豆の種類がすごい!京都のコーヒー豆専門店・ニシナ屋珈琲千本丸太町焙煎所は自宅コーヒー派の天国

二条城近くの静かな住宅街に店を構えるニシナ屋珈琲千本丸太町焙煎所は、本店を広島市内に置くコーヒー豆の専門店。

いつも60種類ほどの豆が販売され、それぞれの好みに合わせて、焙煎度も8種から選ぶことができる。

たくさんありすぎて、どれを買おうか迷うのも楽しいコーヒー豆の世界をのぞいてみたいコーヒー通、自分でコーヒーを淹れるのは初めてという人も、スペシャリストを頼って訪れてみたい。

生豆で販売、目の前で焙煎してもらう。珍しい販売スタイル

ニシナ屋珈琲千本丸太町焙煎所が開店する午前11時、辺りにはコーヒー豆を焙煎する良い香りがふわりと広がり、表通りから少し奥まった場所にあっても、香りを頼りに店を見つけることができる。

コーヒーの消費量が日本一とも言われる京都は、純喫茶文化が根付き、昔からコーヒーに親しんできた土壌もある。そんな京都にあって、他とはちょっと違う個性の立つコーヒー豆専門店・ニシナ屋珈琲千本丸太町焙煎所。住宅を改装し、白くて大きな扉と壁いっぱいの窓をしつらえたおしゃれな店構えも印象的だ。

ニシナ屋珈琲の扉

扉を開けて中に入ると、そこはやっぱりコーヒー豆専門店らしく、大きな焙煎機が置かれ、焙煎機と対面する位置に、大きな容器に入った生豆がずらりと並ぶ。

店内に置かれた大きな焙煎機
土製の容器に入れられた生豆が並ぶ店内の様子

たくさん並んだ焙煎前の生豆は薄緑色をしていて、一つ一つをよく見ても、粒の大小や厚さが少し違うくらいしか見分けがつかない…。この中からどの豆を選べば良いのかと迷ってしまう…。

手書きボードを頼りにたどり着く逸品

その時のガイドとなるのが、一つ一つ手書きされたお手製のボード。

コーヒー豆の味を表現する際によく使用される、苦み、酸味、甘み、コクなどを五角形で表したチャートは使用せず、生産地や農園名、味や香りの特徴、珍しい品種の場合はどれくらい希少性が高いかなどを情熱たっぷりに書き込んでいる。さらに値段と、おすすめの焙煎度まで、びっしりと書き込まれ、これを読むだけでも楽しい時間が過ぎていく。

焙煎度が分かるように飾られた豆

豆を選び終わったら、次は焙煎。焙煎度は1~8までの8段階あり、焙煎度が1上がるごとにどのように豆の色づきが変わるか、それを示したフレームも参考にしたい。数字が大きくなるほど焙煎が深くなる。

焙煎機で焙煎される豆の様子

気になった生豆を選び、焙煎度が決まったら、豆を焙煎機にセットしてもらい、6分ほど待つ。豆選びから焙煎までにかかる時間は約10分~20分。

街中の喧騒を避けるかのように、繁華街から少し離れたお店の立地は、この焙煎を待つ時間とも関係している。豆選びから焙煎、封入と、少し時間がかかるため、ゆったりと待ち時間を過ごせるよう静かな場所に店が建てられたそう。

新鮮さを追求したら生豆販売にたどりついた

コーヒー豆は焙煎を終えた次の瞬間から、酸化が始まってしまう。

出来る限り新鮮なものを提供するのに必要なのは、保存の効く生豆の状態で販売し、その場で焙煎すること。いつ焙煎した豆かお客さん自身も分かっていれば、鮮度管理してもらいやすいのだとか。

店長の安井さんは「60種の豆を1~8までの焙煎ごとに、全て楽しんだ場合、その種類は480種までふくらみます。新しい豆も定期的に入りますので、うちの店の豆を全て味わおうとしても追いつかないかもしれません(笑)」と話す。

昭和8年創業、歴史があり、生産農家の方や輸入業者との関係が築かれているからこそ、多種多様で新鮮な豆を店頭に並べることができるのだ。

豆の種類に加えて、焙煎の浅深(せんしん)、器具や淹れ方の違い、それぞれが掛け合わさり作り出されるコーヒーの深みをもっと知りたい、そんな方にはぜひ足を運んでほしい。

ガブガブ飲めるお手頃な品種から、一度は飲んでみたい希少種まで

ここからは店長・安井さんに選んでもらった希少種や、京都のおみやげにもなるオリジナルブレンドなどをご紹介。

100g・6,000円のプライスも納得の希少性 

高級豆ワイルドコピルアク

ワイルド・コピルアック(インドネシア ガヨ高地)

