天満市場を探検!活気あふれる大阪なにわの台所のおすすめ9店

JR大阪駅から環状線で一駅、天満駅近くのビル内にある「天満市場」(大阪市北区)。豊富な食材を扱う約40店舗が集結しているとあって、キタやミナミに店を構える料理人から、自転車でやって来るご近所さんまで多くの人々が買い物に訪れています。

店主とお客さんが交わす会話も心地良く、食い倒れのまち・大阪の日常を支えるスポットです。そんな「なにわの台所」の魅力を探ってきました。

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天満市場とはどんなところ?

江戸時代、大阪三大市場の一つとして青果を扱っていた卸売の「天満青物市場」が前身。歴史ある市場です。1949(昭和24)年に現在の場所に移り、2005(平成17)年に28階建ての再開発ビル「ぷららてんま」が建てられ、地下1階から地上2階に「天満市場」が入りました。青果や鮮魚、乾物、漬物などを扱うお店が約40軒あり、朝からにぎわいを見せています。

天満市場入口

各店舗の営業時間は、おおむね8時~20時。ただ、6時頃から営業しているお店もあれば、15時頃に閉店するところもありますが、天満市場自体は、年始の1月1日~4日を除く361日営業!いつでも新鮮な生鮮食料品などを購入することができます。
なお、各店舗の営業時間や休業日は天満市場ホームページの「店舗紹介」を確認してください。

ビル3階は67台収容の駐車場です。料金は6:00~19:00は30分300円。市場での購入額が1,000~3,000円なら1時間、3,000円以上で2時間無料になります。

JR天満駅から天満市場への行き方

JR天満駅出口

最寄り駅はJR天満です。改札を抜け、右手(北側)の出口から見上げると「ぷららてんま 天満市場」という屋上の看板が目に入ります。その方角を目印に、立ち飲み屋さんや居酒屋さんが並ぶ細い路地を通り抜けて最初の角で右折すると、市場の入口はすぐ目の前です。

ぷらら天満外観

天満市場を解説!フロアマップで紹介

店舗は主に地下1階と地上1階にあります。地下1階には、スーパー「プロマート」など約10の店舗が、1階には鮮魚、精肉、青果など約30の店舗が並んでいます。

天満市場フロアマップ地下1階
天満市場フロアマップ1階

2階は事務所やレンタルスタジオなどが入るオフィスフロアですが、喫茶「PAL CAFE」(9:00~18:00)は、モーニングの「たまごかけごはん」が人気で、買い物途中のひと休みに利用されています。

青果店から魚屋、キムチ専門店まで。天満市場でおすすめの9店!

市場内の通路を歩いていると、「見ていってや~」と呼び込みの声が響き、「ほんなら、これ、一盛りちょうだい」と応じるお客さんの姿が。なんだか懐かしく、微笑ましい光景です。

お店の棚に並ぶ多彩な商品の中には、びっくりするくらい安い野菜や初めて見るような魚もあって、心が躍ります。市場を運営する「天満総合管理」の多田安裕さんに市場の魅力をうかがうと、「安い商品も珍しい食材も、たっぷりそろっていることですね」との答えが。多田さんおすすめのお店や、興味をひかれたお店を早速のぞいてみます!

安くて新鮮、珍しい野菜も!青果店「フレシコ青果」(天満市場地下1階)

たくさんの野菜が並べられた天満市場の八百屋

エスカレーターで地下1階へ降りると、「青森産ピーマン 一盛り98円!」と書かれたボードが目に飛び込んできました。「毎朝、大量に仕入れてとにかく安く提供しています。毎日、何かが大特価ですよ」とスタッフさん。特価品は前列に置いてあるので、要チェックです。

フレシコの店頭

飲食店関係のお客さんが多いことから、普通の青果店では見かけないような珍しい食材も並べられています。この日は高級マツタケや大きなワサビ、生のキクラゲに四角豆。イタリアン用のフレッシュハーブも数多くそろえられていました。

