【神戸・宝塚・箕面・京都】音楽・文化を育み、地元で愛される喫茶店【TOKK2022年2月号】
2022.01.25特集
【TOKK2022年2月号掲載】
喫茶文化が息づく阪急沿線のそれぞれの街で、長く愛される喫茶店。かの有名人も通った、純喫茶の名店の変遷と魅力を紹介。
目次
【神戸三宮】MOKUBA’S TAVERN(モクバズ タバーン)<1977年創業>
ジャズの街に音楽を届け続ける
音楽界のほか、映画・美術など各界にもファンを持ち、作詞家・松本 隆さんも足繁く通う、老舗ジャズ喫茶。かつて地下に構えたオーセンティックな店舗から2度移転し、現在はトアロード沿いの光と風の入る空間に。
ジャズ好きはもちろん、初心者も入りやすいようにと、気軽に上質なジャズに触れられる雰囲気が心地良い。ジャズの魅力を伝える店として、45年間本質は変えず、時代に寄り添って進化し続けている。
店にあるレコードは、マスター・小西武志さんが所有する約8,000枚の一部。マスターを慕い訪れる人も。また、店内には指揮者・佐渡 裕さんなどのサインが多数!長年愛用するJBLのスピーカーからは、上質な音を楽しめる。
「カナリアン・アイランド・アイスティー」550円は、大滝詠一『カナリア諸島にて』の松本さん作詞の歌詞から誕生したメニュー。まずは、薄く切ったオレンジを浮かべた 「カナリアン・アイランド・アイスティー」 を味わいつつ、ジャズの音色に耳を傾けてみて。
スポット名 | MOKUBA’S TAVERN(モクバズ タバーン) |
時間 | 12:00~22:00(LO21:30) |
定休日 | 無休 |
問い合わせ | 078-391-2505 |
アクセス | 阪急神戸三宮駅下車 約5分 |
住所 | 神戸市中央区北長狭通3-12-14【MAP】 |
URL | https://mokuba-kobe.com/ |
※全席禁煙。 |
【宝塚】珈琲屋伊万里<1988年頃創業> ※閉店しました。
あのトップスターも味わった名物ゼリー
宝塚大劇場の東隣に立ち、タカラジェンヌや演出家も御用達の名物店「珈琲屋伊万里」。ヨーロッパの街を描いた2階の壁画前で、タカラジェンヌが記念撮影したことも。
長年の看板メニューである「伊万里風コーヒーゼリー」750円は、美しい3層仕立て。コーヒーゼリーは舞台の差し入れとしても評判だ(現在差し入れは休止中)。深い味わいのコーヒーゼリー、まろやかなカフェオーレゼリー、ミルキーなソースが調和する、大人の味わいを堪能しよう。 熟練の技で淹れるコーヒーや、特注のパンで作るトーストも種類豊富。
スポット名 | 珈琲屋伊万里 |
時間 | 9:00~17:00(LO16:30。宝塚歌劇の公演により変動) |
定休日 | 水曜、宝塚大劇場休演日休 |
問い合わせ | 0797-84-9435 |
アクセス | 阪急宝塚南口駅下車 約6分 または 阪急宝塚駅下車 約8分 |
住所 | 宝塚市武庫川町1-2【MAP】 |
※全席禁煙。 |
【京都河原町】フランソア喫茶室<1934年創業>
文化と自由の歴史を刻むサロン
昭和初期の開業当初から文化人や芸術家、大学教授や学生たちが集い、文学論や芸術論を語り合った「フランソア喫茶室」。画家・藤田嗣治や俳優・宇野重吉も常連だったという。軍国主義が強まる時代にも、創業者は、自由に語り芸術に触れられる”文化サロン“としての場を提供し続けた。
1941年に町家を改装した店は、京都大学のイタリア人留学生・ベンチベニの設計。上の写真は、ベンチベニが来日時に乗った豪華客船のホールを模したという室内。
雰囲気の異なる南側の店内。イタリアン・バロック様式の内装を、ステンドグラスや創業者が収集した「モナ・リザ」の複製(メディチ家の刻印入り)が彩り、クラシックが流れる空間は、当時も今も粋だ。
ステンドグラスは創業者の友人である、画家・高木四郎のデザイン。2003年には喫茶店初、国の登録有形文化財に。品格あふれる姿と当時の空気を感じてみて。
コーヒーが苦手な宇野のために生まれた、フレッシュクリームたっぷりの「珈琲」650円と、濃厚な「レアチーズケーキ」650円(セット1,250円)。下の写真は、ホロ苦いカラメルソースが利いた大人の「特製プリン」750円。
スポット名 | フランソア喫茶室 |
時間 | 10:00~22:00(フード類はLO21:00、ドリンク&ケーキはLO21:30) |
定休日 | 無休 |
問い合わせ | 075-351-4042 |
アクセス | 阪急京都河原町駅下車すぐ |
住所 | 京都市下京区船頭町184【MAP】 |
URL | https://www.francois1934.com/ |
※全席禁煙。未就学児入店不可。 |
【箕面】モンキーヒル<1971年創業>
半世紀以上続く街の大バコ喫茶
1911年に日本最古のコーヒーチェーン(カフェ)があったとされ、喫茶の歴史が深い箕面。その箕面で根強い人気を誇り、ガンバ大阪の選手やサントリーのバレーボール選手も多数通う「モンキーヒル」。王冠と「m」の文字のロゴが目印だ。
自慢は、100以上並ぶメニュー数。創業時、増加していたファミリーレストランのように充実させたそう。中でも手ごねの「ハンバーグ」や、食べ応えのある「エビフライ」などの洋食が評判だ。
スープ付きの「オムライス」850円は、自家製ソースが隠し味。注文後に4種の果物と牛乳などをミキシングし、アイスをトッピングした「ミックスジュース」670円も人気。下の写真、ボリュームある「ミックスサンド」800円は、ホットサンドでも注文可。
約100席を備える店内は重厚なレンガ造りで、吹き抜けが開放的。椅子にもロゴの刻印が。3代にわたって守る味と居心地の良さで、今日もにぎわう。
スポット名 | モンキーヒル |
時間 | 9:00~21:00(LO20:00。モーニングはLO11:00、ランチはLO15:00) ※ランチは日曜・祝日の提供なし。 |
定休日 | 火曜 |
問い合わせ | 072-722-2105 |
アクセス | 阪急箕面駅下車 約6分 |
住所 | 箕面市箕面6-5-19【MAP】 |
※分煙。 |
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