吹田の人気パン店「ル シュクレクール岸部」へ!ランチ、メニュー、行き方を紹介
2025.02.21グルメ
#吹田 #吹田パン #ルシュクレクール岸部 #大阪パンビュッフェ
大阪府吹田市のブーランジェリー「ル シュクレクール岸部」。パン好きからは「ハード系パンの聖地」とも呼ばれ、一度はその評判を聞いたことがあるかもしれない。筆者もその一人だった。だが「パン激戦区」の神戸在住とあって近所のパン屋さんもハイレベル。すっかり満足し、足を運んだことはなかった。今回初めて訪れると、想像をはるかに超えるパンたちとの出会いがあった。
目次
「ル シュクレクール岸部」は絶大な人気を誇るパンの店
店主の岩永歩(あゆむ)さんは、大阪や兵庫のパン店やフランス料理店で働いたのち、渡仏。世界最高ランクのパン店と称されるパリの「メゾン・カイザー」で修業を積み、帰国後の2004年、自身の地元に「ル シュクレクール岸部」をオープンさせた。

「パンは作り手の心を映し出す」との信念から、素材の選定から焼き加減まで、全ての工程に情熱を持って作り続けた。その「食卓や暮らしを豊かにするパン」は専門誌や情報誌に取り上げられ、口コミでも評判に。著書にも「食べてもらえて『美味しい!』では足らなくて、願わくば感動で泣き崩したいとまで厚かましく想っています」と記した。
やがて大阪や東京の有名レストランのシェフからも支持され、地元はもちろん遠方のお客さんまで多くの人々から愛される存在になった。2016年からは大阪・北新地にも店舗を構えている。
「ル シュクレクール岸部」の店内の雰囲気

ある冬の平日の午前11時。開店と同時に店内に入ると、ふわっとパンの焼ける香ばしい匂いが漂ってきた。
スロージャズのピアノのBGMが流れる中、女性スタッフの「いらっしゃいませ。ショーケースのそばでゆっくりご覧ください」という明るい声が響く。
ほぼ正方形に見える店内は10坪ぐらいだろうか。正面にはケーキ屋さんにあるようなガラスのショーケースが2台。さまざまなパンがずらりと並んでいる。右手にはイートインコーナーがあり、大小2つのテーブルと6席の椅子、そしてカウンターには3席が設けられている。テーブルと壁にさりげなく飾られた植物やカレンダーなどの小物が、おしゃれな雰囲気を醸し出している。しばし居心地のよさに浸っていると、次々にお客さんが入ってきた。
「ル シュクレクール岸部」で人気のパン、おすすめのパン

入口から10歩も進めばショーケースの前に。この日並んでいたのはバゲットなどのハード系や、「ヴィエノワズリー」と呼ばれるお菓子系のパンなど30数種類。
ショーケース後方の戸棚には、食パンの「パン・ド・ミ」が置かれている。パンは生地を前日から低温でじっくりと熟成させてから焼くため量が限られ、売り切れても追加されることはない。開店直後が、最も多く商品がそろう時間帯となっている。

ショーケースのパンをお客さんが選び、スタッフが取り上げていく販売スタイル。
スタッフはおすすめを尋ねられると「いつ召し上がりますか?」「どんな料理や飲み物と合わせられますか?」「好き嫌いはおありですか?」といった会話を重ねながら、ベストマッチのパンを提案している。
「パンの魅力をわかりやすくお伝えしながらお客様のお好みやシチュエーションに合わせてご提案しています」とベテランスタッフの伊藤佳織さん。

伊藤さんらスタッフにおすすめをうかがいながら、筆者も購入するパンを思案する。あれもおいしそう、これも味わってみたい。せっかく遠征してきたのだから、たくさん買っちゃおう。「その左のパンを。あっ、これも」。伊藤さんが持つトレイにパンが次々と乗せられていく。ふふっ、奮発しちゃった。
自宅に持ち帰ったパンを、ワインやコーヒーと一緒にじっくりと味わった。どれも個性的。初めて体感するような風味を存分に堪能した。特に気に入った品々を紹介したい。
逸品ぞろいのハード系
■バゲット(464円)

絶対に外せない一品だと思う。「おいしい」という評判を聞いていても、その上をいく深い味わい。小麦粉など5種類の粉をブレンドした生地を焼き上げており、かむたびに小麦の香ばしさが口の中に広がる。何もつけず、そのままでもおいしい。パリパリ、もちっと食べられる。
■パン・クール(406円)

