神戸三宮の「コム・シノワ」はパンも、スイーツも、お料理も楽しめる人気店!フレンチシェフが手がける本格派の味わい

パン消費額が全国トップクラスを誇り、パン屋激戦区となっている神戸。そんな街で唯一無二の存在感を放つ人気店が、三宮にある「コム・シノワ&オネストカフェ」。

フレンチ料理人が作る個性豊かなパンをはじめ、オリジナルスイーツや本格的な欧風料理も楽しめるトータルショップ。いろんなジャンルのおいしいものが集まっていて、何を選べばよいのか迷いそう。

そこで、オーナーでもある荘司索(しょうじ・さく)シェフに、おすすめ商品&メニューやこだわりをお聞きした。

※(  )内の料金は、パン、スイーツは本体価格、カフェメニューは税込み価格。いずれも2024年2月の取材当時。

※商品の価格は変動する場合があります。あらかじめご了承ください。

「コム・シノワ」とは? フレンチのシェフが作るパンやスイーツ、料理がおいしいと人気

店名の「コム・シノワ」は、フランス語で「中国のように」という意味だ。1983年、神戸・南京町に前身のフレンチレストランを開いた際、「高級なイメージのあるフレンチを、中華料理のように気軽に食べてもらいたい」との思いから名付けられた。

その後、荘司シェフによる別のレストランやパティスリー、カフェなどが次々とオープン。1996年にパン屋「ブランジェリー コム・シノワ」を開き、パティスリー、カフェを統合して、現在の姿に。フレンチシェフの工夫と技術に裏打ちされたパンや料理を目当てに、「神戸っ子」はもちろん、遠方からも多くのグルメ通が訪れている。

コム・シノワ」のブランジェリーには様々なパンが並ぶ

阪急神戸三宮駅から徒歩6分ほど。ビル地下の少し奥まったところにある、ちょっぴり隠れ家風なお店が「コム・シノワ」。

ガラス一面にフランス語が手書きされたおしゃれな扉を開けると、パンがずらり。ハード系や調理パン、菓子パン、サンドウィッチなどパンは合わせて50種類を超える。

お店の名物の一つが「パン・ド・ポム・ド・テール」(240円)。「ポム・ド・テール」は、フランス語で「ポテト」の意。

蒸して粗くつぶしたジャガイモを生地に練り込んで焼いたパン。ジャガイモの塩気がアクセントになり、ハッシュドポテトのような風味だ。「あまりこねずに、ふわっとまとめて焼いています。シンプルなんですよ」とシェフ。

そのストレートさが、このパンの魅力。そのまま味わうと、もちもち。トーストすれば、外側がカリっと香ばしくなる。

レストランでも創業以来、コース料理の最初にこんがりと焼いたこのパンを出すと、お客さんから「おいしい!」と感嘆の声が上がったそう。それから40年近く、今や定番商品となっている。

「パン・ド・ポム・ド・テール」を、家でおいしく食べるコツを教えてもらった。「ナイフで4等分し、カットした断面が焦げるぐらいまで、しっかりと高温のトースターで焼くことです」。これはレストランで出していたのと同じ焼き方だそう。

購入当日なら、縦半分にカットして好きな具材を挟むのもおすすめ。強いもちもち感と深い味わいが楽しめる。

もうひとつのロングセラーが2種類のクロワッサン。「クロワッサン・サク」(240円)は、シェフの名前、索(さく)から名付けた、店の看板ともいえるパンだ。

シェフがかつて南フランスを旅行した際、泊まった宿屋の朝食に出された田舎風のクロワッサンがあまりにもおいしく、改良を重ねて再現した。

生地は4層。1層ずつに厚みがあるため、クッキーのようにザクザクした食感。サトウキビ100%の砂糖「カソナード」を少し加え、バターの風味を際立たせている。

この素朴な「サク」に対し、「クロワッサン・モンスティル」(240円)は、洗練されたパリのイメージだろうか。18の薄い層で仕上げられ、溶けるような食感が魅力。この生地をベースにしたチョコやレモン、ラベンダーなど香りの違うタイプも季節ごとに登場する。

