京都の純喫茶『フルール』でBセット&ランチ&ダブルプリンを実食!
2020.06.02グルメ
まるで昭和にタイムスリップしたかのような年代物のインテリアに、懐かしさ漂うメニューの数々…。純喫茶が好きな人ならきっと夢中になる、「喫茶フルール」をご紹介します。
※2017年10月に取材した内容を再構成しています。
一歩足を踏み入れると非日常の世界が待っている
オレンジの日よけが可愛い外観の印象に惹かれて、訪れたのがこちら。
阪急長岡天神駅の西口を出て、線路沿いに南へと少し歩いたところにある「喫茶フルール」です。
中に入ると、外観の印象とは異なり、ビロードの布をまとった三角形の天井に、やわらかな光を放つ美しいシャンデリア、そして中央には銅像と植物の配された池が…。非日常を感じさせる、優雅な空間が広がっています。
席数は全体で60席余りもあり、とてもゆったりとした雰囲気です。時間を忘れてついつい長いしてしまいそう。
常連の方とみられるお客様も多く、店員さんと和やかにおしゃべりを楽しんでいらっしゃる様子が印象的です。
窓の外には花と緑に包まれたテラスもあり、阪急電車が走る姿を見ることもできます。
店舗の設計はシェフが自ら考案
喫茶フルールが開店したのは、昭和44(1969)年。半世紀以上も前のことになります。店の設計は、オーナー兼シェフの岡本孫三さんが自ら考案したものだそうです。料理だけでなく設計もできるなんてすごいですね。
「周囲には当時、珍しいデザインだと驚かれました。本当は天井が開くという構想もあったんですよ」と話すのは、接客を務める奥様の幸子さん。ほがらかで優しい笑顔に、初来店で少し緊張気味だった私の緊張がすっかりほぐれました。
天井が開く構想もあったとは、本当に当時としては斬新ですよね。実現したらどのような感じだったか、想像するとワクワクします。
開店したばかりの頃には、おしゃれでモダンなお店の評判を聞き、お見合いの場所としてここを利用するお客さんもいたのだそうです。
そのシーンを思い浮かべると、古き良き時代に心がときめきますよね。今ではなかなか見られなくなってしまった光景です。
純喫茶好きにはたまらないメニューの数々
インテリアはもちろんですが、「喫茶フルール」の魅力は、オムライスからハンバーグ、トルコライス、ドリア、カレー、ナポリタン、サンドイッチなどのフードメニューから、パフェ、プリン、あんみつ、ホットケーキといったデザートメニューまで、選ぶのに迷うほどメニューが充実していること。
しかもどれもボリューム満点です。
迷いに迷って、取材時にいただいたのは、10時から11時までの限定モーニングサービス「B セット」。スクランブルエッグがぎっしり入ったエッグトーストは、まず断面のインパクトに目が釘付けになります。
大きな口を開けてかぶりつくと、これまで食べたエッグトーストの中でも指折りのおいしさ!スクランブルエッグの味付けも深みがあり、こんがりきつね色に焼かれた厚切りトーストとの絶妙なコンビネーションがたまりません。
この味、そしてこの断面のスタイルは、おうちで真似したくてもとても真似できなさそうです。これを目当てにまた「喫茶フルール」に来たくなります。
「B セット」にはドリンクだけでなくサラダも付いていて、栄養バランスもしっかり。朝からしっかりエネルギーチャージができました。
おなかも心も満たされましたが、最後まで「Bセット」とどちらにするか迷った、「フルールランチ」もどうしても食べてみたくなり、勢いにのって「フルールランチ」もいただくことにしました。
メンチカツ、エビフライ、クリームコロッケ、そして千切りキャベツにトマト、キュウリスライス、ポテトサラダ、さらにケチャップで炒めたスパゲッティまで!洋食の人気者たちが一皿に集まった、夢のようなメニューです。
フライはどれも衣がカリッと揚げられていてサクサク。メンチカツはお箸を入れると、肉汁がじゅわっとあふれ出てきてきます。身が大きくてぷりぷりのエビフライ、とろりとなめらかなクリームコロッケもたまりません。
コクのあるデミグラスソースや風味の豊かなドレッシングから、仕事の細やかさ、丁寧さが伝わってきます。勢いにのって注文してよかったです!
