【京都・大原の紅葉】里山の隠れ名所でゆったり半日コース
2025.11.11おでかけ
今年も京都に紅葉の季節がやってきましたね。
大原は「日本 紅葉の名所100選」にも選ばれる紅葉の名所でもあり、その人気はよく知られるところです。
この記事では、人の多い場所をなるべく避けて、静かに紅葉を楽しみたい人におすすめ、TOKK編集部がお気に入りの大原の紅葉半日コースをご紹介します。
絶景と同時に里山の原風景を楽しむことができ、有名な古刹や穴場の寺院、立ち寄りスポットを巡りながら、美しい里山の魅力を五感で堪能し尽くす。
目次
昔ながらの田園風景と清流を見ながら歩く

大原は京都市左京区の北東部、比叡山のふもとに位置しています。四方を山々に囲まれた人口約2,000人の盆地集落で、昔ながらの田園風景が残る自然豊かな里。南西には、鴨川の支流のひとつである高野川が走ります。
露地栽培で育てられた京野菜や、紫蘇作りに最適な気候と立地の中で脈々と受け継がれてきた「大原紫蘇」が名産です。
懐かしくて素朴であたたかな大原の風景に触れると、目まぐるしく日々を過ごす現代人が忘れかけていた心を取り戻せる気がするーー大原はそんな癒やしの土地なのです。
アクセスは京都市営地下鉄&京都バスで。お得な乗車券「地下鉄・バス1日券」の利用もおすすめ。

京都市街からのアクセスは地下鉄とバスを利用するのが便利です。京都市営地下鉄、京都バスなどが乗り放題となるお得な乗車券「地下鉄・バス1日券」も発売されていますので、大原へお越しの際はご利用ください。乗車券「地下鉄・バス1日券」の詳細はこちらから
阪急各駅から:烏丸駅で京都市営地下鉄に乗り換え、国際会館駅前下車、京都バス(特17・19)で大原まで約20分。
京阪電車各駅から:出町柳駅から京都バス(17・特17)で大原まで約40分。
また、大原の紅葉は市中よりもひと足早い11月中旬頃から見頃を迎えます。
【寂光院】里山を抜け静寂の尼寺で紅葉を堪能

大原で紅葉絶景に出合うコース、スタートは「寂光院(じゃっこういん)」から。大原バス停から「寂光院」までは徒歩約20分。「三千院」から「寂光院」まで続く「大原女(おおはらめ)の小径」を西に進んでいきます。
観光客の多い「三千院」がある東側ではなく、落ち着いた西側へ足を運ぶことで、のどかでゆったりとした大原の空気を存分に味わうことができます。澄んだ秋空の下、耳を澄ますと聞こえてくる鳥や虫の声、風の音、見渡す限りの山々に季節の花々。里山の恵みに、心が浄化されていくのを感じます。

大原の里にひっそりとたたずむ「寂光院」は、聖徳太子が父である用明天皇の菩提を弔うために建立したとされる天台宗の尼寺。平 清盛の娘・建礼門院が隠棲したと伝えられていることから、“平家物語最後の舞台”といわれています。

山門まで続く石の階段の両側にはカエデがずらり。まるで赤やオレンジに色付いた見事な紅葉自体が門となって迎えてくれているようで思わず息をのむほどの美しさです。本堂の後ろにも赤く燃えるような紅葉の木がそびえ立ち、木柿葺(こけらぶき)の屋根とのコントラストがより際立ちます。

本堂の正面にある「池の汀」の鐘楼には、『平家物語』の冒頭を思わせる「諸行無常の鐘」という梵鐘がかかっています。池や庭園、茶室にも穏やかな空気が満ちていて、苔の上にかぶさる落ち葉も風情があります。