シェフイチオシの菓子パンは「そんなバナナ~まるでバナナケーキ~」(280円)。ティラミスの材料にもなるマスカルポーネに、カスタードを少量加えたクリームで完熟バナナを包み、はちみつ風味のシリアルをまぶして焼いた。「朝食に食べると元気が出ますよ」とシェフ。

「紅玉りんごのシュプレーム」(350円)、「ハニーバターのマンテキージャ」(260円)、「はちみつとくるみのシナモンロール」(280円)などは、どれもすぐに売り切れてしまうそう。見つけたら即買いだ。

焼くとカリッとした食感の「フラットチャバタ」(260円)、福岡県のこだわり農家が作る全粒粉100%のドイツ風「シェフ好みなパン・コンプレ」(600円)、「北海道産石臼挽き小麦のバゲット」(350円)はどれも、噛(か)めば噛むほど小麦の風味とうまみを存分に感じられる。

こうしたパンの個性に合う具材を考え、料理することこそシェフの本領。サンドウィッチの具材はもちろん、調理パンや菓子パンにも、ゼロから手間暇かけて作るシチューやソース、クリームを使っている。

「フレンチ料理屋さんのパン、お菓子というのが、大事なコンセプトですから」と荘司シェフ。自然の味を大切に、健康で元気が出る料理を作りたい──。一つひとつ丁寧に仕上げられた品々から、その気持ちが伝わってくる。

コム・シノワ」のパティスリーではケーキやクッキーなどを販売

店に入って右手奥の一角は、パティスリーのコーナー。冷蔵ショーケースには、10種類前後のケーキ。棚には焼菓子、自家製ジャムなどが並んでいる。

「いちごのショートケーキ」(600円)は、ふんわりとしたスポンジ生地に、カスタードを混ぜた生クリームをサンド。フルーツブランデー「キルシュ」の風味がほんのりと感じられる。

2024年にリニューアルされたそうで「今回が最高の仕上がり。めざしていた到達点にたどりついた感じ」とシェフが胸を張る一品だ。

キリッとしたレモンの風味が魅力の「リヨン風レモンのタルト」(420円)は売り上げトップクラス。ラム酒がたっぷりときいた「ラムレーズンのサヴァラン」(550円)や、砂糖をまぶしてから焼き上げた香ばしいシュークリーム「シュー・ア・ラ・ボンバー」(350円)もおすすめ。

「ヴィクトリアケーキ」(550円)は、パウンドケーキの材料で焼いたスポンジにマスカルポーネのバタークリームと木イチゴのジャムをサンド。「コーヒーや紅茶を一層おいしく感じさせるケーキですよ」と、シェフのお気に入り。

クマの形をしたサブレやマドレーヌなど、形も包装もかわいい焼き菓子の詰め合わせは、手土産やプレゼントとして求めるお客さんも多いという。

自家製ジャムも数々あり、「オレンジのジャム」(700円)は、その香りが口いっぱいに広がる人気ナンバーワン商品。

エチオピア産のコーヒー粉末がたっぷりと入った「コーヒーキャラメルカード」(700円)は、スライスしたハード系のカンパーニュにたっぷりと塗って味わいたい。

コム・シノワ」併設のオネストカフェでイートインも楽しめる!本格フレンチのランチメニューも提供

パティスリーコーナーのさらに奥にある30席ほどのスペースが「オネストカフェ」。モーニング、ランチ、カフェ、少し早めのディナーと、様々なシチュエーションで利用できる。

なかでも贅沢(ぜいたく)な料理をお得に楽しめるのがランチタイム(午前11時45分から午後2時30分)。シェフの本格欧風料理が味わえるのだ。

パスタやサンドウィッチのセットから、シェフ渾身の「本日のスペシャル!」までメニューは20種類ほど。ロシア風や中近東風など、フレンチの枠を超えたオリジナリティーあふれる料理もそろう。

魚介のうまみがぎゅっと凝縮され、サフランの風味がきいた「白身魚のブイヤベース煮込み」(2860円)は、「いまどきこういうスープを作っている料理人はいないだろう、っていうくらい手間暇をかけたブイヤベースなんです」という自慢のメニュー。