ここまで来たら、後悔のないようにデザートも注文しなくては。ということで、デザートも迷いに迷って「ダブルプリン」をいただくことにしました。
単品の「プリン」ももちろんメニューにはあるのですが、ここはひとつ、とことん童心に返ることにして憧れの「ダブルプリン」をオーダーしました。
イメージ通りの懐かしい味のプリンに、時計の針が一気に子ども時代に戻ります。何も悩みがなかったあの頃。「ダブルプリン」の魔法はすごいです。やさしいたまごの味わいと、香ばしいカラメルの余韻にしばしひたります。
モーニングの「Bセット」から始まり、メインの「フルールランチ」、そして締めは「ダブルプリン」。食べたいものを食べたいだけ食べる、というのは本当に幸せなことです。もう言葉に表せない満足感です。
何度も訪れたくなる「喫茶フルール」の引力
ところで店名の「フルール」ですが、フランス語で「花」という意味を表しているのだそうです。
店内にはいつも、季節に合わせてアレンジされたお花が飾られ、訪れる人の心を和ませています。
そしてお花に加えて、お店の雰囲気をいっそう居心地良く感じさせるのが、和気あいあいと接客や調理を行うスタッフさんの存在です。
私もここで働いてみたいと思うくらい、みなさんとても楽しそうにお仕事をされています。楽しそうな雰囲気がこちらにも伝わってきて、同じ空間にいるだけで、なんだか元気がもらえます。
スタッフ同士の仲の良さは昔から変わらないそうで、学生時代にここでアルバイトをしていた人が、就職後も当時を懐かしんでよく「喫茶フルール」に食べに来るのだそうです。
ここで働いた記憶が、ずっとあたたかな思い出として心に残っているのでしょうね。
何度も訪れたくなるのは、やっぱりお客さんにとっても同じようです。幼い頃にたびたび通ったこの場所へ、親になり子どもを連れて訪れるという方も多いのだそうです。
子どもの頃大好きだった場所が、今も変わらずあり続けるというのはうれしいものですよね。その頃好きだったメニューを、大人になった今もオーダーしているのでしょうか。
世代を超えてずっと愛され続けている「喫茶フルール」。時間を忘れて過ごせる居心地の良い空間と、お腹も心も満たしてくれるおいしいメニューを求めて、これからも変わらずたくさんのお客様が訪れるのでしょうね。
もし喫茶フルールが自宅の近くにあったら、きっと毎朝「Bセット」を食べに通っただろうと思います。お近くに住んでいる方が心からうらやましいです。
常連さんの中には、フードからデザートまでたくさんある「喫茶フルール」のメニューを、すべて制覇したという方もきっといらっしゃるでしょうね。
また落ち着いたら、今度はちがうメニューを味わいに訪れたいと思います。
でも「Bセット」のエッグトーストや「フルールランチ」、「ダブルプリン」のおいしさが忘れられず、迷いに迷ってまた同じメニューを頼んでしまうかもしれません・・・。
純喫茶が好きな方はぜひ一度、「喫茶フルール」を訪れてみてくださいね。
スポット名 | 喫茶フルール |
時間 | 10:00~21:00(LO20:30) ※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が変更になる場合があります。インスタグラムなどで最新の情報をお確かめのうえお出かけください。 |
定休日 | 月曜休 |
問い合わせ | 075-951-6759 |
アクセス | 阪急長岡天神駅下車すぐ |
住所 | 長岡京市天神1-8-2【MAP】 |
URL | インスタグラム(@fleur_nagaokakyo) |
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※最終更新日:2020年6月2日
この記事を書いたのは… TOKK編集部I
「TOKK(トック)」編集部I。西宮生まれ、西宮育ちの宮っ子。サンドイッチが大好きで、ある店に3年間通い詰めて毎日サンドイッチを食べていたことも。また、ハイキングTOKKの編集制作を担当していた経験から野鳥が好きになり、外出すると必ず野鳥がいないか探す習性が。興味があるのは、レトロなもの、昭和のカルチャー全般。
阪急沿線情報紙「TOKK」は2020年で創刊から48年目を迎える情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月2回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。
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