境内では一席800円のお茶席を楽しめます。抹茶と香り高い大原産の赤紫蘇が入ったお菓子(限定数)をいただきつつ、ひとときの休息を。
芸術性の高い「切り絵御朱印」も人気です。
毎年11月の日曜には旧本尊(重要文化財)である「六万体地蔵菩薩」の秋の特別公開が行われているので、チェックしてみてください。
| スポット名 | 寂光院 |
| 拝観時間 | 9:00~17:00(冬季は変更あり) |
| 定休日 | 無休 |
| 問い合わせ | 075-744-3341 |
| アクセス | 京都バス大原バス停下車 約20分 |
| 住所 | 京都市左京区大原草生町676【MAP】 |
| URL | https://www.jakkoin.jp/ |
【味工房志野】こだわりのぽん酢とドレッシングの専門店

「寂光院」を出て、次は「三千院」方面へ向かいながら、大原の名産を味わいに行きましょう。徒歩約20分の大原バス停前の道路を反対側に渡り、三千院参道を歩くこと約5分。やってきたのは「味工房志野」。ぽん酢とドレッシングの専門店です。

実は先ほど訪れた「寂光院」は“しば漬け発祥の地”。何百年もの間栽培されてきた大原の赤紫蘇は、香り、発色共にハイクオリティ。高い評価を得て、プロの料理人にも愛されています。「味工房志野」も自社の畑で赤紫蘇を無農薬栽培しているそう。

そんな「味工房志野」の人気No.1看板商品は、ゆずの果汁がたっぷり入った「ゆずのぽん酢」400ml 972円。鍋物用に合わせたしっかりめの味付けで、これからの季節にぴったりです。
「一番のこだわり商品」と自信をのぞかせるのは、カツオ節を利かせ、ゆず・すだち・だいだいの3種の果汁を使った「ゆずとすだちとだいだいのぽん酢」400ml 1,674円。
「ゆずとおれんじのぽん酢」400ml 1,296円は、果汁たっぷり&口当たりさっぱりで後味まろやか。「ぽん酢だけでもこんなに種類があるなんて!」と驚かされます。

また「赤紫蘇ノンオイルドレッシング」400ml 972円と「赤紫蘇ドリンク(濃縮)」900ml 1,782円は名物商品。
ほかにも、にんにく、豆板醤、とうがらしが入った「ぴり辛のぽん酢」400ml 1,080円、京都九条ねぎと白味噌ベースの万能だれ「九条ねぎ白味噌香味だれ」400ml 1,080円など、オリジナリティが光る品が盛りだくさんで、思わず目移りしてしまいそう。リピートしたくなるほどのおいしさが詰まっています。ぜひお土産にどうぞ。
| スポット名 | 味工房志野 三千院参道店 |
| 営業時間 | 9:00~17:30 |
| 定休日 | 無休 |
| 問い合わせ | 075-744-2141 |
| アクセス | 京都バス大原バス停下車 約5分 |
| 住所 | 京都市左京区大原勝林院町109【MAP】 |
| URL | http://www.sino.co.jp/index.htm |
【三千院】大原屈指の紅葉名所&パワースポット

せっかく大原に来たのだから、定番中の定番スポットも訪れておいて損はなし。「味工房志野」から徒歩で参道をあがること約8分、京都の観光地でも屈指の人気を誇る「三千院」の「御殿門(ごてんもん)」へ到着です。

毎年「もみじ祭り」が開かれるほどの紅葉名所で、苔と紅葉のコラボレーションが楽しめるとあって、国内外から多くの人々が訪れます。

「三千院」は代々皇族や公家が住職を務めた天台宗の由緒正しき寺院。
境内には、池泉回遊式庭園「有清園(ゆうせいえん)」と、池泉観賞式庭園「聚碧園(しゅうへきえん)」のふたつの庭園があり、どちらも京都市の名勝に指定されています。庭園の秋の姿は圧巻!“百聞は一見に如かず”、ぜひその目で確かめてみてください。

