斬新な万博アートに温泉、空中散歩も満喫!万博記念公園をぐるりと歩いてみました~第1回万博レガシーとグルメ編~

令和7(2025)年の大阪・関西万博開催で大いに盛り上がった大阪。その裏で今、昭和45(1970)年に日本で初めて万博が開催された地である万博記念公園も注目を集めています。

万博記念公園には太陽の塔を筆頭とした万博遺産や四季の美を織りなす日本庭園などさまざまなスポットがありますが、甲子園球場約65面分という広さの園内には知られざる魅力もたくさん。そこでweb TOKKでは公園をぐるりと歩いてその魅力を味わい尽くし、3回に渡ってご紹介します!

第1回目の今回は万博レガシーとグルメ編。万博記念公園マネジメント・パートナーズの広報担当の方に案内してもらい、万博記念公園を楽しむコツを教えていただきました。

絶大なパワーを放つ公園のシンボル・太陽の塔にごあいさつ

万博記念公園といえば、まずは何と言っても太陽の塔! 公園の中央口ゲートから入るとすぐ目の前に、圧巻の佇まいで出迎えます。

周囲には太陽の塔の姿を真似て、両手を広げたポーズで記念撮影を撮る人がたくさん。この太陽の塔を万博のメインに据えるとは55年前の万博は攻めていたんだなぁ……と思いつつ、手がけた岡本太郎の芸術の力に引き込まれます。

「太陽の塔は吹田市を始めとした北摂の方にとってはかなり身近な存在で、シンボルとして親しまれています。元々は大阪万博の閉幕後に取り壊される予定だったのに残されたのは、多くの人の心をつかんだからだと思いますね」と広報の方。

万博記念公園の太陽の塔の正面

内部は現在、事前予約制で公開中。

展示空間の「生命の樹」は人類に至るまでの生命の進化の過程を表しており、その幹も流れているBGMも大阪万博の時のもの。「園内で一番当時の雰囲気を感じられる場所かもしれません」と広報の方は話します。

頂部の「黄金の顔」、中央の「太陽の顔」、背面の「黒い太陽」に継ぐ、第4の顔「地底の太陽」(復元)を内部で観られるのも、見学者の特典! 事前に予約のうえ訪れて、ぜひ中の展示も楽しみたいものです。

万博記念公園の太陽の塔の背面
背面の「黒い太陽」はダークな雰囲気で正面の顔とは違うイメージ

昭和45(1970)年の流行りを映す近未来的デザインの数々

太陽の塔を左手に、まっすぐ進んでいくと現れるのが夢の池。こちらにある噴水群のオブジェも大阪万博の際に造られたものです。

噴水とは思えないフォルムはイサム・ノグチ作で、テーマは「宇宙空間の夢」。各噴水器には「宇宙船」や「星雲」「惑星」など、宇宙に関連した名前が付いています。現在は水が出ませんが、どこからどんな風に水が出ていたんだろう!?と興味津々で想像してしまいます。

万博記念公園の夢の池噴水オブジェ1
右が「星雲」、中央が「惑星」、左が「彗星」と名付けられた噴水器
万博記念公園の夢の池噴水オブジェ2
黄色と黒色に塗られた2基のドーム状噴水器「宇宙船」

「夢の池ではサイクルボートに乗って、オブジェ噴水群を間近で観ることができますよ」と広報の方。昭和からあるというサイクルボートはレトロな雰囲気で、ファミリー層を中心に幅広い世代に人気。クジラ型やカップ型、令和になって登場したブラックスワンなど全6種あります。

万博記念公園の夢の池
万博記念公園の夢の池サイクルボート

平和のバラ園にあるモニュメント「月の世界」も同じく、大阪万博で活躍した噴水器。こちらも一見すると噴水器とは思えず、プラネタリウムの投影機を彷彿とさせる形です。

大阪万博の時にはこの大きな球体の噴水器が静かに回転しながら、水面4m以上の高さまで上下したのだとか。なんだか話を聞くだけですごそうな感じ……。

万博記念公園の噴水器オブジェ

他にも夢の池周辺など公園の東エリアではところどころで、大阪万博の遺産であるモニュメントやアート作品を観ることができます。

万博記念公園のオブジェ・空
鉄を素材にしたフィリップ・キング作の彫刻「空」

大阪万博ではアメリカ館で展示された月の石が大きな注目を集めましたが、当時は人類が初めて月面着陸を果たし宇宙への関心が高まっていた頃。その影響なのか、モニュメントにも宇宙の香りが漂っています。

EXPO’70 パビリオンの外側を歩いていると、大阪万博のユニフォームに身を包んだ女性たちの写真を発見。当時“ホステス”と呼ばれていたこの女性たちの服装も、個人的には宇宙を感じました。

