基本はプレーンにあり。常に立ち返る原点となる商品」と話す。
阪急王子公園駅近くに本社を構え、全国展開する六甲バターのQ・B・Bベビーチーズも50歳。次の50年も変わらぬ味を楽しみたいもの。「アボカド&わさび醤油風味(冒頭の写真、中段右端)」は3月から発売される新商品!みなさまぜひお試しを。
企業名 | 六甲バター株式会社 |
問い合わせ | 078-231-4681 |
住所 | 神戸市中央区坂口通1-3-13【MAP】 |
URL | https://www.qbb.co.jp/ |
また、六甲バターではチーズの製造工程見学、チーズの歴史、六甲バターの歴史などを知ることができる見学施設を神戸市西区の神戸工場に併設している。こちらでは、家庭用・業務用など、約300品目の製品を製造している。
工場見学の申し込み・問い合わせは下記へ
スポット名 | 六甲バター 神戸工場 |
電話番号 | 0120-575-922 |
住所 | 神戸市西区見津が丘6-7-1【MAP】 |
アクセス | 阪急神戸三宮駅→神姫バス・見津が丘6丁目停下車 約10分 |
URL | https://www.qbb.co.jp/ |
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