池と清流のせせらぎの中、ゆったりうつろう景色を見せる聚碧園と、一面苔に覆われた緑の地面にそそり立つ杉やヒノキの木々が、荘厳な雰囲気を醸し出す有清園。全く表情が異なる庭園で目の当たりにする色鮮やかな紅葉と苔のコントラストは、しばし俗世からトリップさせてくれるようなインパクトを持っています。有清園には石彫作家・杉村 孝が手がけた「わらべ地蔵」が愛らしく微笑んでいるので、探してみることもお忘れなく。
| スポット名 | 三千院 |
| 拝観時間 | 9:00~17:00(11月は8:45~16:45、12~2月は9:00~16:30) |
| 拝観料 | 一般 700円、中高生 400円、小学生 150円 |
| 定休日 | 無休 |
| 問い合わせ | 075-744-2531 |
| アクセス | 京都バス大原バス停下車 約10分 |
| 住所 | 京都市左京区大原来迎院町540【MAP】 |
| URL | https://www.sanzenin.or.jp/ |
【宝泉院】額縁庭園で見る、忘れられない紅葉体験

「三千院」を出て、御殿門から門前参道を右手に約3分進むと「宝泉院(ほうせんいん)」という約800年前に始まる小さな寺院があります。
門前参道から赤い橋を越えて「宝泉院」の中まで続く紅葉のトンネルは、まさに絶景。きりりと澄んだ空気に映える鮮やかなアーチは特別感満載です。
山門をくぐると、宝泉院のシンボルである樹齢700年の「五葉の松」が迎えてくれます。どっしりと力強い枝を伸ばす姿は圧倒的存在感。
「宝泉院」で最も有名な紅葉の名所は、客殿の西に位置する「盤桓園(ばんかんえん)」と称される額縁庭園です。その名の通り、柱と柱の空間を額に見立てて庭を観賞します。
正面からは五葉の松、もう一方からは竹林・紅葉と、ふたつの違った眺めを満喫することができます。

また、手水鉢の近くには水琴窟(すいきんくつ)という日本庭園の音響装置が施されていて、竹筒からは琴を弾いたような音が響いてきます。しかも宝泉院の水琴窟は珍しい二連式。客殿でお抹茶とお菓子をいただきながら、昔の人も癒された音色と大原の自然が作り出す景色を、心ゆくまで堪能してみてはいかがでしょう。「盤桓=立ち去りがたい」という意味が込められた庭園にふさわしく、時間を忘れて自己と向き合えることでしょう。
| スポット名 | 宝泉院 |
| 拝観時間 | 9:00~17:00(受付は~16:30) |
| 拝観料(茶菓付) | 大人900円、中高生800円、小学生700円 |
| 定休日 | 無休(1月3日は要問い合わせ) |
| 問い合わせ | 075-744-2409 |
| アクセス | 京都バス大原バス停下車 約15分 |
| 住所 | 京都市左京区大原勝林院町187番地【MAP】 |
| URL | http://www.hosenin.net/ |
【一陽舎】絶景ロケーションを前にいただく大原野菜

そろそろお腹が空いてくる時間です。「三千院」の参道を下りつつ、大原バス停方面に徒歩で戻ること約6分。お店の看板を頼りに参道から少しそれた坂道を上っていくと、山と畑に囲まれたカフェ「一陽舎(いちようしゃ)」が姿を現します。元々は漬物倉庫だった場所を改修したというお店では、大原の人々が大切に守り繋いできた赤紫蘇や、こだわりの野菜をいただくことができます。

木造の店内はあたたかで開放的な雰囲気。大きな窓からたっぷりと採光されるカウンター席に座ると、眼前には里山の豊かな自然が広がります。
カウンター席も最高ですが、おすすめは外のテラス席。ウッドデッキに設けられた席から見るパノラマビューは、里山の懐に抱かれているようで胸にじんとくるものがあります。春は山桜と菜の花畑、夏は紫蘇畑、秋は紅葉、冬はゆずの木立と、季節によって表情を変える景色の中で、五感をフルに使って旬の食材を生かした料理に舌鼓を打ちましょう。

