京都の紙専門店&PAPERSとBOX&NEEDLEで貼り箱やペーパークラフト体験
2020.09.17おでかけ
日常の暮らしの中では印刷物としての紙に触れる機会が多いですが、京都五条にある紙の専門店&PAPERSとBOX&NEEDLEは紙を使ったワークショップのほか、アートのように美しい紙がそろうお店です。
この記事では、&PAPERS(アンドペーパーズ)とBOX&NEEDLE(ボックスアンドニードルズ)、それぞれの店の魅力を取材レポートしています。
目次
紙を知り楽しむためのショップ
阪急京都河原町駅から南へ徒歩で約15分。レトロビルの1階に入っているのが紙にまつわるワークショップ、紙で作られたオリジナル商品の販売、レンタルラボなどを運営する&PAPERSさん。
そして、3階に貼り箱と紙の専門店BOX&NEEDLEさんが入っています。
この2軒のお店はいずれも、京都で100年以上の歴史を持つ紙器の会社が母体となっており、姉妹ブランドとして位置づけられています。
ポップで軽やか、生活となじむ紙製品が豊富な&PAPERS
まずは1階の&PAPERSさんからご案内します。
入り口を入ったところにあるのがワークショップをしたり、個人でお店をされている方がグッズなどを製作する際にレンタルラボとして利用できるスペース。
工房には、製本機、箔押し機、職業用ミシン、シルクスクリーンの基本セットまでそろっています。自分でそろえなくても、体一つで出かけていって、モノ作りができる便利な場所です。
ここで作れるグッズの例としては、オリジナルのTシャツやエコバッグ、什器、ボックス、看板などだそうです。
レンタル工房が店舗に設置されている理由は、店舗のある京都五条がものづくりの街であること。
元々、清水焼で有名な場所で、昔から職人の街として知られているエリアですが、近年では、伝統をいかした新しいモノづくりの実験的な場としての五条エリアが注目を集めているのです。
自分だけのノートを作りたいとワークショップに参加することもできますし、カフェやショップのオーナーさん、グループで何か作りたい!という時に使える場所と道具がそろう所なのです。
ワークショップで作れるのはこんなもの!
実際商品を手にとってみると、おもちゃのようにポップな見た目なのですが、軽くて丈夫。さらに、プラスチックなどに比べて温かみがあって、手にしっくりとなじみます。
&PAPERSさんのプロダクトの特徴は、そのままでも使えるデザインをより自分好みに「カスタマイズ」できること。素材を自分でカスタマイズする楽しさに着目した商品展開が魅力です。
母体となる貼り箱の会社の技術を受け継ぎ、紙の表面をコーティングしたり、厚紙にさらに紙を貼り合わせることで、紙の強度は格段に増すそうです。伝統は守りながら、将来的には、もっといろいろな紙の用途や可能性を探っていきたいと日々研究を重ねておられます。
オリジナルの商品の一例
スタッキング可能な紙製の引き出し。紙というだけあって発色が本当にきれい。1つ1つ別売りのものですが、底に磁石が入っておりお互いに引っ付くようになっているのもポイント。紙の軽さのためにガサゴソずれたりしません。
この他、収納ボックスに取り付けられる扉もあります。収納ボックスにカラフルな扉を取り付けて家具のように収納ボックスを格上げできるアイテムです。
&PAPERSさんを運営する紙器の会社があるのは京都市山科区、2019年に京都市山科区には「無印良品 京都山科」が誕生しました。このご縁と、地域交流で生まれた商品がこちら。オープンシェルフに取り付けれるトビラ「FLAP」です。
定番商品の表情をガラッと変えてくれる優れもの!
