陸・海・空を乗り物で巡る 乗り物が主役の阪急沿線 観光案内【TOKK2023年10月号】

乗り物でのお出かけは、移動時間も楽しい思い出。
いつもの風景もまた違って見える。沿線の陸・海・空の新たな魅力に出合いに行こう。

陸路を巡る

【京都】渓谷美を堪能する特別な列車の旅「嵯峨野トロッコ列車」

「嵯峨野トロッコ列車」は、トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの約7.3kmを、保津川渓谷沿いに走行する観光列車。元々はJRの使われなくなった線路を活用するために、1991年に開業した。車両はかつて貨物列車として利用されていた「DE10」というディーゼル機関車で、今ではこの車両が現役で走っていること自体が非常に珍しいのだという。

一番の見どころは、保津峡の雄大な渓谷美。列車の走行エリアは、桜や紅葉の名所としても有名だが、木々の生命力を感じる緑の時期も絶景。時に穏やか、時に荒々しい保津川の水面を眺めるのもおもしろい。

リッチ号(5号車)のみ窓ガラスのないオープン車両になっており、人気のため座席が早々に売り切れることもあるそう。予約はお早めに。

片道約25分のため、嵐山観光の合間に乗車するにもぴったり。レトロなトロッコ列車に乗り、自然の壮大なスケール感を味わいたい。

嵯峨野トロッコ列車オリジナルキーホルダー(切符)560円
料金片道大人880円、小人440円(全席指定)
運行スケジュールはホームページを確認
運休日不定休
問い合わせ075-861-7444(自動音声案内)

【トロッコ嵯峨駅】

アクセス阪急嵐山駅下車 約20分
場所京都市右京区嵯峨天竜寺車道町【MAP
備考予約可能、当日券あり。乗車券の詳細はホームページを確認
URLwww.sagano-kanko.co.jp

【大阪】自然のなかを走るロードトレイン「万博記念公園 森のトレイン」

万博記念公園の自然文化園エリアを走る「森のトレイン」。洋風でレトロな車両デザインは、1880年にアメリカから日本に輸入された蒸気機関車「弁慶号」がモチーフ。園内の移動手段として利用されているほか、徒歩で巡るよりも広いエリアを短時間で周遊できると人気。

乗り物好きな子どもはもちろん、「万博記念公園には何度も来ているが、いつもと違うエリアを巡ることができて新鮮」と大人からも人気。

車窓から木々の向こうに太陽の塔が見えたり、モミジのトンネルをくぐり抜けたりと眺望ポイントが多数ある。車掌さんによる詳しいガイド付きで、一周約30分の道のりもあっという間。

もみじ川の上流にはもみじの滝もあり紅葉シーズンの絶景ポイント。

車内に流れる森のトレインオリジナルテーマソング「はぴはぴ・とれいん」も、明るいナンバーで楽しい気分を盛り上げてくれる。

森のトレインテーマソング「はぴはぴ・とれいん」CD 500円

穴場の眺望スポットにも巡り合える名物トレインに、ぜひご乗車を。

料金3歳以上350円
運行スケジュール 万博公園中央口乗り場発9:50~16:25
※運行は1時間に1~2本。
運休日9月は平日休、10・11月は無休
問い合わせ080-8506-8636(クレイズ トレイン事務所)

【万博公園中央口乗り場】

アクセス阪急南茨木・蛍池・山田各駅→大阪モノレール・万博記念公園駅下車すぐ
場所吹田市千里万博公園10-13【MAP
備考予約不要。当日支払い。
「万博記念公園」の開園時間や休園日などの詳細は下記ホームページを要確認。
URLwww.expo70-park.jp

水路を巡る

【神戸】豪華絢爛な船で神戸港の景色を楽しむ「御座船安宅丸(ござぶねあたけまる)」

神戸港でひときわ目を引くのが「御座船安宅丸」。定員500名の大型遊覧船で、江戸幕府3代将軍・徳川家光の命により造船されたと伝わる、かつて実在した巨船「安宅丸」をモチーフにつくられた。2017年には、著名なデザイナー・水戸岡鋭治がデザインのリニューアルを手がけたことでも話題に。船内には温かみのある木がふんだんに使用され、古今東西の様式を組み合わせた華やかで品格のあるデザインが印象的だ。

神戸港内の定番人気コースを一周、所要時間は約45分。見晴らしが良い時には淡路島や明石海峡大橋が見えることも。船内にはプライベート空間なボックス席もある。

クルーズでは、神戸ハーバーランドをはじめ、川崎重工の造船・修理施設、ポートアイランド、神戸大橋など神戸港らしい景色に次々と出合える。船内アナウンスによる解説を楽しめるほか、屋根や窓のない開放的なオープンスペースもおすすめ。当日券も販売されているので、気軽にクルーズを楽しんでみて。

御船印300円
料金大人1,500円、中高生1,300円、小人800円
運航スケジュール10:15~12:15、14:15~16:15
※運行は1時間に1本。
運休日不定休
※運行日時はホームページを要確認。
問い合わせ078-360-0039

【中突堤中央ターミナル乗り場】

アクセス阪急花隈駅下車 約12分
住所神戸市中央区波止場町7-1【MAP
備考当日券あり。乗船券購入はホームページまたは中突堤中央ターミナル窓口にて
URLkobebayc.co.jp

