【阪急沿線で、半世紀。vol.7】和菓子修業のスタートは大阪・南森町から「御菓子司 箕面 薫々堂」

誰もがきっと1つは持っている“なつかしの場所”。
沿線で愛される、1972年創業のお店の素敵なストーリーをご紹介。

御菓子司 箕面 薫々堂
【今回のお店】御菓子司 箕面 薫々堂

和菓子修業のスタートは大阪・南森町から

御菓子司 箕面 薫々堂
写真左より創業以来人気の「夢物語」、秋の味覚・栗をたっぷり使用した「栗きんとん」、過ぎる夏を惜しむ気持ちを込めた「名残すだれ」。

阪急桜井駅から南へ向かって5分ほど歩いたところ、国道171号線沿いに御菓子司・箕面 薫々堂がある。

店内に並ぶのは、生菓子、焼き菓子、ゼリー、おはぎや大福、カステラ、上用饅頭や餅(要予約)まで多彩。その全てを作っているのがこの店の主人・西川 明さん。

御菓子司 箕面 薫々堂

西川さんが和菓子の世界に入ったのは16歳の時。大阪の南森町にある老舗(しにせ)・薫々堂で10年の修業を積んだ後に、3軒の店を渡り歩いて腕を磨き、36歳の時に現在地に店を構えた。

御菓子司 箕面 薫々堂

西川さんが50歳になるまでは夫婦2人で店を切り盛りし、寝る間も惜しんで働き詰めたという。7年前に奥さまが他界されてからは、娘さんと二人三脚で店を営んでいる。創業から50年、街の和菓子屋さんとして地元の人から愛される名店である。

御菓子司 箕面 薫々堂

季節のうつろいを写し取る生菓子のデザインは無限大

西川さんが修業時代に描いていたというスケッチブックを見せていただいた。20冊以上あったそうだが、今手元に残っているのは1冊のみ。1ページに月ごとの生菓子のデザインが12種描かれており、西川さんが目にした生菓子のデザインをそのまま描き写したもの、またはデザイン案集ともいえる。

御菓子司 箕面 薫々堂

見たもの、デザインアイデアをそのまま流さず、一度手で描いてみることで、記憶として定着させることができるという。スケッチブックの内容は全て頭の中にあり、菓子作りに迷った時や困った時、手掛かりになってくれているそう。

生菓子の名前は、季節の花や植物、暦(こよみ)や風物、万葉集や百人一首など、日本古来の文化を手掛かりに、西川さんが一ひねりアイデアを加えて決まっていく。作業場の一角には、月ごとの歳時記や季語などがびっしりと書かれた大きな紙がぶら下げられており、こちらが品名のヒント集となっている。

御菓子司 箕面 薫々堂

また、イメージをそのまま立体的に再現する技も光る。和菓子一筋約70年の西川さんの手からは今も、毎月8~10種の和菓子が作り出されている。

御菓子司 箕面 薫々堂

お菓子も料理と同じ。食べ時を逃さないのが大事!

店頭に並ぶ数々の和菓子、店に入った際に皆さんの目にはどのように映っているだろうか?気分で選ぶ場合もあれば、買うものはいつもと同じ、決まっていることも多いのでは?

西川さんいわく「和菓子も料理と同じ、店に並ぶのはその時が一番おいしい状態のもの。焼き菓子は作ってすぐより、時間が少し経った方が馴染んでおいしくなりますし、生菓子なら持ち帰った後、その日の15時くらいまでが食べ時」だとか。

店に並んでいるもの全てが一番の食べ時と知れば、逆にいつもと同じものを選んでいてはもったいない。何か新しいものが欲しいとつい欲張ってしまいそう…。栗、いも、柿など、これからは秋の素材を使用した菓子がおいしい季節。秋の味覚を和菓子でもぜひ楽しんでみて。

御菓子司 箕面 薫々堂
薫々堂の代表銘菓は2種ある。1つ目は創業以来、ずっと人気の「夢物語(ゆめものがたり)」1個500円。自然豊かな箕面の風情を込めたというこのお菓子、外側を包むのは小豆餡、中には白小豆の自家製餡と大粒の栗が入っている。小豆餡の部分は秘伝の方法で作られており、小豆の香ばしさと、口の中に入るとスッと溶けていく口当たりもおいしさを引き立てている。2個、3個、6個、9個のギフト詰め合わせセットもあり。11月からはもう1つの代表銘菓「夢いちご」がスタート。
スポット名御菓子司 箕面 薫々堂
時間8:30~18:00
定休日火曜休
問い合わせ072-722-2393
アクセス阪急桜井駅下車 約7分
場所箕面市桜井2-10-22【MAP

連載「阪急沿線で、半世紀。」のバックナンバーはこちら

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