輸入チーズや鹿肉からお買い得品まで。スーパー「プロマート」(天満市場地下1階)

プロマート入口

地下1階のフロアの約3分の2のスペースを占めるスーパー。ジビエ料理用の鹿肉や猪肉、種類豊富なチーズや調味料などの輸入品──。プロの料理人の要望に応える高級食材やこだわりの品々が並んでいます。

プロマートの冷凍魚コーナー

一方、来店客の7割は一般のお客さん。豆腐や牛乳、お酒など日常使いのリーズナブルな商品もたっぷり提供しています。特に魚の開きやグラタンなどの冷凍食品や練り物は、日替わりで目玉商品が並ぶお買い得ジャンルです。

全国のローカルなお魚が勢ぞろい!「お魚屋さんかぎや」(天満市場地下1階)

天満市場に並んだ鮮魚

「オオモンハタ」「アカハタ」……? 一般的なスーパーでは見かけないレアな魚が並んでいます。鹿児島や北海道、富山など全国の漁港にアンテナを張り巡らせ、直接取り引きして仕入れた旬の魚を販売しています。店頭には、サンマや甘エビなどのポピュラーな魚も含めて、常時50~60種がずらり。

天満市場の鮮魚店かぎや

地方でしか扱っていない魚も多く、その魅力を伝える対面販売にこだわっています。気さくなスタッフさんが、おすすめの食べ方や保存方法を笑顔で教えてくれますよ。

冷めてもおいしい揚げ物は夕食にも!「マイクックまいど」(天満市場地下1階)

天満市場の揚げ物店

約20種類のフライや天ぷらはすべて手作り。野菜たっぷりのタレに漬け込んだ「鶏の唐揚げ」(300円。一盛りの価格、以下同じ)や、切り身を自家製のタレに漬けて揚げた「あじカツ」(300円)、むね肉なのにパサつかない「とり天」(300円)は、「揚げても揚げても売れていく」(店主さん)という人気商品です。

天満市場あげもの店のあじカツ

時間が経っても食材の水分が衣に染み出さないよう、揚げたてをあえて扇風機に当てて、粗熱を取ってから店頭に出しているそう。「冷めてもおいしい」工夫に商人魂を感じます。夕食にもぴったりの品々です。

朝びきが魅力。味と鮮度にこだわる「鳥ぴん」(天満市場地下1階)

天満市場鳥びん外観

朝びきが自慢の鶏肉屋さん。三重県の「伊勢の赤どり」(350円。100gの価格。以下同じ)をはじめ、近郊の契約農家で育った鶏を毎朝、都島区の工場で処理しているそうです。「これ以上、新鮮なものはないでしょう」と胸を張る社長さん。

天満市鳥びんのショーケース

人気は「筋肉質でしっかりした食感」の赤どりや、歯ごたえがありながらジューシーな「特選もも肉」(185円)。他にも「はらみ」(155円)や「玉ひも」(120円)、硬い食感がツウに評判の「老鶏(ろうけい)」(170円)など、さまざまな部位が勢ぞろいしています。

天満市場内に寿司屋もオープン。鮮魚店「野田商店」(天満市場1階)

天満市場の鮮魚店「野田商店」の外観

「仕入れた魚はその日のうちに売り切る」のがモットー。新鮮な魚が次々と並べられては売れていく、活気あふれるお店です。特にマグロには自信あり。種類もランクも多種多様のマグロがそろっています。

天満市場内にオープンした「寿司屋のだ」の店内

2025年8月には、それらをにぎり寿司や丼で味わえる「寿司屋のだ」を同じ1階にオープンしました。カウンターのみの約15席で、人気メニューは大きな赤エビを含めて9種の魚介類が載った「海鮮丼」(900円)や、ウニやイクラ、ホタテなどがこぼれそうな「痛風丼」(2,300円)、「剣先いか丼」(1,298円)だそうです。

寿司屋のだの海鮮丼

キムチの種類は50以上。韓国惣菜「天満大沢商店」(天満市場1階)

