【本好き必見!】こども本の森 中之島は本の楽園!予約方法やアクセス、安藤忠雄建築まで
2021.02.09エンタメ
コンクリート打ちっぱなしの建物に、天井まで届く高さの本棚に囲まれた印象的な内観、青いリンゴのオブジェ…。
2020年7月、大阪の文化香るエリア・中之島に誕生したのが「こども本の森 中之島」です。ここは、子どもたちが多様な本や文化に触れられる場所として生まれた施設。
まだオープンまもなく、かつ予約なしでは入館できないこともあって「こども本の森 中之島」がどんなところなのか、興味はあるけどわからないという人も多いのでは。
この記事では、「こども本の森 中之島」がどんな施設か、またどんなことができるところで入館方法や予約方法などを司書資格も持つ編集部Rがご紹介します。
※店舗の定休日や営業時間などは予告なく変更される場合があります。お出かけの前に各店舗にご確認いただきますようお願いいたします。
目次
こども本の森 中之島ってどんな施設?
「こども本の森 中之島」は、2020年7月5日に大阪の中心部・中之島エリアにオープンした文化施設です。当初は2020年3月オープン予定でしたが、コロナ禍で延期となり7月待望のオープンとなりました。
誕生のきっかけは、世界的建築家で「こども本の森 中之島」の建物を設計・寄附した安藤忠雄さん。安藤さんは、「こども本の森 中之島」の発案から、市民や民間企業へ支援を募るなど完成まで尽力しました。大阪出身の安藤さんにとって、子ども図書館は長年の夢で、地元・大阪への恩返しという意味もあったようです。
「こども本の森 中之島」の外観は、安藤さんの代名詞ともいえるコンクリート打ちっぱなしの建物が特徴です。そんな都会的な外観に、ひと際目立つオブジェが「青いリンゴ」。これは米国の詩人でサムエル・ウルマン「青春」の一文「若さとは、年齢でなく心の持ちようだ」というメッセージに安藤さんが共感し、自身でデザインしたもの。丸くて大きくて青々しい青春が詰まったオブジェに、安藤さんの思いを感じてみて。
また「こども本の森 中之島」は、従来の図書館のイメージとは大きく異なります。3階を吹き抜けに、館内には階段がいくつも交差し、まるでエッシャーの絵のよう!壁全面を覆う本棚に囲まれた空間は、本好きにはたまらない空間です。
こんな建物自体が迷路のような造りの上に、太陽の光が差す大きな窓があったり、高さ12mもの高さの井戸のような休憩室など、明かりの緩急もある空間なんて、子どもだけでなく大人ももワクワクしてしまうのではないでしょうか。
こんな空間なら、本に興味のない子どもでも訪れてみたい!となりそうですね。
こども本の森 中之島へのアクセス方法
「こども本の森 中之島」は、大阪でも特別な場所・中之島にあります。中之島は堂島川と土佐堀川に囲まれた中州で、東西の長さは3km、面積は72.6ha(ヘクタール)ほど。
そんなに大きくない中之島ですが、大阪を代表するような施設がいくつもあります。大阪市役所に日本銀行という官公庁から、ホテルにホール、美術館、博物館、科学館まで。また、大阪市中央公会堂などレトロ建築も多く、中之島のすぐ南にある淀屋橋や北浜エリアとあわせて、建築好きに人気のエリアでもあります。
そんな中之島で一番東にあるのが「こども本の森 中之島」です。大阪市立東洋陶磁美術館と中之島バラ園に挟まれ、緑も多く、文化的な香りのするエリアにあります。
中之島は都心部のため電車の利便性は抜群。「こども本の森 中之島」の最寄り駅は、大阪メトロ北浜駅、淀屋橋駅または京阪電車なにわ橋駅、淀屋橋駅。
阪急大阪梅田駅からも約30分ほどにはなりますが、歩くことができます。平坦な道で大阪を代表する美しいエリアなので、お散歩がてら歩くのもおすすめですよ。
なお、「こども本の森 中之島」に駐車場はなく、中之島エリア全体でも駐車場はほとんどありませんので、車での来館はあまりおすすめできません。
どこで読んでもいい!? 閲覧場所はお気に召すまま
子どもたちが自由に本を読める工夫を凝らした「こども本の森 中之島」。ここでは、いわゆる机や椅子が整然と並んでいる図書館とは全く違います。
まず、椅子や机は「本の森」をイメージする木を使用した家具を設置、子どもが集中しやすい椅子が選ばれています。また「子どもの時から良い家具に触れる」を体現する意味もあるのだとか。なんともうらやましい話ですね。
また閲覧場所も独特です。どこでも本の閲覧が認められていて、見つけて手に取った本をその場で読むのもよし、どこかお気に入りのスペースへ移動して、館外の芝生の上に移動して読むのもよいのです(館外への持ち出しは1冊まで。持ち出しの際はスタッフに声をかけてから)。
実はわたしも図書館が大好きで、よくやってしまっていたのが、本棚から取り出して、そのまま本棚の前に座り込んで読んでしまっていたことでした(もちろん人の往来の少ない本棚の場合です)。そのため、このどこで読んでもいいという環境は本当に夢のよう!