万博記念公園のEXPO70パビリオンの女性写真

スケールの大きさに当時の迫力がよみがえる

大阪万博でメインの会場となったお祭り広場を歩くと、かつてこの場所にかかっていた大屋根の一部に遭遇。これを見るだけで、大屋根全体がいかに大きかったかが分かります。

万博記念公園の大屋根

こちらの東の広場には日本館が建っていたそう。

園内はとにかく広い! 広場一つでこのスケールです。

万博記念公園の広場

EXPO’70 パビリオンの前にあるのは何かのオブジェかと思いきや、こちらは展望塔・エキスポタワーの一部。大阪万博のランドマークタワーとして建設され、その高さは127mだったそう。京都タワーとほぼ同じ高さだな……と、京都在住の私はイメージをふくらませました。

万博記念公園のタワーオブジェ

EXPO’70 パビリオンも大阪万博の遺構です。鉄鋼館を活用し大阪万博の記念館として、平成22(2010)年に開館しました。

内部では当時の万博の貴重な資料が展示され映像で体感できるゾーンもあり、大阪万博の様子をしっかり感じることができます。

万博記念公園のEXPO70パビリオン外観

EXPO’70 パビリオンのエントランスには太陽の塔のプリクラ機が!

休日などには行列もできるほど、密かに人気のようです。いい記念になりそう。

万博記念公園のEXPO70パビリオンプリクラ

EXPO’70 パビリオンの南に広がるのは、世界の森と呼ばれるエリア。

ここに根を生やすのは、大阪万博の開催時に参加国から寄贈された種子が成長した木々。当時カナダを始め20カ国から、その国特有の54種の樹木の種子が贈られたそうです。

イタリアのアレッポマツやアメリカのアメリカトネリコなど、さまざまな植物に出会えました。大きく成長した姿に55年の時の流れを感じつつ、森の空気を吸い込んで穏やかな気持ちになれます。

万博記念公園の世界の森
万博記念公園の世界の森の木

宝探しの気分でパビリオン跡の記念碑めぐり

もう十分万博レガシーを堪能した気持ちですが、見どころはまだあります。

「パビリオン跡には記念碑が立っているので、それを探しながら歩くのも楽しみ方の一つですよ」と広報の方に教えてもらい、記念碑を探しに行きました。

全部で86の記念碑が現存していますが、なかには立入禁止区域内に立つものもあるのでご注意を。脇道や小道に密やかに立つものもあり、宝探しのような気分で楽しめます。

万博記念公園のパビリオン跡オーストラリア館

記念碑の横に立つ案内板には当時のパビリオンの写真が載せられ、建物のテーマや特徴が解説されています。

そしてQRコードをスマートフォンで読み込めば、より詳しい情報を知ることができます。

令和7(2025)年の大阪・関西万博に行ったことがあれば、そこで見たパビリオンと比べてみるのもおもしろいですね。

万博記念公園のパビリオン跡フランス館案内板

記念碑の左下の隅に付いているのは、スクラッチプレート。紙をあててえんぴつでこすると、各パビリオンに実際にあった記念スタンプの模様が浮かび上がります。ただ記念碑をめぐるだけではなく、スタンプの模様をノートなどに集めて回れば、子どもも一緒に楽しめそう!

万博記念公園のパビリオン跡プレート

記念碑のなかにはソ連館やEC館といった、昭和45(1970)年ならではの呼び名も。その時代を知らない子どもや若い世代にとって、いい歴史の勉強になるかもしれません。

万博記念公園のパビリオン跡EC館

さすがに歩き疲れて、ベンチでひと休み。公園内には至るところにベンチが用意されており、歩き回った足を休ませることができるのが、うれしいです。

ベンチときれいな自然が溶け込んで、なんだか外国の風景のよう……と思ったり。景色にも癒やされました。

万博記念公園のベンチ1
万博記念公園のベンチ2

歩いている時にこんな石の道案内を発見! 太陽の塔の形!?とテンションが上がりました。

こんな風に万博記念公園ならではのものを探しつつ散策すれば、より満喫できますね。

万博記念公園の道案内

たくさん歩いてお腹が空いても安心! グルメも充実

万博記念公園の敷地内はグルメも多彩です。

空腹のお腹を満たしたくて、まずは「ナゲット ナゲット」にやって来ました。

万博記念公園のナゲットナゲットの外観

店名からもわかる通り、看板メニューはチキンナゲットです。

国産鶏のむね肉・もも肉・軟骨をバランス良くブレンドしたナゲットは下味でトリュフ塩やオリーブオイルを加えており、風味をしっかりと感じられます。

揚げ方にもこだわり、カリッと感よりもフワッとしたやわらかい歯応えを追求しているのだそう。

手作りのディップソースは4種類から選ぶことができるのも、うれしいポイントです。

万博記念公園のナゲットナゲットの料理
1番人気の「チキンナゲット3P&厚切りフライドポテトSET1,200円」と「ゆずスカッシュ550円」。ディップソースはオリジナルケチャップとハニーマスタードをチョイス

