【TOKK50周年キャンペーン】「私とTOKKの思い出」結果発表!
2022.08.2550周年
3月25日~5月15日に「TOKKを見て訪れた場所や、家族・友人とTOKKとの思い出」を大募集。
多くの寄せられた素敵なエピソードから、受賞した方のお話をご紹介。
また、エピソードをご応募いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
【TOKK大賞】にみりさん(35歳・女性)
選定者コメント
今はない宝塚ファミリーランドにまつわる話でTOKKに掲載されたことによる周囲の反応が微笑ましく表現されています。娘を誇らしく思う母親の愛情深さも感じます。また現在の情報社会の状況もさりげなく挿入され、紙TOKKの大切さを改めて制作者として再認識しました。
小学校5年生の頃、TOKKに名前を載せていただいたことがあります。当時大好きだった宝塚ファミリーランドに、新しく出来たミニコースターの名前募集がありました。完成イメージ図を見てふと思い付いた名前、『こわこわカー?!』がまさか採用されるなんて…(笑)。今思えば、直感過ぎるぞ11歳の私よ…とちょっぴり恥ずかしくもありますが、TOKKに載せていただいたおかげで友人知人にお声掛けいただいたり、更には幼稚園の先生からもわざわざお手紙が届いたりと…(笑)予想外の反響でしたが、それだけTOKKが読まれているんだなと感じました。幼心にとてもうれしかったことを今でも鮮明に覚えています。
そして私よりも喜んでいた母は…その時のTOKKを大切に取ってあります。(1998年3月15日号)このエピソード前から、宝塚歌劇が好きなこともあり親子共々ずっとTOKKを読んでおります。
情報紙も今や電子版で見るのが当たり前の世の中になりつつありますが、駅でTOKKの最新号を見つけるとうれしくなりますし、1ページ1ページを読みながらお茶を飲む時間が何よりの癒やしの時間になっています。これからも楽しみにしております!
受賞者コメント
この度は大賞をいただきましてありがとうございます。大変驚いております。小学5年生の私も、当時驚き、無邪気に大喜びしていたな…と懐かしい気持ちでいっぱいになりました。そして、母はあの頃のようにまたこのTOKKを大切に取っておいてくれるのだと思います(笑)。
【優秀賞】國分 美幸さん(35歳・女性)
選定者コメント
阪急沿線で素敵な思い出をつくられた男性と別々の道を歩まれることになっても、鮮明に思い出される数々の場面。その中にTOKKも登場…。普通なら、制作側には全く見えてこない「一人の女性の恋の思い出とTOKKがある景色」に引き込まれました。男性との再会を心から願っております。
大学入学を機に上阪し、阪急宝塚線沿いに住み、そこで好きな人ができた。彼は電車が大好きで、よく阪急電車の話をしてくれた。特に「車体のえんじ色は、最高や。緑の多い場所や、淀川を走ってもすぐに見つけられる。風景に溶け込むことはないのに、品がある。これって、すごいことやと思わへん!?」と、TOKKに掲載されている阪急電車を指さしながら、得意げに言っていた。お金のない大学生の私たちには、フリーペーパーは強い味方だし、何よりも大好きな彼がキラキラした目で読んでいる横顔を見るのが大好きだった。おいしいお店もたくさん載っていて、二人で「ここは人気らしいよ?」「まずは○○駅で散策して、△△駅で乗り換えて、□□駅のお店に行こや」と、いかに効率良く、電車賃を安くして目的地を巡るかを、TOKKと路線図を睨めっこしながら画策したものだ。
大学生活最後の春にTOKKで桜の名所特集をしていて、嵐山に出かけた。彼は「桜の中を走るえんじ色は雅やな~」と満面の笑みで、ホームに入ってくる車体を眺めていた。青空、えんじ色、桜、すべてが完璧で、今でも私の記憶の中で鮮やかに浮かび上がる。春の夕日が車窓から差し込む中、彼が「いつか、二人の子どもができたら、一緒に来たいな」とぽつりと呟いた。私は何も言えなかった。ただ、夕日がとてもきれいで、いつもより車体の音が大きく聞こえた。
大学卒業後、彼とはもう何年も会っていない。お互い別々の線路を走っている。時には特急電車のように、ある時には普通電車のように、そして時折遅延してしまったり。でも、走ることは止めていない。二人ともそうだと信じている。阪急電車が114年走り続けているように。そしてTOKKが、青春の手助けをしてくれることを願っている。もしも、彼とすれ違うことができるならば、桜の花びらを身にまとい、優雅に走行するえんじ色の中で逢いたい。その時は、何から話そうかな…。