この閲覧場所を固定しないことが、子どもたちに多様な本を手に取ってもらいやすく好奇心や想像力を育むのによいのだそう。
もちろん、これは子どもに限ったことではありません。読む環境によって本への印象は大きく変わります。大人もそのような読み方をすることで、世界観はぐっと広がりそう!
子どもへの配慮が随所に…
「こども本の森 中之島」館内の子どもへの配慮は、閲覧場所だけではありません。椅子や机の高さをエリアによって変えることで、感覚で違う本のジャンルなのだとわかるような、環境づくりを試みているのではないかと感じます。また、手が届かない高い場所の本には、表紙が見えるように展示して(下から5段より上の本は固定してあります)、手の届くところに閲覧用が置いてあったりなど、さまざまな配慮が施されています。
また本の一部分を取り出して、立体的に見せる「言葉の彫刻」は、言葉への考えを深め、本を選ぶきっかけにもなりそう。わたしも冒頭の一文がきっかけで、気になって読んだ本はいくつもあります。
この書棚つくりや選書を手掛けたのがブックディレクターとして活躍する、選書集団・BACH(バッハ)代表の幅 允孝(はば よしたか)さん。
「こども本の森 中之島」では、日本の図書館で広く使われ配架のもととなる図書分類法や日本十進分類法などで分類せず、独自のテーマで本が並べられています。これは、本への没入に時間のかかる現代の子どもが、素直に読めることを目的に「物語」の聖地をつくることを設定したのだそう。
情報過多で、スピードも驚くほど速い現代で、よく推敲されてできあがった本を読むことは、多感な子どもに大きなものをもたらすと幅さんは考えます。
選書のテーマのひとつは「子ども扱いしない」
「物語」の聖地をつくるがコンセプトの「こども本の森 中之島」は、子ども扱いしないということも選書テーマに入っているといいます。 子どもは子ども扱いされることをあまり好まないのだとか。考えれば自分でも身に覚えありますよね。自身を振り返ると、子ども用に用意された本だったり食べ物を嫌がっていた記憶があります。
とはいえ、大人にはない子どもならではの豊かな感受性や直感が子どもには大いにあることも事実。そこで幅さんは、本の対象年齢にとらわれず興味のある本を手に取ってもらえるようにしたのだそう。
そこから生まれたのが「こども本の森 中之島」独自の12のテーマ。ここには絵本に、幼年童話から芸術書まで様々なジャンルの本が分類されてそろっています。
こども本の森 中之島 独自の12のテーマ(分類法)とは?
気になる「こども本の森 中之島」での独自に設けた分類は12種類。そのテーマは以下のもの。
1 自然と遊ぼう
屋外の広場から続いているテーマです。自然と人との関わり方、環境について。
2 体を動かす
スポーツの本から、スポーツ界のヒーローやヒロインの自叙伝、人の体についても。
3 動物が好きな人へ
犬や猫などの身近なペットから、世界各地の生き物、また空想上の動物まで。
4 まいにち
暮らしの中で気になること、学校や友達との付き合い方、日々のヒントが集まります。
5 食べる
身近な食べることをテーマにレシピや台所用品、また食べることについて考えます。
6 大阪→日本→世界
大阪をはじめに、世界のことを知ることができます。旅の本や日本の文化、また大阪の歴史まで。
7 きれいなもの
アートや宝石、数学まで、さまざまな角度の「この世のきれいなもの」が集まります。
8 ものがたりと言葉
物語から言葉に関する辞典まで。言葉についても考えることができます。
9 未来はどうなる?
社会が今後どうなるのか、技術や宇宙まで。未来を考えるのに必要な過去や歴史も並びます。
10 将来について考える
仕事やお金、どんな大人になって夢を叶えるのか希望に満ちたこれからを考えます。
11 生きること/死ぬこと
子どもに一番遠いとも思える「死」に向き合うことで「生」を実感する。「子ども扱いしない」選書テーマが一番色濃く出ています。
12 こどもの近くにいる人へ
子どもの近くにいる大人や家族について考えます。教育や親のこと、家族の悩みに寄り添うものが集まります。
分類を聞いただけでどんな本が並ぶのか想像がつきやすいものから、本棚を見ないとわかりにくそうなものまで、さまざまですよね。
「このコーナーにはどんな本があるかな」、「自分が読みたい本はどこだろう…?」そんな思いを巡らせながら「こども本の森 中之島」を歩く子どもたちが目に浮かびそうですね。
どの本棚にどんな本が並んでいるのかは、実際に訪れた時のお楽しみに…。
オリジナルグッズも豊富!