真っ赤に熟したコーヒーの実を好んで食べるジャコウネコの体内を通った豆を拾い集めて洗浄、コーヒー豆になるというワイルド・コピルアック。

「コピ」はコーヒー、「ルアック」はジャコウネコのこと。コーヒー豆として流通するまでの手間ひまがすごい一品。コーヒー豆の中でも最高級に位置づけられるのも納得。自分で飲むというよりは贈り物にされることが多いとか。

原種に近い味が楽しめる豆

原種に近いラオスボラベン

ラオス・ボラベン ティピカ

市場にある程度の量を送り出そうとすると大量生産が必要なのは常。でもこちらの豆は生産効率を追わず、昔ながらの原種に近い状態で育てられている。一通り試した後に行きつくのも、こんなシンプルな飾らない味わいなのかも。

地の歴史にちなんだニシナ屋オリジナル

知の歴史にちなみ考えられたニシナ屋ブレンド

陰陽師ブレンド

店が建つ二条城の北側は、陰陽師とも縁の深い土地。京都店ならではの商品をということで、コロンビアのKYOTO農園で栽培された豆を、和菓子にあうブレンドに仕上げたオリジナル。

道具もそろうから、すぐ始められるコーヒー生活

豆だけ買って帰っても、それだけではコーヒーを飲むことができない。他に必要なものは?何をそろえれば家ですぐにコーヒーを飲める?そんな悩みもニシナ屋珈琲千本丸太町焙煎所なら一気に解決、コーヒーを淹れるための道具も豊富にそろうのだ。

ミルを使って手で回して豆をひくか、ボタン一つで豆を挽ける電動ミルを使うのか。コーヒーを淹れるときに使用するドリッパーも、プラスチック製からフィルターを使わない金属製のものもある。さらに進むと、プレス式でコーヒーを淹れてみたい、などなど、自宅でも色々と試したくなるのがコーヒーの楽しいところ。

ポットほかコーヒー道具がそろう

「専門店というと入りにくいと思われる方も多いようですが、味の好みは人それぞれ、正解があるわけではありません。初めて豆を買いたいと来られる方も、普段から飲まれている方でも、気軽に相談いただければ、お話しながら豆や道具を選んでいただけます」とのこと。

高価なマシーンは必要なし。1つあればコーヒーがおいしく飲める

ここで、ニシナ屋珈琲千本丸太町焙煎所を預かる店長の安井さんも毎朝使っているという道具をご紹介。特に朝の忙しい時間に使うと助かるのが、ビアレッティ社のモカエクスプレス。

モカエクスプレスはイタリアの家庭には1つはあるというコーヒーの道具

関西では一家に一台タコ焼き機があると言われるが、イタリアの各家庭に必ず1つあると言われるのがモカエクスプレス。「髭おじさん」のトレードマークが目印、写真は2cup用(右)と6cup用(左)。

中央のくびれの部分を回して外すことができ、下の部分に水と挽いた豆を入れて、ガスコンロに直接かけるだけ。

水が沸騰し、ぼこぼこという音が小さくなったら、コンロからおろしてカップに注ぐ、以上。

後片付けも簡単で、使用後はコーヒーかすを取り出し、軽くゆすぐだけ。

モカエクスプレスは金属のため、油分をなじませながら使う。使った後に、洗剤などでコーヒーの油をすべて落とし切らないようにするのがポイント。

詳しい使い方はヴィアレッティジャパンの公式サイトで

https://youtu.be/vtfXUiqORqc

最後に

家で過ごす時間が増えたことで、コーヒー豆を買いに来られる方が以前より増えているそうです。時間があれば、コーヒーをゆっくり淹れて飲みたいと考えていた方も多いのではないでしょうか。

焙煎してもらった豆を持ち帰ったら、すぐに飲んでみたくなるものですが、できれば2日間程度豆を寝かせることで、ガスが抜けて味が落ち着いてきます。保存は紙袋のままジップロックなどに入れるか、密封容器に移し替えて冷蔵庫など冷たいところで保管するのがおすすめです。

コーヒーの保存は密封容器に入れて冷蔵へ
スポット名 ニシナ屋珈琲 千本丸太町焙煎所
時間11:00~19:00
定休日年中無休(年末年始とお盆は休みあり)
問い合わせ075-821-6591
アクセス阪急烏丸駅から地下鉄乗り換え二条城前駅または二条駅下車
住所京都市上京区主税町984【MAP
URL https://www.kyoto.nishinaya.com/

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