「ナゲット ナゲット」では手軽に味わえる黒毛和牛コロッケやソフトクリームなども好評。

お店のテラスでも食べられますが、近くのベンチなどでピクニック気分で味わうのもいいですね。

スポット名ナゲット ナゲット
時間10:00~17:00(L.O.16:30)
定休日万博記念公園に準ずる
問い合わせ090-6013-0601
URLhttps://www.instagram.com/nuggetnugget_jp

続いてやって来たのは、中央口のすぐ横にある「吉たこ」。こちらは吉本興業が所属の芸人とともにプロデュースするたこ焼き屋なのだとか。たこ焼きを作るブカツ「たこ焼きブ」と称して実際に芸人が店頭に立ち、たこ焼きを作っています。

アツアツでふんわりとしたたこ焼きは老若男女に愛される味。小腹が空いたときにおやつ感覚で食べるのもアリです。

人気の「ソースマヨ」と吉たこ自慢の「塩こんぶマヨ」のほか、「しょうゆマヨ」「ねぎポン酢マヨ」の4種類の味を楽しめます。

万博記念公園の吉たこの料理
定番の「ソースマヨ500円」は思った以上のボリューム感

この日も吉本興業所属の芸人さんが笑顔で接客してくれました。吉たこではフレッシュな芸人さんに会えるので、お楽しみに!

万博記念公園の吉たこの外観
スポット名吉たこ produce by たこ焼きブ 万博記念公園店
時間平日/10:00~17:00、
土・日曜、祝日/9:30~17:00
定休日万博記念公園に準ずる
URLhttps://tabelog.com/osaka/A2706/A270602/27129574/?msockid=32bc660ddb1d60dc01f17573daf7614e

最後に訪れたのは、中央口ゲートを出てすぐの場所にある「ノイカフェ 万博入口前店」。

自家焙煎のコーヒーや、焼きたてのボールカステラが名物のかわいらしいカフェです。

万博記念公園のノイカフェの外観

専用の焙煎所をもち焙煎仕立てのコーヒーを提供しているので、香りが豊かで風味が抜群。ミルクとの相性を考えた中深煎りコーヒーを使ったカフェラテはまろやかで、多くの人に支持される味です。

カステラは袋入りのボールカステラのほか、串に刺さったボンボンブロシェットも用意。

国産小麦に隠し味の白味噌、香ばしさをプラスするごま油などを加えた生地は甘すぎず、飽きのこないやさしい味わいです。

万博記念公園のノイカフェの料理
「ボンボンブロシェット430円」と「カフェラテ540円」。ボンボンブロシェットのトッピングは抹茶・きなこ・砂糖から選べる

テイクアウトする人が多いですが、店内も実は穴場。席から太陽の塔が観られるのです!

万博記念公園の後に立ち寄ってひと休みしながら、太陽の塔を眺めて思い出に浸るのもいいですね。

万博記念公園のノイカフェの店内からの景色
スポット名ノイカフェ 万博入口前店
時間万博記念公園に準ずる
定休日万博記念公園に準ずる
問い合わせ06-6878-5137
URLhttps://neu-cafe.com/shop/neucafe-expopark/

今回は思っていた以上にたくさんの万博レガシーに出会え、映像でしか見たことのない大阪万博の様子を肌で感じることができました。個性的な万博グルメも堪能できて満足です。

万博記念公園はとにかく広く見どころにあふれているので、歩いているだけでも飽きることがありません。この日は2万歩以上歩いて、日頃の運動不足解消のいい機会にもなりました!

しかし、それでも今回はまだ公園全体の1/4ほど。下記マップの右下だけしかご紹介できていません。次回はマップ左側から「自然の森体験編」をお届けします。お楽しみに!

万博記念公園 園内マップ
画像提供:万博記念公園マネジメント・パートナーズ
スポット名万博記念公園
時間9:30~17:00(入園は~16:30)
定休日水曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始 ※4月1日~5月2日、10・11月は無休
入園料260円(自然文化園・日本庭園共通
問い合わせ06-6877-7387
住所大阪府吹田市千里万博公園【MAP】
アクセス大阪モノレール万博記念公園駅下車 約5分
URLhttps://www.expo70-park.jp

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この記事を取材したのは  ライター A子
愛知県出身京都在住。京都が好きで移り住んで約20年。
制作プロダクションでの編集を経て、ライターとして独立。
京都の酒場巡りが好きで、主に御所周辺や出町柳エリアに出没。

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