美術館や博物館などの施設で楽しみの一つがミュージアムショップです。「こども本の森 中之島」にもオリジナルグッズが販売しているショップコーナーがあります。
なかでも注目は大阪の老舗会社さんとコラボした商品。「青いりんご」のオブジェにちなみ、パインアメの会社が作った「青リンゴアメ」324円。
コクヨのロングセラー商品・測量野帳はデザイン違いの2色展開。コンパクトなサイズもうれしい!「測量野帳」各550円。
大阪の文具メーカー・サクラクレパスのクーピーペンシルはオリジナルパッケージで登場。「クーピーペンシル(12色)」1,100円。
ロゴをあしらったグッズも多くそろいます。持ちでが肩掛けと手提げの2種類ある「トートバッグ」。子どもの身長に合わせたショルダーの長さのため、学校やお稽古にも重宝します。「トートバッグ」3,300円。
水に強く、独特な風合いが楽しめる再生紙でできた「crep(クレプ)」のピクニックラグ。紙ですが水に強く、裏面は水を弾く加工も。丈夫で軽いのもうれしい一品。「ピクニックラグ」2,200円。
ストロータイプのボトルタンブラーで、表面は滑りにくく、子どもの手でも持ちやすいハンドル付き。紐をつければ肩から下げることも。保冷効果も抜群で軽いのも特徴です。「ストローボトル」3,850円。
ほかにもロゴをあしらったグッズもあって、いずれも「子どもが使うこと」にテーマを置いたものが多数ラインアップ。
もちろん大人も使用できる上質なものがそろっているので、お土産にはもちろん自分のご褒美にもよさそうですね。
これらはオンラインショップでも購入できますよ!
こども本の森 中之島への入館予約方法と予約できなかった場合…
「こども本の森 中之島」では、現在入館には事前予約が必要です。ホームページの予約フォームでのみ予約が可能ですので、必ずチェックですね。
また土・日曜・祝日は、中学生以下の子ども連れの人しか予約はできないようです。「こども本の森 中之島」ですから、週末は大人だけの入館はしばらくガマンですね…。
なお、いくつか予約にはルールがあります。
・一度に予約できる人数は5人まで。また新型コロナウイルス感染症対策のため、1回の入場者は75人までとなっています。
・予約開始日については、大体半月後の予約をとる形になっています。詳細の日程については、ホームページで確認ください。
・また入館にあたって、新型コロナウイルス感染症対策のためさまざまな対策がとられています。詳細は予約フォームサイトでしっかりご確認ください。
・予約できる時間帯は下記の4つ。完全入れ替え制です。
(A) 9:30 ~ 11:00
(B)11:30 ~ 13:00
(C)13:30 ~ 15:00
(D)15:30 ~ 17:00
「こども本の森 中之島」は人気施設のため、予約ですぐいっぱいになってしまいます。「予約がとれなかった、でも早く行ってみたい」という人は、「整理券」という時間帯を狙ってみて。
多くはないこの時間帯ですが、予約なしで先着75名が入館することができます。整理券での入場の場合、入館10分前から並びはじめます。また代表者が並ぶだけで、人数分の整理券を渡すのもNGなので、必ず全員そろってから並びましょう!
まずは予約にチャレンジしてから、ダメだった場合はこの整理券も検討してみて。
いかがでしたか
実はわたしは司書資格も持っているため「こども本の森 中之島」には、オープン前から興味津々でした。安藤忠雄建築の美しい図書館というだけで、行く価値があると考えていたのですが、書架や分類法まで見て聞くと、もうワクワクがとまりません。
予約必須で滞在1時間半では、建物を見て、本を楽しむというにはなかなか難しく短すぎるように思いますが、そこは足しげく通うことで解消できるのではと思います。
ぜひ子どもの好奇心をかきたてる、この「こども本の森 中之島」へ家族で訪れてみてはいかがでしょうか。
スポット名 | こども本の森 中之島 |
時間 | 9:30~17:00 ※現在は利用時間帯を区切っているため、予約が必要です。 |
定休日 | 月曜休(祝日の場合は開館、翌平日は休)、蔵書整理期間休などあり |
問い合わせ | 06-6204-0808 |
アクセス | 阪急電車大阪梅田駅下車 約30分または大阪メトロ・北浜駅下車 5分または京阪電車・なにわ橋駅下車すぐ |
住所 | 大阪市北区中之島1-1-28【MAP】 |
URL | https://kodomohonnomori.osaka/ |
この記事を書いたのは… TOKK編集部R
大阪・北摂育ち。甘党で1日1回の甘いものが欠かせません。
愛しているものは、ミルクティーとチョコレートとナッツとチーズケーキ…
趣味は、美術館巡り(浮世絵大好き)と観劇(ストレートプレイ中心)
シネマやイベント、TOKKの公式X(旧Twitter)を担当しています。
阪急沿線情報紙「TOKK」は創刊から50数年を経た情報紙で、関西の私鉄・阪急電車沿線のおでかけやグルメとくらし情報を毎月1回、各30万部発行するメディアです。取材のこぼれ話やお店の方から聞いたお話や、くらしの中で気になる情報を毎日更新中です。
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