昭和の香り漂う JR吹田駅横の「地下のれん街」で一杯
2025.06.30吹田
阪急やJRなど複数の路線が張り巡らされ、16の駅がある吹田市は鉄道の街として知られます。その吹田市の中心的な駅のひとつであるJR吹田駅に隣接して立つのが、昭和後期に誕生した吹田さんくす。
地下には、当時から時が止まったような雰囲気の地下のれん街があります。その一角に事務所を構える吹田さんくす名店会商業協同組合の明石芳久さんを訪ね、ディープな地下のれん街を案内してもらいました。

吹田さんくす名店会商業協同組合 事務長 明石芳久さん
北摂出身。信用金庫、吹田商工会議所の勤務を経て、縁があって令和2(2020)年から吹田さんくす名店会商業協同組合に。吹田さんくすの1・2番館の計60店舗と関わりながら、会計管理などの業務を行う。イベントの開催などにも意欲的。
目次
レトロさが幅広い世代の心をつかむ
JR吹田駅に直結する吹田さんくすは3番館まであり、1・2番館は商業店舗が入る昔ながらのショッピングモールです。地下のれん街は昭和54(1979)年の開業時から2番館の地下に広がっており、その趣も当時のまま。

JR吹田駅の改札を出て1番館を抜けて2番館にたどり着くと、電飾看板が地下へと誘います。ここからすでにレトロな雰囲気!

「地下のれん街は現在、15店舗あります。創業当時からある店もあれば、今月オープンした新店も。店も店主さんもなかなか個性豊かですよ」と笑顔で話す明石さん。
店は立ち飲み屋や中華料理店、寿司屋、カラオケ居酒屋、スナックなどジャンルもさまざまです。サラリーマンが会社帰りに立ち寄ったり、一人客が昼飲みをしたり、お酒を楽しむ人が多いそう。
時代が移っても昭和から変わらないこの空気感が落ち着くと、何十年も通う常連客もいます。若い世代ではレトロさに興味を引かれ、わざわざ足を運ぶ人もいるのだとか。
「何といっても1,000〜2,000円で食べて飲める手軽さがここの自慢。雨の日でも駅から濡れずに来られるのも魅力ですね」。
飲み歩きをして、いろいろな店の料理やお酒を味わうのがおすすめなのだそう。

コスパ抜群のメニューが人気の町中華
「ここは創業当時からある中華料理店。今は2代目の方が店長をされています。私は天津飯が好きでランチによく食べていますよ」と明石さんに案内され、最初に暖簾をくぐったのが珉珉。
町中華らしい店構えと食欲そそる豊富なメニューに引きつけられます。


人気メニューは餃子とジンギスカン。どちらの料理も、白いご飯にもビールにもよく合い、お腹が満たされます。
1,000円で餃子や枝豆に好きなお酒、料理一品を組み合わせられる、お得なほろよいセットも用意。コスパ抜群のメニューがうれしい限りです。

京風のおばんざいとレアな焼酎が自慢
続いて訪れたのは、平成25(2013)年に開業した居酒屋のななをⅡ。
京都の店で修行した店主の新道尋さんが作るのは、京風のおばんざいと串焼き料理がメイン。京都の中央市場で仕入れを行っており、新鮮なマグロの特殊な部位を使った料理や自家製のからすみもあります。
「お酒は焼酎に力を入れています。定番から季節限定のレア系まで、30種ほど揃いますよ」と新道さん。
カウンターには所狭しと焼酎のボトルが並びます。焼酎に詳しい新道さんが味や飲み方を丁寧に教えてくれるので、焼酎初心者でも安心して味わえます。


扉に貼られたインパクトあるポスターは、大阪成蹊女子高等学校の美術科の生徒が制作したものなのだとか。70〜80年代の洋楽をBGMにするロックが好きな新道さんをイメージしたものだそう。地域との交流も感じられます。

メニュー数は吹田一!? 地元出身店主が料理を手がける
創業17年の酔笑庵ぽんぽの店主・紺谷良太さんは吹田出身。ぽんぽというかわいらしい店名は、紺谷さんのあだ名が由来なのだそう。
「吹田で一番多いんじゃないかな」と紺谷さんが笑うメニューは日替わりのものも多く、その数は200種類ほど!
魚料理や馬肉料理など壁に貼られたバラエティー豊かなメニューを眺めるだけで、ワクワクした気持ちになります。こぢんまりとした店内は居心地が良く、思わず長居をしてしまいそうです。


「地下のれん街は吹田出身の店主も多いです。今月移転してきたスナック順のママさんは私の先輩のお母さんで、50年のキャリアを持つ方。珉珉の現在の店主さんも地元が一緒です」と紺谷さん。
お酒を飲む人が減るなど時代の変化を感じながらも、今なおこの場所が地元の酒好きに愛されていることを実感しているそうです。
恒例の吹田さんくす夏まつりにもぜひ参加を
ランチタイムには定食に付くご飯や味噌汁、自家製の豆腐が食べ放題となる「食彩酒家びーわん」や昼から賑わう「立呑み処 蔵」など、他にものぞいてみたいお店がたくさん。
カウンターがある店が多く一人客も歓迎なので、ふらりと気軽に立ち寄ってみるのもおすすめです。

吹田さんくすでは定期的にイベントを行っており、夏には毎年恒例の吹田さんくす夏まつりを開催。令和7(2025)年の今年は7月26日(木)と27日(金)の2日間に渡って行われます。開催場所はさんくす夢広場ですが、地下のれん街から参加する店もあるそう。
特設ステージで音楽を演奏したり盆踊りを踊ったり、子どもたちも楽しめる屋台が出て賑わいます。この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
地下のれん街 | 地下のれん街 |
時間 | 店舗によって異なる |
定休日 | 店舗によって異なる |
電話番号 | 06-6319-0344 |
アクセス | JR吹田駅下車すぐ、阪急吹田駅下車 徒歩14分 |
住所 | 大阪府吹田市朝日町2-101 吹田さんくす2番館【MAP】 |
この記事を取材したのは ライター A子
愛知県出身京都在住。京都が好きで移り住んで約20年。
制作プロダクションでの編集を経て、ライターとして独立。
京都の酒場巡りが好きで、主に御所周辺や出町柳エリアに出没。

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