クールはフランス語で「ハート」。文字通りハート型のパンだ。ビジュアルでもひときわ目立つ存在。バゲットと同じ生地に、イチゴとレモンとホワイトチョコが詰め込まれ、ちょっぴり甘酸っぱくラブリーな感じ。SNSでも注目され、このパンを目当てに来店する人も増えているそう。
■パン・ラミジャン(1/4、504円)

伊藤さんに「もっちりと柔らかいのが好み」と伝え、選んでくれたのがこの一品。えっ、こんなに重厚なかたまりなのに?と不思議に思いつつ、4分の1サイズを購入。
スライスし、味わってみて納得した。表皮はパリパリで、内側は柔らかい。それが混じり合って、もっちり感がしっかりと出ている。酵母と粉の風味や焼き目の(皮の)香ばしさも、筆者の好みだった。伊藤さんに勧められなかったら「柔らかいパン」とは認識しなかっただろう。このパンは店主の岩永さんの代名詞とも言われ、有名レストランやホテルでも提供されている。
■バトン・ブランシュ(376円)

ナッツ類が大好きな筆者の一番のお気に入り。
バゲットの生地にハチミツが練り込まれ、クルミとヘーゼルナッツ、カシューナッツが入ったスティック状のパンだ。いきなりガブッとかじるのは危険かもしれない。硬い。実に硬いのだ。
そして、生地よりもナッツのほうが多いのではと思うぐらいの食感。かむほどにほんのりと甘く香ばしく、クセになってくる。何本も買っていくお客さんも多いそうだ。筆者も次回はまとめ買いしたい。
■パン・ド・ミ(561円)

卵も乳製品も使っていない食パン。そのまま食べると、しっかりとした弾力が。トーストすると、耳はパリッ、白い部分はしっとり。塩味がきいているのに、ほんのりとした甘味も感じられる。かむほどに味の深みが増すパンだ。
リッチな気分が味わえるヴィエノワズリー
生地が主に粉と水、塩、酵母で作られているハード系に対し、バターや卵、牛乳、砂糖などを加えたいわゆるお菓子系のパンの総称が、ヴィエノワズリーだ。
■クロワッサン(397円)

かじるとサクッ。軽く歯切れのよいエアリーな食感。もっちりとした中身からは、ジュワーッとフランス産の発酵バターが染み出し、豊かな風味とともに口の中で溶けていく。リッチな味わいだ。
■クレーム・オ・ブール(373円)

写真手前がクレーム・オ・ブール。密度の濃いしっかりとしたパンに、特製のバタークリームが挟み込まれている。かみしめると甘味がじんわりと伝わってくる。奥はシナモンロール。
「ル シュクレクール岸部」でいただけるランチ

購入したパンはイートインコーナーで食べられる。窯で温め直してくれる。利用にはドリンクのオーダーが必要。ハンドドリップのコーヒー(550円)、アッサムやアールグレイなどの紅茶(495円)、各種果物のジュース(330円)が用意されている。
新鮮な野菜たっぷりの「サラダボウル」(220円)と合わせれば、おしゃれなランチに。利用は11時から17時までで、事前予約は受け付けていない。

コーナーのテーブルには、広い窓から優しい光が差し込んでいる。少し奥まったカウンター席は落ち着いた雰囲気。そんな中で焼きたてのパンを味わえるのは至福のひととき。購入したパンの一つ「サバのホットサンド」を、カウンター席でいただいた。

購入後にスタッフが焼いてホットサンドに仕上げてくれる。焼き目のついたパンをかじると、ごろんと肉厚のサバが。サバの脂が染みこんだパンと甘酸っぱい大根とにんじんマリネは相性抜群。伊藤さんがエスプレッソマシーンでいれてくれた香りのよいカフェラテが、熱々のパンの風味をさらに引き立ててくれる。

こうしたサンドイッチはこの日、5種類が並んでいた。四季折々の具材を挟んだサンドイッチもある。季節限定のパンにめぐりあえるのを楽しみに訪れるファンも多い。
見逃せないのが、金・土・日曜限定のパンビュッフェ!
さまざまな種類のパンを思う存分食べられる夢のようなランチが、パンビュッフェ(2,500円)だ。
まず、季節のサラダや前菜が添えられたお皿に、元の大きさの4分の1ほどにカットされたハード系のパンが10種類ほど盛られてサーブされる。食べ終えたころを見計らって、今度は4~5種類のヴィエノワズリーのお皿が運ばれてくる。スタートから1時間以内であれば、追加もできる。

