クリスマスケーキの歴史とは?クリスマスを彩るお菓子の秘密【TOKK2022年12月号】

日本でクリスマスに食べるスイーツといえば、いちごのケーキ。 クリスマスにケーキを食べる文化を広めた洋菓子の「不二家」 の変遷から、世界各国のクリスマスケーキまでご紹介。奥深く甘美な、クリスマスケーキの世界をご案内します。

日本で独自に進化したクリスマスケーキの歴史

クリスマスにケーキを食べる文化を広めた「不二家」

クリスマスにイチゴのケーキを食べて過ごすというおなじみの習慣は、実は欧米とは異なる日本独自の文化。その歴史は明治時代まで遡(さかのぼ)る。

今や万人に愛される洋菓子の有名店「不二家」では、横浜で創業した1910年からクリスマスケーキを販売。

創業時の横浜・元町通り。写真右上に「FUJIYA」の看板がある。©新関コレクション

「当時は世の中に洋菓子がほとんど普及しておらず、全国でもかなり早い段階から販売していたと考えられます」と広報の橋本さんは話す。

【話を伺ったのはこの方】不二家 広報室 橋本慎也さん

当時のクリスマスケーキは、フルーツケーキに煮つめた砂糖と水で作るフォンダンクリームのグラス(糖衣)を塗り、銀玉を飾り付けたシンプルなものだった。1921年頃には、デコレーションケーキなどが人気となり、非常に慌ただしいクリスマスだったのだそう。翌年開業した2号店は、外国人が主な客層だった創業店に対し、客層がほぼ日本人に。この頃から「不二家」の洋菓子は大衆にも受け入れられ始めた。

不二家の変遷

【1910年】
藤井林右衛門が横浜市に「元町店」を開店。
12月にクリスマスケーキ発売

1910年の「クリスマスケーキ」(復元)

土台は、レーズンなどのドライフルーツと洋酒がたっぷりの生地をオーブンで蒸し焼きにしたプラムケーキだった。

【1922年】
創業者が考案したショートケーキを発売。
2号店「伊勢佐木町店」でシュークリームが大ヒット

【1931年】
関西1号店の「心斎橋店」開店(現在は閉店)

【1934年】
京都1号店の「京都四条店」開店(現在は閉店)

【1952年】
クリスマスセール開催

たくさんのクリスマスケーキが並ぶ、1959年頃の「銀座6丁目店」の様子(現在は閉店)。

【1965年頃】
「クリスマスケーキ」
華やかにデコレーションされた2段の豪華なケーキ。上には不二家のキャラクター「ペコちゃん」のかわいいプレートが!

【1967年】
「クリスマスケーキ」
今や大定番のイチゴと生クリームのショートケーキが人気に。バタークリームのケーキもあった。

【1991年】
クリスマスケーキ予約特典でクリスマスプレートのプレゼント開始

【1993年】
「クリスマススペシャルショートケーキ」
サイズ展開が増え、チョコレートなど味のバリエーションも豊富に。

【2022年】今年の不二家のクリスマスケーキはこれ!

「ショートケーキ12の物語“ショートケーキには、100年ぶんの笑顔がある。”」4,700円

クリームの甘さやコク、スポンジの食感、イチゴの数など細部までこだわり尽くした次の100年に向けたショートケーキ。

【予約】2022年12月16日までに受取希望の店頭にて ※予約時に支払い。
【受取日】12月17~25日に店頭にて
【予約なし分の当日販売】12月17~25日 ※店舗により異なる。各店舗に要確認。

「クリスマスプレミアムチョコ生ケーキ」4,300円

香り高いフレーバービーンズのカカオマスを使用し、ビターな味わいに。

【予約】12月16日までに受取希望の店頭にて ※予約時に支払い。
【受取日】12月1~25日に店頭にて
【予約なし分の当日販売】12月1~25日 ※店舗により異なる。各店舗に要確認。

※全国の不二家洋菓子店、一部の不二家レストランで販売。
※地域・店舗により取り扱いのない商品や、販売時期・価格が異なる商品あり。

阪急沿線の主な「不二家」店舗

京都・大阪・兵庫と、阪急沿線に 15軒以上も点在する不二家。主な店舗の情報はこちら。

四条大宮店

時間10:00~20:00
定休日不定休
問い合わせ075-823-6388
アクセス阪急大宮駅下車すぐ
住所京都市下京区立中町478【MAP

石橋店

時間10:00~21:00
定休日不定休
問い合わせ072-761-1469
アクセス阪急石橋阪大前駅下車すぐ
住所池田市石橋1-11-17【MAP

※クリスマスシーズン、年末年始の営業時間・定休日などは変更の場合あり。各店舗に要確認。

世界各国のクリスマスケーキ

【ドイツ】シュトレン

近年、知名度の高まるドイツの伝統パン菓子・シュトレン。粉糖が掛かった楕円形の生地は、おくるみに包まれた幼いキリストの姿を模しているとされ、ドイツでは毎日一切れずつ食べながらクリスマスを楽しみに待つ文化が根付いているそう。