【特別賞】鳴海さん(22歳・男性)
選定者コメント
急いでいる時に、無意識に行動をとることは意外にあります。それがこの男性はTOKKを取ることで、この行為が日常の動作になっていることがうれしく思います。またそのTOKKが救済アイテムとして、友人とよい時間を過ごす提案ができたことに情報紙の大義名分を実感しました。
皆さんはお出かけの予定を意図せず白紙にしてしまったことはあるだろうか。2月のはじめ、友人と出かける機会があった。前日に集合時間を確認したはずだったが、起床時点で既に遅刻、予定は白紙。申し訳なさと焦りを抑えるために改札の横にあったTOKKを手に取り特急に飛び乗ったものの、焦りで活字が頭に入らず目が紙の上を滑る。
2時間遅れで集合場所にたどり着いた僕に、友人はこの後はどうするのかと問いかけた。優しさで投げかけてくれたであろう質問で頭が真っ白になり、とっさに手汗でぐしゃぐしゃになったTOKKをめくる。京阪神のレトロで魅力的な喫茶店が並ぶ特集ページで、目に入ったのは梅田にある喫茶店のクリームソーダだった。「この喫茶店はどう?」その場の衝動に任せた僕の提案を心優しい友人は快諾してくれた。
喫茶店でクリームソーダを飲みながら、他愛もない会話に花が咲く。店内はレトロフューチャーを体現したような雰囲気で、天井から吊り下がる丸いライト、ミズバショウのような椅子、どれも世紀末生まれの僕らには目新しく映る。2月のTOKKの表題は『喫茶文化を紡ぐ名店』。無意識のうちに紙面上からメニューだけでなく、お店の持つ空気感さえも全て包含した喫茶文化そのものに惹かれてこの場所を選んだのかもしれない。喫茶店らしいのんびりとした時間を過ごす中、ふと友人が「ここ、いい雰囲気のお店やね」と言ってくれたので幾分心が軽くなった。そして話は弾む、時計は回る。次はどこへ行こう、神戸はどうかな、この後行こうよ。気づけばクリームソーダのアイスもとうに溶けていた。
予定を意図せず白紙にしてしまったその日、僕にとってのTOKKはとっさに行き先を決めるための救済アイテムだった。どうか、この文章を読んでいる皆さんにとって、TOKKが旅行前夜にワクワクを膨らませるようなアイテムでありますように。
【特別賞】ほのぼのさん(72歳・男性)
選定者コメント
まるでドラマのような展開に素直に驚きました。ご夫婦の様々な出来事の出発点がTOKK掲載の一つの記事だったことに感慨深いものがあります。人生の偶然という奇跡に思いを巡らせながら、いつまでもお二人のご多幸をお祈りいたします。
もう何十年も前のこと。終電の車内に残されたTOKKをめくると、ある記事が目にとまった。『さわやかハイキング例会、一般参加歓迎』。当時仕事漬けだった自分にはどこか新鮮に思えた。初心者でもいいなら…。そんな気持ちで申込みをすることにした。
当日、集合場所は宝塚にある塩尾寺だった。急坂を歩くこと一時間。そこには爽やかなブルーのアウターを羽織ったSさんがいた。聞けば彼女もTOKKを見て参加したとのこと。家も近いし、年齢も近い。そんなことから僕らはすぐに意気投合した。しかし、である。Sさんと歩き始めること一時間。ゆったりした道が急坂に変わる頃、異変が起きた。どういうわけか頭が重く、足も重いのだ。「大丈夫ですか」Sさんが私の顔をのぞき込む。その心配そうな表情はブルーのアウターよりも青く見える。「すみません。先に行って下さい」私は苦し紛れに言った。しかしSさんは首を縦に振らなかった。それどころかシートを敷いて休ませてくれた。水もくれた。汗も拭いてくれた。その汗に涙が紛れていたことをSさんは知らない。その日僕らはリタイアを選んだ。最後は私の荷物を持って下山してくれたSさん。そんな彼女に私は頭を下げることしかできなかった。
あれから半世紀。相変わらず家では妻に頭を下げてばかりいる。度重なる転勤で迷惑もかけたし、がんが見つかって心配もかけた。だけどその度やさしい言葉をかけてもらった。「大丈夫?布団敷いたからちょっと休んだら」TOKKも夫婦も五十年。人生山あり谷ありというが、そこに妻がいたことは間違いない。
半世紀を迎えるにあたり、今は妻への『反省期』。妻を喜ばせるために何かしたい。やっぱり、ハイキングかな。Sさんがしてくれたように、荷物を持って、シートを敷いて、おいしいお菓子でも食べよう。今度は私が。今度こそ私が。半世紀分の感謝を込めて。Sさんは、妻だ。
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