ランチメニューは2種類が用意されています。ひとつめは「一陽舎カレー」1,900円(単品)。トマトとタマネギをベースに10種類以上のスパイスをブレンドしたこだわりの自家製カレーで、ひと口食べるごとに香るスパイスと程良い辛さがクセになります。

もうひとつは「お野菜のせいろ蒸し 若鶏の西京焼き膳」2,200円(単品)。大原産を中心に、ヒノキの和せいろで蒸しあげた季節の野菜を、ゆずぽん酢またはごまダレでいただきます。西京味噌の特製だれで漬け込み焼いた若鶏、鰹節に数種類をブレンドした一番出汁のお茶漬けも絶品。鼻腔をかすめるヒノキのほのかな香り、素材の味をそのまま感じる色鮮やかな野菜たち、そして雄大な里山ビュー。大原に来てこそ体験できる、特別な瞬間です。
なお、ランチは売り切れ次第営業終了。11月は平日のみ予約可能。1カ月前からInstagramのDMと電話で受付中とのこと。
| スポット名 | 一陽舎 |
| 営業時間 | 11:30~17:00(LO16:30) |
| 定休日 | 水曜 |
| 問い合わせ | 075-746-6588 |
| アクセス | 京都バス大原バス停下車 約5分 |
| 住所 | 京都市左京区大原来迎院町337【MAP】 |
| URL | https://ichiyosha.base.shop/ |
【コーヒースタンド聖】おでかけの締めにこだわりのコーヒーを一杯

里山での紅葉巡りもいよいよ終盤。大原バス停からバスに乗って帰る前に、三千院参道の入口にある「コーヒースタンド聖(ひじり)」に寄って、食後のコーヒーでホッとひと息。
店主の名前にちなんで付けられたというこのお店は、テイクアウト専門のコーヒースタンド。大原バス停と三千院のすぐそばという最高のロケーションと、誰でもウェルカムな雰囲気の開放的な店構え。これは寄らずにはいられません。

目の前で淹れてくれるこだわりのオリジナルブレンドコーヒーや、月替わりの厳選スペシャリティコーヒーは香ばしくておいしいと評判(ドリップコーヒーは500円〜)。ほかには、大原の赤紫蘇を使用したクリームソーダやジュース、ハーブティー、嵯峨鳥居本店でも人気の京抹茶を使ったラテやビールまで、店主の地元愛があふれたメニューがそろいます。

さらにクッキーやケーキなどのオリジナルスイーツ、ホットサンドも用意。特に「辻しば漬本舗」のしば漬けを使った「シバヅケーキ」450円は甘塩っぱく、不思議とクセになる味わい。しかも、片手で食べ歩きできるスティックタイプでの提供! これは何気に嬉しいですね。
大原歩きの始まりにも最後にもフィットする「コーヒースタンド聖」に、気軽に立ち寄ってみてください。
| スポット名 | コーヒースタンド聖 京都大原店 |
| 営業時間 | 9:00~16:00 |
| 定休日 | 無休(冬季のみ水曜休) |
| 問い合わせ | 075-744-3939 |
| アクセス | 京都バス大原バス停下車 約2分 |
| 住所 | 京都市左京区大原来迎院町387-2【MAP】 |
| URL | https://www.coffee-hijiri.com |
紅葉シーズンは、早起きして早朝の里山を訪ねるのもおすすめ

京都・大原で紅葉絶景に出合う半日コースはいかがでしたか?ちょっと早起きして、朝の里山の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、歴史ある寺院と紅葉をゆっくり堪能し、大原の特産グルメを買ったり味わったりできるコースです。ぜひ大原の秋ならではの魅力を体験しに出かけてみてくださいね。
supported by:とっておきの京都プロジェクト(京都市観光協会)
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