「KÖLN(ケルン)」の 「Land mark」 。表面のバニラシュガーの風味が良く、コーヒーと好相性。

神戸で50年近くも前からこのシュトレンを販売するのが、老舗(しにせ)ベーカリー「KÖLN(ケルン)」。同店で修行していたドイツ人マイスターのレシピを受け継ぐトラディショナルな味わいだ。洋酒に約2カ月漬けたレーズンやオレンジピール、レモンピールを小麦粉に対し60%以上、バターは30%以上、さらにアーモンド、クルミを贅沢(ぜいたく)に使用する。

【話を伺ったのはこの方】代表取締役 壷井 豪さん

「年代問わず日本人に合う味へと何十回と改良しましたが、ベース配合は本場・ドイツに則しています」と代表の壷井さんは言う。店頭に並ぶのは焼き上げから3週間以上経ち、バターが染み渡って円熟したもの。「冷蔵保存から常温に戻して食べると、ほどけるような食感と芳醇(ほうじゅん)な香りが楽しめます」。ドイツの文化に思いを馳(は)せながら、伝統のシュトレンをご賞味あれ。

商品名・価格「Land mark」1本3,024円、スライス1枚237円
予約不可
販売日2022年12月下旬まで各店頭・宅配サイトにて販売中(売り切れ次第終了) ※スライスは店頭販売のみ。
備考ビターな「Caramel Stollen(キャラメル シュトレン)」1本3,240円も販売。
店舗名KÖLN(ケルン) 御影本店
時間9:00~20:30(土・日曜・祝日は~20:00)
定休日無休 ※12月31日~2023年1月3日は休。
問い合わせ078-851-7651
アクセス阪急御影駅下車 約14分、または阪急大阪梅田・今津・神戸三宮各駅→阪神・御影駅下車すぐ
住所神戸市東灘区御影中町1-6-8【MAP
URLkobe-koln.jp

【フランス】ブッシュドノエル

クリスマスになると登場する愛らしい丸太形のケーキは、フランス語で”クリスマスの薪“という意味。由来はキリストの誕生を祝い、一晩中薪をくべたから、クリスマスに燃やした薪の灰が厄除けになるからなど、諸説あるそう。

「五感のブッシュドノエル」3,672円
切り株に付き物のキノコは、姉妹店「カカオティエゴカン」による本格ボンボンショコラ。

北浜のレトロビルで営む有名洋菓子店「五感」では、口溶けの良いチョコスポンジでチョコレートバタークリームをロールした、正統派ブッシュドノエルが年々人気に。「バタークリームは特に定評があり、北海道産バターを使ったリッチな配合で、くどさはなし。少し塩味を利かせたキレのある甘みで、カカオ感が堪能できます」と小柴シェフ。

【話を伺ったのはこの方】シェフ 小柴 学さん

かわいらしい定番のキノコの装飾などであえてクラシックに仕上げたビジュアルにも、”日本の洋菓子店“がテーマの同店らしい温かみがあふれる。クリスマスだけの特別感たっぷりのケーキは、アルコール不使用なので、家族皆で分け合いたい。

商品名・価格 「五感のブッシュドノエル」3,672円
予約2022年12月19日までに受取希望の店頭にて(売り切れ次第終了) ※予約時に支払い。※百貨店店舗は各百貨店に準ずる。
受取日12月21~25日に予約店にて
備考【予約なしの当日販売】12月21~25日(売り切れ次第終了)
店舗名五感 北浜本館
時間10:00~19:00(2階サロンは閉店の1時間前LO)
※12月23~25日はサロン営業なし。 ※12月31日は~18:00。
定休日無休 ※2023年1月1~3日は休。
問い合わせ06-4706-5160
アクセス阪急大阪梅田・天神橋筋六丁目各駅→地下鉄・北浜駅下車すぐ
住所大阪市中央区今橋2-1-1【MAP
URLhttps://www.patisserie-gokan.co.jp/

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