母体である紙器の会社で100年以上培われてきた貼り箱の伝統技術を現代の生活の中に。キュートな色合いで部屋に彩りをプラス、色違いでいくつも買い揃えたくなります。
一番人気はノートづくりワークショップ
カバーとして選べる紙の種類はこんなにたくさん。
こちらはノートづくりの手順を示したもの。サイズ、表紙、レフィル、リング、オプションなどを自分で選んで作っていくことができます。
リングやゴム止めの色のサンプル
ワークショップの参考価格
ノート:1冊2,000円前後~(選ぶ紙などによって値段が異なります)
Tシャツ:4,100円~(好きな写真をTシャツにシルクスクリーンで刷る場合)
ごはんも、お茶の時間も使えるカフェ
そして、1階の奥にはカフェが併設されています。ワークショップの前後に立ち寄ることもできますし、カフェ利用だけでもOK。
カフェで使われているランプシェードやメニュー立てなども、すべて紙を使って作られた&PAPERSさんのオリジナル。白く塗れた壁に黄色の紙製のランプシェードが映えます。
この日いただいたランチメニューは「台湾まぜご飯プレート」ドリンク付きで1,200円です。
甘辛く炊いたシイタケやゴボウ、レンコンやこんにゃくがごはんの上にたっぷり。水菜やレタス、きゃべつなど野菜もいっぱいです。これらをごはんと混ぜながらいただきます。
このほか今日のスペシャルランチやカレー、ケーキセットも。
エレベーターで3階へ上がれば、美しい貼り箱専門店BOX&NEEDLE
こちらは東京の二子玉川にもお店を構えておられるオリジナル紙、貼り箱の専門店BOX&NEEDLEさんです。
大量の印刷物の紙に慣れた目には、何ともぜいたく、一点物の貼り箱に宿る優雅な世界が広がっています。
まるで、高級な布地のように華やかな紙をまとわせた貼り箱が並びます。
欧州や米国など17の国から集めた紙、デッドストック、陶器やカリグラフィの作家さんなどに紙のデザインを依頼し、友禅工房で手刷りした紙なども販売されています。友禅工房で1枚、1枚、職人さんの手によって刷られた紙は繊細な色味と、質感もよく、色持ちが違うそうです。
紙と言えば、折る、書く、貼る、遊ぶ…といった用途が思い浮かびますが、BOX&NEEDLEさんに置かれているような特別な紙は、タペストリーや額装にして飾るのもおススメ。絵や写真を飾るよりも、気軽に、季節や気分に合わせて取り換えられるのも魅力です。
店内に置かれたさまざまな形の貼り箱ですが、どれをとっても、色、柄、雰囲気が全く異なります。手元に置いて楽しむ小箱から、キャスターが付いた収納ボックス、目隠ししたい小物をしまっておくための箱など、紙が持つ個性を掛け合わせ、組み合わせて作られる無限の貼り箱の世界を心ゆくまで楽しんでください。
紙を使った様々なアイテムの中から、欲しいものを1つに絞るのは至難の技ですが…。
50年の時を経たレトロビルの中もぜひ散策を!
店舗が入るビルは50年ほど前に建てられたというレトロビル。京都に本社を置くウエダの本社屋として建てられたものだそう。現在は企業の事務所や店舗などが入る複合ビルとして活用されています。ピカピカに磨かれたリノリウムの床、らせん階段、そしてエレベーターの押しボタンがまたレトロなタイプでとってもかわいいのです。経年変化による味わい深さ、重厚さをぜひ一緒に楽しんでください。
スポット名 | &PAPERS/BOX&NEEDLE |
時間 | 10:00~18:00(BOX&NEEDLEは金・土・日曜のみ営業) |
定休日 | 水曜日 |
問い合わせ | 075・354・0351(BOX&NEEDLEは075・748・1036) |
アクセス | 阪急京都河原町駅下車 徒歩約15分 |
住所 | 京都市下京区堺町21【MAP】 |
URL | http://andpapers.com/ http://boxandneedle.com/ |
最後に
編集部Kが購入した自腹アイテム。高さ1㎝ほどの貼り箱の中にいろいろな柄の紙が入っています。ハガミのセットで、これを何かに使うというよりも、眺めて楽しむために購入しました。箱入りでなければ500円~から。
環境への意識の高まりから、モノを購入する時には最後のことまで考えられる方も増えたのではないでしょうか?華やかで長く使えて、環境への負担も少ない。紙のプロダクトの可能性を感じる取材となりました
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