くらし心地の良い街。京都・大山崎のスペシャリティコーヒー専門店・大山崎COFFEE ROASTERS

京都と大阪の郊外に位置し、京都府と大阪府の境目にもあたる大山崎。ここに中村佳太さん、中村まゆみさんご夫妻が営むスペシャリティコーヒー豆の専門店・大山崎COFFEE ROASTERSがある。

大山崎の自然と風土に魅力を感じ、職住を構えていた関東からこの地へ移住、当初はネットショップでの通販のみだったが、2014年には店舗もかまえた。

お店で豆を買って帰った人が、どんな淹れ方で飲んでもおいしいようにというのが大山崎COFFEE ROASTERSの焙煎の極意。

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自分たちの手でおいしい豆を届けたい

ロースターを始める少し前まで全く違った仕事についておられたお二人、コーヒーと出合ったきっかけは意外にも、結婚を機に購入されたコーヒーマシーンだったそう。

マシーンを使って頻繁にコーヒーを飲むようになると、「コーヒーってこんなに美味しかったんだ」「もっとコーヒーを知りたい、楽しみたい」との思いがムクムクと湧いてきた。

その頃、東京はちょうどコーヒーのいわゆる「サードウェーブ」が盛り上がり始めていた時、時勢に沿うように街のコーヒー専門店を巡るようになり、新しい趣味としてコーヒーのワークショップにも通うように。

こうして、スペシャリティコーヒーの世界に魅せられ、どっぷりはまってしまったというお二人。

次は、自分たちの手でおいしい豆を届けたいと大山崎の地を選び、店を構えることに。

全てがちょうどいい。大山崎の街の雰囲気に引き付けられて

もし大山崎COFFEE ROASTERSが京都や大阪の街中にあったならと、勝手な想像を巡らせると、繁華街で話題のスペシャリティコーヒーの店として人気を集め、今よりももっといろいろな所で、頻繁に目にする機会が多かったはず。

店舗名にも地名をいれるほど、大山崎を気に入ったというその理由をたずねてみた。

山々が近くに感じられる大山崎の様子

佳太さんは

「電車に乗ればすぐに街中にいけるのに、大山崎はちょっと目を上げれば山が見えて、毎日の生活の中にいつも自然を感じられる」

さらには「生活に必要なものは全てそろっているし、街の規模や人との距離感もちょうどいい。いろいろなところを見ましたが、この条件が全てそろう地域って意外にない」と。

まゆみさんは「京都から電車に乗って、大阪へ行く時に大山崎を通ると、美術館があるなあ。そう思って窓の外を見ていたのは覚えています」

「思い返せば私の心にはずっと大山崎は存在していたんですね。各地を見て回りましたが、なかなか理想の場所がない。引っ越しの期限に追われ、最後の候補地として浮かんだのが大山崎でした」と。

期せずして巡り合った土地・大山崎で週に2日間だけオープンする専門店には、高槻市や枚方市、長岡京市や向日市など近隣から来店する人も多い。

その一方で、ご近所さんがふらっと来て、おしゃべりを楽しみ、数日分の豆を買っていくという風景も日常。

個性的かつ気鋭のロースターでありながら、軸足はしっかりと地域に置き、おいしいコーヒーを広めている。硬軟、両方の顔をもつ専門店の姿がとても魅力的に映る。

淹れ方は人それぞれ。どんな淹れ方でもおいしい焙煎の追究

大山崎コーヒーロースターのメニュー表

大山崎COFFEE ROASTERSで販売されている豆はカウンターに置かれたメニューにある12種が基本。

苦み、酸味、マイルドな味わい、スッキリ、フルーティーなど、どんな好みにも合わせられるよう構成されている。値段も100g・600~1,000円と手ごろ。

鮮度を保つために、焙煎後3日以内の豆のみを販売し、店舗で挽き売りもしていない。

豆ごとに違う特徴や、その豆でしか味わえないおいしさを知ってほしいから、産地も栽培方法もできるだけ色々なものが揃うように心がけている。

大山崎コーヒーロースターの焙煎機

そして、豆を持ち帰った人がどのような形でコーヒーを淹れるか自分たちには分からないから、完全熱風式で一般的な焙煎時間10分を、3倍の約30分と設定している。

完全熱風式焙煎は煎りムラが少なく、豆が大きく膨らむという特徴があるが、さらに時間を延ばすことで、豆のおいしさや特徴が中に凝縮され、コーヒーを淹れた時にその味わいが引き立つ。

