大阪歴史博物館で「おおさか街あるきーキタ・ミナミー」開催!約100点の資料から大阪の街の魅力に迫る

歴史が隣り合い、積み重なることによって生まれた現代の大阪の街。そんな大阪の街を見つめなおし、その魅力に迫る展示「おおさか街あるき―キタ・ミナミ―」が大阪歴史博物館で開催される。大阪を代表する繁華街であるキタとミナミにあるスポットの由来を知り、“過去”と“今”をつなぐ小旅行に出かけてみては。

「おおさか街あるきーキタ・ミナミー」

大阪城公園と難波宮跡公園に隣接する大阪歴史博物館は、「都市おおさか」の歴史を紹介する博物館として2001年に開館した。今回の展示「おおさか街あるきーキタ・ミナミー」では、大阪を代表する繁華街であるキタとミナミを取り上げ、街歩きをするかのように具体的なルートを示しながら、それぞれの場所にまつわる館蔵資料や関連資料約100点を通じて街の魅力に迫る。

注目の展示内容の一部をご紹介

阪急百貨店旧大阪うめだ本店の外装タイル

日本で最初のターミナルデパートとして昭和4年(1929)に創業した阪急百貨店は、都市開発の著しい駅前にありながら創業以来の場所で営業を続ける、大阪駅前を代表する建物のひとつ。竣工当時の外壁は表面に若干の凹凸がある濃茶褐色のタイルで覆われていたが、9期にわたる増築中、第3期(1932)の改装工事以降は平滑なクリーム色となった。

阪急百貨店旧大阪うめだ本店の外装タイル 昭和4年(1929)・昭和7年(1932) 大阪歴史博物館蔵

佐賀藩蔵屋敷絵図

堂島川にかかる水晶橋を北に渡ってすぐの場所には、かつて佐賀藩(鍋島家)の蔵屋敷があった。江戸時代初頭から堂島川北岸にあったこの蔵屋敷は、敷地約4200坪に及ぶ最大規模の蔵屋敷のひとつ。絵図を見ると、敷地内には船入(ふないり)が設けられ、南側の水色で彩色された部分には米蔵、そして米の入札と米切手発行を行う会所が併設されていたことがわかる。現在は大阪高等裁判所の敷地内であり、船入の一区画は平成2年(1990)に発掘調査が行われた。

佐賀藩蔵屋敷絵図 元禄5年(1692) 日本生命保険相互会社蔵【大阪市指定文化財】

浪華の花櫓(はなやぐら)

戎橋(えびすばし)と太左衛門橋の間の道頓堀南岸を描く江戸時代の一枚刷り。「中の芝居」の裏には法善寺が、「角の芝居」の遠景には高津宮(高津神社)が見える。芝居茶屋の店名まで詳細に記しているのが特徴だ。現在では「とんぼりリバーウォーク」になっており、川べりの地面が低いのは、傾斜を活かして階段状の雁木(がんぎ)を設けるなどして船をつけ、出入りをしていた名残である。

浪華の花櫓 江戸時代 大阪歴史博物館蔵

安井家由緒書

江戸時代に南組惣年寄を務めた安井家は、道頓堀開削に携わった。この安井家由緒書は町奉行所に提出されたものであり、安井家が道頓堀を開発し、川沿いを支配しているということが書かれている。

安井家由緒書 寛文10年(1670) 大阪歴史博物館蔵【大阪市指定文化財】

昭和45年(1970)開催の大阪万博を前に、大阪市による河川敷の改修工事が行われたが、これに対し昭和40年に安井家の子孫が道頓堀河川敷の所有権確認を求め提訴した。この安井家由緒書は、いわゆる「道頓堀裁判」の証拠資料として提出されたことで広く知られるようになった。下部の付箋はその際に付されたもの。上大和橋から川沿いを西に歩くことで、係争の跡地を感じることができる。

道頓堀中座(なかざ)の壁土

中座は、承応元年(1652)に塩屋九郎右衛門が開いた芝居小屋「中の芝居」を受け継ぐ由緒のある劇場であり、初世中村鴈治郎(がんじろう)らの活躍により栄えた。戦時中の空襲で焼失したが、戦後すぐに再建。これまで何度も建物を失った経験から鉄骨鉄筋コンクリートによる耐火構造となり、戦後の道頓堀の新たな名所となるも、平成11年(1999)に閉館・解体された。

道頓堀中座の壁土 昭和22年(1947) 大阪歴史博物館蔵

この壁片は、伝統的な劇場建築の近代化を象徴する一部といえる。現在、跡地に立つ中座くいだおれビルには、芝居の評判が上がるとされる「道頓堀狸(たぬき)」が祀られている。

関連行事:学芸員による解説や見学ツアーも!

本展示に関連する行事として、「展示室で街あるき(学芸員による展示解説)」「現地で街あるき(学芸員による見学ツアー)」を開催。詳細は後日、大阪歴史博物館HPで案内されるとのこと。ぜひ参加して大阪の街に対する理解を深めてみよう。

展示名特別企画展「おおさか街あるきーキタ・ミナミー」
会期2024年4月19日(金)~6月3日(月)
※火曜日休館、4月30日(火)は開館
時間9:30~17:00(入館は~16:30)
観覧料大人600円、高校生・大学生400円
※中学生以下・大阪市内在住の65歳以上(要証明証提示)の方、
 障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
アクセスOsaka Metro谷町四丁目駅下車 すぐ
住所大阪市中央区大手前4-1-32【MAP
問い合わせ先06-6946-5728
URLhttps://www.osakamushis.jp/

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