「合鴨のもも肉のコンフィ、サルシッチャ、ポークリヨン、野菜とレンズ豆の煮込み添え」(2750円)も自信作だ。サルシッチャはソーセージ、ポークリヨンは豚バラ肉をたまねぎやにんにく、タイムと一緒に柔らかく炊いたもの。一つひとつ丁寧に作られた3種類の料理を、一つにまとめてオーブン焼きにした豪華な一品となっている。

気軽に楽しむなら「サンドウィッチランチ」を。この日のメニューは「ローストポークのパニーニサンド、塩鯖のミニタルティーヌ付き」(1870円)。

サンドウィッチは、やわらかめのフランスパンに、自家製のローストポークとミルキーなチーズ、焼きキャベツが挟んである。

ミニタルティーヌは、地中海風のトマトソースで煮込んだ塩鯖と南仏野菜を、カンパーニュにのせて焼いたオープンサンド。ワインのおつまみにもよさそうだ。

さらに、野菜のうまみが凝縮された8品目野菜のポタージュスープと、新鮮野菜がダイナミックにカットされた彩り美しいサラダがつく。豆腐とユズのとろりとしたドレッシングも、もちろんお店のオリジナル。

サンドウィッチランチを除き、ランチメニューには全てパンがつく。定番の「パン・ド・ポム・ド・テール」と「その日のパン」の2種類で、おかわり自由!味もボリュームも抜群とあって、満ち足りた気分になること間違いなしだ。

コム・シノワ」荘司シェフに色々なお話を伺いました

――パン作りでこだわっているポイントは何でしょう?

大前提は「お客様の健康生活に寄り添えるパン」であること。そのために「咀嚼(そしゃく)」することに、フォーカスしています。

噛むことは健康の源。素材となる小麦を厳選し、噛めば噛むほどうまみと味わいが増すパンを作りたいと思っています。

――レストランからパン屋さん中心に変えたのはなぜですか?

レストランをしていたころから、神戸の人の食生活には、パンが大事な存在なのだと感じていました。

それを強く意識したのが阪神・淡路大震災のあと。まだレストランを再開できないころから「パンないの?」とお客さんが訪ねてきたんです。ああ、神戸の人にとって、パンはまさに日常なんだろうな、と。それなら神戸らしいパンを作ろう、と。

――ひとつのお店に3業態を集めたのはなぜでしょう?

レストランから始まり、カフェやオーベルジュ、洋菓子店など、いろんな形態のお店を展開してきました。その集大成として、すべてを1カ所で楽しめるお店にしたいなと思うようになりました。

パンも洋食もお菓子もそろう、ここにしかない「小さな神戸」を楽しんでいただけたらうれしいですね。

コム・シノワ」での取材をおえて

ブランジェリー、パティスリー、カフェと多彩な魅力をもつ「コム・シノワ」。

パン、スイーツ、カフェの料理それぞれに、シェフのこだわりが存分に込められていて、いずれも絶品。

今回ご紹介していただいたおすすめは定番商品が中心だったが、旬の野菜や果物を使った季節のパン・スイーツが登場するのも、同店の魅力。訪れる時間によって、違う商品が並んでいることも。

新しいパンやスイーツとの出会いを求めて、いろんな時間、いろんな季節に足を運んでみたい。

コム・シノワ」の基本情報(営業時間、アクセスなど)

スポット名ブランジェリー コム・シノワ&オネストカフェ
時間8:00~18:00
カフェ8:00~17:00 (ランチ 11:45~14:30)
休み月・水曜 ※月曜が祝日の場合は火曜休。
問い合わせ078-242-1506
アクセス阪急神戸三宮駅下車 約6分
住所神戸市中央区御幸通7-1-15 三宮ビル南館地下【MAP
URLhttps://www.comme-chinois.com

この記事を書いたのは… TOKK情報部
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この記事を企画・編集したのは… TOKK編集部I

甘いものが大好きなTOKK編集部 I

京都在住。休日の過ごし方はもっぱら京都のまち歩き。美術館や社寺、お笑いライブがとくに好き。花より団子。

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