季節によって人気商品が変わるのもおもしろい

どんな豆が人気ですか?とたずねてみたところ、季節で人気商品が変化するとの答えが。

例えば、いつも2種類の豆を買って帰っていたお客さんが、季節の変わり目に「こっちがおいしく感じる」と1種類だけ買って帰るようになったことも。暑さや寒さ、季節によって、お二人も想像していなかった商品の動きがあるそう。

豆の持ち味を最大限に生かす焙煎、おいしく味わってもらうことを一番大切に

大山崎COFFEE ROASTERSでは、多くのコーヒー専門店で見るブレンド豆の販売もしていない。

佳太さんいわく「オリジナルの味をつくれる利点があることは分かっているのですが、ブレンドを作るということは、コーヒー豆やコーヒーの味わいについて、自分はこれがベストだと答えを出すことです」

「それよりも今は、豆の持ち味を最大限に生かす焙煎をする、そしておいしく味わってもらえることを大切にしたい」と。

淹れる人によって変わる“ゆらぎ”を技術でカバー

自宅で飲む時においしくなるよう焦点をあてて、焙煎をしてもらえるコーヒー豆専門店はありそうでない。

豆を買った人が、自宅でコーヒーを淹れる方法はそれぞれ。湯の温度も違えば、豆を挽く粗さも違う。その違いの幅“ゆらぎ”を焙煎技術で埋めていくのは並大抵のことではないと感じる。

そしてこんなスペシャリティコーヒー豆専門店が近くにある大山崎の人たちが心底うらやましい…。

大山崎COFFEE ROASTERSの味をギフトで贈ろう

最近、贈り物にスペシャリティコーヒーを利用する人も多い。大山崎COFFEE ROASTERSさんのギフトもとっても素敵。

大山崎コーヒーロースターのギフト

包装は、風合いのある色をした布地をザックリとカットした風呂敷に、赤白の細い紐が結ばれる。

大山崎コーヒーロースターのギフト・タケ

選べるギフトの種類は、マツ(コーヒー豆4種×200g)、タケ(コーヒー豆2種×300g)、ウメ(コーヒー豆4種×100g)、オウギ(コーヒー豆2種×150gとコーヒーミル)の4種。

今回は、浅煎りで楽しめる「ルワンダのバフコーヒー」「ブルンジ ブジラ ウォッシングステーション」の2種をたっぷり300gで購入できる「タケ」を選択。

写真では少し分かりにくいが、豆の入った袋には全て「Taste Note」と味に関する記述が。

この日購入したルワンダのバフコーヒーの袋には「グリーンアップル」と書いてあり、これなら受け取った方もさわやかな味わいのコーヒーであることがイメージしやすくて分かりやすい。

人気のビオマルシェでも大山崎COFFEE ROASTERSのスペシャリティコーヒーが買える

山﨑ビオマルシェの案内状

毎週土曜日に、大山崎ふるさとセンターで開催の「山﨑ビオマルシェ」でも大山崎COFFEE ROASTERSの豆を買うことができる。

8:30~9:30の開催時間に向かって、早起きしておいしいコーヒー豆を買いに行く週末も楽しいもの。

最後に

元々は不動産屋だったという建物の外観はそのまま、内観に手を加えて店舗としている大山崎COFFEE ROASTERSさん。赤レンガの壁に大きな窓をはめ込んだおしゃれな外観も目を引きます。

大山崎コーヒーロースターの外観

扉をあけて中に入ると、目の前には岩が。お店のインテリアのテーマは「洞窟」ということで、どうしても岩を置きたいというまゆみさんの希望だったそうです。

先史時代の壁画で有名なラスコーの洞窟のようなイメージにしたいと建築士の方にオーダーされ、土や藁など自然の素材を感じさせる壁のテクスチャ、そしてゆっくりと流れる大山崎の空気にぴったりと寄り添うかのように馴染んでいました。

スポット名 大山崎COFFEE ROASTERS
時間10:00~15:00
定休日月・火・水と金・日曜
問い合わせ075-925-6856
アクセス阪急大山崎駅、JR山﨑駅から約10分
住所乙訓郡大山崎町大山崎尻江56-1【MAP
URL https://oyamazakicoffee.com/

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