これらのパンは全てスタッフが選んだその日のおすすめ。「自分では選ばない新しいパンにも出会ってほしい」という店の思いが込められている。ドリンクはコーヒー、紅茶、ジュースなどから選ぶ。330円の追加でドリンクのおかわりも可能だ。
パンビュッフェは金・土・日曜限定で、12時と13時半スタートの2部制。前日までに電話予約が必要となっている。
これは食べたい!「ル シュクレクール岸部」のクレープ
パン店のクレープは珍しいかもしれない。バゲットと同じ配合の生地が使われ、注文を受けてから焼き始める。
店のインスタグラムを見て楽しみにしていたのが、冬季限定のクレープ「ブランシュ・ネージュ」(テイクアウト810円、イートイン1,348円)。
ホワイトチョコでコーティングされたリンゴ、カシューナッツなどが生クリームとともに包まれている。

できたてを手にうっとりと眺める。白いドレスをまとったような姿は、フランス語で「白雪姫」を意味するネーミングがぴったり。バゲットとは違うふんわり感。カリカリとしたナッツ、軽くホイップされた生クリームが口の中に広がる。絶妙なハーモニー。うーん、幸せ。
通年で楽しめるクレープは「バターシュガー」(テイクアウト 648円、イートイン 1,100円)。こんがりとした生地にフランス産の発酵バターを染み込ませ、鹿児島・喜界島産の砂糖を振りかけている。生地のおいしさがストレートに味わえるという。
イートインはいずれもお皿で提供され、生地はテイクアウトの1.5倍。ジェラートも添えられている。ぜいたくな気分に浸れそうだ。
「ル シュクレクール岸部」の混雑状況。パンの予約は可能?
売り切れる前にと開店前から行列ができることも多く、全てのパンが一気に並ぶ開店時からの30分間が最もにぎわうそうだ。パンは追加されることはなく、14時ごろには売り切れる種類も出てくる。

そこで利用したいのが、予約サービスだ。
電話かホームページで、希望日の3日前までに予約すれば店舗で受け取れ、会計は現地で済ませるシステム。夕方にしか訪れることができない人も、お目当てのパンを確実にゲットできる。電話なら当日でもパンがあれば取り置いてくれる。
「ル シュクレクール岸部」の行き方、駐車場

JR京都線「岸辺駅」から、徒歩で約20分。駅の北口を出て、国立循環器病研究センターと商業施設「ビエラ岸辺」の間を抜けたところにある交差点を渡ってから右へ。最初の角を左へと曲がり、そのまま細い道を約600メートル進む。次の信号を直進方向に渡り、さらに道なりに約200メートル歩くと、広い道(府道135号)に突き当たる。その道沿いに左へ約200メートル進むと、「山田南」交差点。その南東角に建つマンションの1階にある赤い外壁の店だ。
駐車場は、店が入るマンションの裏手にあるコインパーキング「P.ZONE」を利用。4台分が他店と共通の提携駐車場となっている。
精算機で駐車証明書を発券して持参すると、2,000円以上の購入で、200円のサービス券がもらえる。この「P.ZONE」の駐車料金は、昼間60分200円となっている。
「ル シュクレクール岸部」は、ぬくもりあふれるパンと出会える店

ベビーカーを押した若いお母さんや優しそうな年配の女性、予約していたシナモンロールをさらに追加して買い求める高齢の男性もいれば、バイクでやってきた学生風の若者もいる。幅広い年齢層のお客さんが訪れ、スタッフと語らいながら普段使いのパンを購入していた。
お客さんの日常に寄り添うスタッフの姿や、細部まで工夫の詰まったパンからは作り手の心のぬくもりが伝わってきた。居住エリアや通勤途中のパン屋さんで満足している人も足を延ばして、新たな出会いを体験してみてはいかがだろうか。
※価格は税込み、2025年1月取材時。
※パンの具材などは、季節により異なることがあります。
スポット名 | ル シュクレクール岸部 |
時間 | 11:00~18:00 |
休み | 月・火曜日 |
問い合わせ | 06-6384-7901 |
アクセス | JR京都線「岸辺駅」から徒歩20分、阪急千里線「南千里駅」またはJR京都線「岸辺駅」(北口)から阪急バス「七尾西」下車、徒歩1分 |
住所 | 大阪府吹田市岸部北5丁目20-3【MAP】 |
URL | https://lesucre-coeur.com/kishibe/ |
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この記事を書いたのは… TOKK情報部
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この記事の企画編集は… TOKK編集部T
「TOKK(トック)」編集部T。豊中育ち→箕面→豊中→池田→神戸・岡本→池田と阪急沿線を転々とする。そのたびに街と周辺を隅々まで歩き、住人だからこそ分かる見どころを掘り起こしている。次に住んでみたいのは阪急京都線の大山崎。趣味は、おいしいもの発掘と山歩き。
阪急沿線情報紙「TOKK」は2022年で創刊50年を迎えた情報紙で、関西私鉄・阪急電車沿線のおでかけとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。
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