【大阪】大阪の都心を舟で優雅にクルーズ「御舟かもめ」

「御舟かもめ」のコンセプトは“川に浮かぶ小さなおうち”。熊本天草で真珠の養殖作業に使われていたという舟で、水上をゆったりと進む癒やしの旅路だ。

「朝ごはんクルーズ」では、朝食を味わいながら緑豊かな桜ノ宮、大阪城、大阪市中央公会堂などの近代建築、橋などを巡る。

大阪枚方の「農園杉・五兵衛」から直送される朝ごはんは、旬の食材を使用しているため内容は日替わり。

船長の中野さんは「舟には椅子ではなくクッションを置いているので、周りの風景を見渡しながらお楽しみください。普段よく目にしているものを違う角度から眺められると、関西になじみ深い方にも好評です」と話す。

また、「水上を土木作業用の重機や砂糖を運ぶ作業船が行き交うのも大阪の大川らしい光景。”生きている水路“を巡れるのも魅力です」とのこと。さりげなく披露される船長のガイドとともに、心地よいひと時を過ごそう。

注染手ぬぐい「おおさかのかわ」1,700円
料金・日時料金、開催日時はイベントにより異なる
運航スケジュール乗り合いクルーズは土・日曜・祝日のみ開催。平日は基本的に貸切クルーズを開催。
問い合わせ06-7175-4200

【八軒家浜船着場】

アクセス阪急大阪梅田駅→地下鉄・天満橋駅下車すぐ
住所大阪市中央区天満橋京町1-1【MAP
備考要予約。乗船券購入はホームページまたは電話にて
URLwww.ofune-camome.net

空中を巡る

【大阪】空に浮かぶようなドラマチック体験を「梅田スカイビル 空中庭園展望台 空中エスカレーター」

1993年に誕生した「梅田スカイビル」。建物外壁のハーフミラーガラスには時折空や雲が映り込み、地上173mの「空中庭園」(二棟の建物をつなぐ上空の連結部分)はまるで空に浮かんでいるかのよう。その建築美もさることながら、「空中庭園」の部分は地上で組み立て、ワイヤーで毎分35cmずつ吊り上げるリフトアップ工法が採用され、当時世界初の試みとして話題を呼んだ。

中央の大きな孔(あな)は”宇宙船が飛び立っていった痕跡“をイメージしてデザインされたという興味深い話もある。壁面がシースルーになっている不思議な「空中エスカレーター」で向かった先にあるのは、360度を見渡せる「空中庭園展望台」。大阪港に日が沈む夕景や煌(きら)めく夜景など、刻々と変化する景色はどの時間帯も格別。時間を変えて再訪するのもおすすめだ。

梅田スカイビル カプセルフィギュア全4種各400円
※時期により売り切れの場合あり。 ※種類はランダム。
料金空中庭園展望台は大人1,500円、小人700円
時間9:30~22:30(最終入場22:00)
定休日無休
問い合わせ06-6440-3855
アクセス阪急大阪梅田駅下車 約9分
住所大阪市北区大淀中1-1-88【MAP
備考予約可能、当日券あり。入場券購入はホームページまたは39階レセプションカウンターにて
URLhttps://www.skybldg.co.jp/observatory/

【能勢電車】緑に囲まれてのんびり空中散歩「妙見の森ケーブル・リフト」

ケーブルカーやリフトを楽しめる妙見の森施設が、営業終了することが発表された。「妙見の森ケーブル」は、1925年に開業した「妙見鋼索鉄道」がルーツ。戦争により一時営業を停止したものの、1960年に再開して以来、妙見山の参拝者やハイカーなど多くの人から愛されてきた。

妙見の森ケーブルの車両は、1960年に営業を再開した当時のもの。ノスタルジックな雰囲気も長年愛されてきた理由だろう。山上にはバーベキューを楽しめる「妙見の森バーベキューテラス」や眼前に絶景が広がる「山上の足湯」などがある。

ケーブルカーとしては珍しく※標準軌を使用しているため、車内は広々。手動開閉式の扉が現役で使われているのも珍しい。山上に向かって急勾配をまっすぐに延びる線路や、上りと下りそれぞれのケーブルカーがすれ違う瞬間は迫力満点だ。

「妙見の森リフト」では、約12分の空中散歩に癒やされる。能勢電鉄の西島さんによると「リフトからは四季折々の自然を楽しめるほか、たまに鹿に遭遇することもあるんですよ」。営業終了の時期については能勢電鉄ホームページにて確認を。冬季休業もあるため、今を逃さず訪れたい。

※標準軌…鉄道線路の軌間(2本のレールの間隔)が1,435㎜のもの。新幹線などに採用されている。

ミニミニ方向幕シリーズ 反転フラップ式風パタぱた 2,900円
料金【妙見の森ケーブル】片道大人400円、小児200円
【妙見の森リフト】片道大人400円、小児200円
時間【妙見の森ケーブル】 10:00~17:00(11・12月は~16:30)※土・日曜・祝日は延長あり。
【妙見の森リフト】 10:10~16:20(11・12月は~15:50)※土・日曜・祝日は延長あり。
運休日【 妙見の森ケーブル・妙見の森リフト】 水・木曜運休(祝日を除く)
問い合わせ072-738-2392(妙見の森ケーブル山上駅/10:00~16:00)
072-792-7716(能勢電鉄 営業課/9:30~17:00)

【ケーブル黒川駅】

アクセス阪急川西能勢口駅→能勢電車・妙見口駅下車約25分
住所川西市黒川針田【MAP
備考予約不要。当日支払い
※山上施設は要予約の場合あり。各施設のホームページにて確認。
URLhttps://noseden.hankyu.co.jp/guide/mountain/

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