キムチが豊富な天満市場の韓国惣菜店外観

ショーケースにずらりと並ぶボウルの数々。入っているのは、鶏の砂ずり、らっきょう、レンコン、ゴーヤにアサリ、明太子など、全部キムチです。素材に合わせて配合された調味料で漬けるキムチは50種類以上。いずれも100gから購入できます。

天満市場の韓国料理店の店頭

キムチ以外では、コラーゲンたっぷりの豚足や豚の耳、蒸し豚も魅力的。甘辛い酢味噌のチョジャンをつけたり、白菜キムチで巻いたりして食べるのがおすすめで、それらをパックに詰めた「蒸し豚セット」(1,000円)はお試しにぴったり。チヂミやキンパなどの惣菜類も豊富にそろっています。

一頭買いの三田和牛にこだわる和牛肉専門「浦野精肉店」(天満市場1階)

天満市場和牛肉専門「浦野精肉店」の外観

こだわりは三田和牛の一頭買い。「牛の状態や肉質を自分の目で確認できるから」というご主人の思いが詰まっています。「特選ヘレ」(3,000円。100gの価格。以下同じ)や「特選ロース」(1,620円)は決して安価ではないものの、品質は確か。「同等の商品を買うなら、デパートより安くておいしい」と口コミで知った主婦ら、一般のお客さんが多いそうです。

天満市場和牛肉専門「浦野精肉店」の外観のショーケース

三田和牛だけを使った「和牛ミンチ」(480円)や、鹿児島県のブランド豚と混ぜた「合挽ミンチ」(260円)は、「味も香りも抜群」とリピーターがつく人気商品です。初めてのお客さんには、赤身とバラ肉を混ぜた「お買い得品」(580円)をおすすめしているそう。

体にやさしい自家製のお漬物「田村商店」(天満市場1階)

天満市場お漬物「田村商店」の店頭

70年以上の歴史を持つ漬物屋さん。手作りの浅漬け、ぬか漬けをはじめ、全国のおいしい漬物や味噌など300種以上を扱っています。お客さんに安心して食べてもらえるようにと、添加物は最小限に留めています。キュウリやキャベツ、ナス、カボチャなど、素材のうまみを生かしたシンプルな品々は、体にやさしく腸活にも良いのだそう。

天満市場お漬物「田村商店」の外観

夏季限定の水ナスの漬物は1日100個作っても、あっと言う間に売り切れる人気ぶり。年末には、お雑煮用の最高級白味噌を買うために、遠方からも多くのお客さんが訪れるそうです。

天満市場は食と人のワンダーランド!

にぎわう天満市場

財布にやさしい価格帯の商品から、高級料理店のシェフが買い求める食材まで、二つのフロアにぎゅっと凝縮されています。それらの魅力を伝えてくれるのは、お店の人たち。「やげんなんこつは、大根おろしとポン酢とまぜたら、めちゃくちゃおいしいねん」「豚足にはアジシオをかけてもうまいで」。そんな言葉に引き寄せられて、ついつい財布の紐も緩みます。大阪人の食へのエネルギーを感じられるワンダーランドをぜひ一度、体感してみてはいかがでしょうか。

スポット名ぷららてんま・天満市場
時間店舗による おおむね8:00~19:00ごろ
定休日店舗による(水曜、日・祝が休みのお店が多い。無休のお店も)
電話番号06-4800-2878(天満総合管理)
アクセスJR天満駅から徒歩約3分
住所大阪市北区池田町3-1【MAP
URLhttps://www.tenmaichiba.com

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この記事の企画編集は… TOKK編集部T

「TOKK(トック)」編集部T。豊中育ち→箕面→豊中→池田→神戸・岡本→池田と阪急沿線を転々とする。そのたびに街と周辺を隅々まで歩き、住人だからこそ分かる見どころを掘り起こしている。次に住んでみたいのは阪急京都線の大山崎。趣味は、おいしいもの発掘と山歩き。

阪急沿線情報紙「TOKK」は2022年で創刊50年を迎えた情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。
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