スパイスグルメで冬を元気に!阪急沿線で冬を楽しむスパイス【TOKK2025年2月号】

ショウガにコショウ、チリなど、スパイスを食べて体を温めるスパイス温活。
寒い季節が楽しくなる、阪急沿線の様々なスパイスグルメを紹介。

スパイスは国の文化を反映する?

体がぽかぽかするショウガやチリ、シナモンなどスパイスを使用した料理や飲みもの。今回は、神戸三宮でインド料理店「神戸アールティー」とスパイス専門店「神戸スパイス」を経営、自身もスパイスマイスターであるバシン晴美さんにスパイスの種類や使い方などを伺った。

スパイスマイスター バシン晴美さん [好きなスパイス]カルダモン
インド人のご主人と結婚してから、スパイスを知ったバシンさん。リラックスしたい朝は、爽やかなカルダモンチャイがおすすめだそう。

日本で様々な種類のスパイスが注目されるきっかけとなったのは、2000年代のスパイスカレーのブームから。それ以前のスパイスのイメージといえば、瓶詰のコショウやシナモン、カレー粉といった基本的なもののみという人も多いかもしれない。一方でスパイスには日本独自のものもあり、薬味の印象のある山椒やワサビなどがそれに当たる。

「スパイスは食材の保存や臭み消しなど多様な用途で使用されますが、島国の日本は食材なども新鮮なものが手に入り、繊細な味付けを好みます。その国の文化や気候にあったものが使用されていて、本当に面白いんですよ。例えばインドでスパイスは、5000年も前から使用される暮らしに根付いたもの。インドのキッチンに置いてある調味料はスパイスだけなのに料理が本当においしくて…」。

結婚して、インドに行くまでスパイスを知らなかったというバシンさんは、そのおいしさに大層驚いたそう。そこからスパイスの魅力をもっと伝えたいと、200種類ものスパイスや豆類をリーズナブルな価格でそろえる「神戸スパイス」をオープンするに至った。

スパイスと聞くと「辛い刺激的なもの」をイメージすることも多いが、実は辛いものはチリやショウガなどごく一部。それゆえ、刺激的なものを避けたスパイス入りの豆のお粥などは、小さな子どもでも食べられ、バシンさんの子どもも大好きなんだそう。

スパイスは調和、日常生活にプラス

また、スパイスと似たイメージのあるハーブとの違いはというと、ハーブは花びらや葉、スパイスは根や実、茎が多く、ヨーロッパで栽培できるかで区別されることも。いずれも香りや風味づけに利用されるため厳密な定義はないという。

スパイスは種類が多く、どのように使うかが難しいように思えるが、カレーなら最少でコリアンダー・クミン・ターメリックの3種があればOK。また同じスパイスでホールやパウダーと形状が違うのものは、ホールは油の香り付け、パウダーは味わいに、といった風に使い分けると良い。スパイスを初めて使う人は、乾燥ショウガがおすすめとのこと。飲みものにプラスするのはもちろん、魚の煮つけなどに使えて、日持ちもする上、使い勝手が良いので常備しておくと便利な一品。

「神戸スパイス」のカレースパイスは何に入れても、簡単にカレー味にできる優れもの。系列のインドカレー店のシェフが監修した本場の味付けが人気。

「スパイスはどれを、どの程度使えば正解ということではありません。家庭ごとの味があるのと同じで、使い方はその人の個性。スパイスは調和することが大切だと思います」とバシンさん。これまでスパイスになじみのなかった人も少しずつ取り入れ、温かい冬を過ごしてみては。

店名神戸スパイス 国際会館SOL店
営業時間10:00~20:00
定休日不定休
問い合わせ078-414-8177
アクセス阪急神戸三宮駅下車 約5分
住所神戸市中央区御幸通8-1地下2階【MAP
URLhttps://kobe-spice.jp/

主な6種のスパイス

シナモン(肉桂/桂皮)

樹皮を乾燥させたもので、独特の甘みと香りが特徴。
利用法:紅茶などのドリンクやスイーツに

ブラックペッパー(黒コショウ)

コショウの木の未熟な実を乾燥させた、香りと辛みが特徴のスパイス。
利用法:牛肉や魚とも相性◎

クローブ(丁子)

蕾を乾燥させた、甘く濃厚な香りと刺激的な風味が人気の「スパイスの王」。虫除けにも。
利用法:チャイやホットワインに

コリアンダー

植物の種で世界最古のスパイスの一つ。甘い香りと爽やかさが特徴。
利用法:カレー、リキュール

クミン

植物の種で、エスニックな芳香が人気。インド料理の香りの元はこれ。
利用法:カレーのスタータースパイス

グリーンカルダモン

果実。甘くエキゾチックで爽やかな強い香りがあり、「スパイスの女王」とも。
利用法:パンや菓子類

スパイス × ○○で簡単おいしいドリンク

シナモンスティック × コーヒー

スプーン代わりにシナモンスティックを使って混ぜるだけで甘い香りの冬にぴったりのコーヒーに。スティックは何度も利用可。

カルダモン × 水

カルダモンをフライパンで乾煎りし香りが立ったら、水を入れて沸かしてお茶に。白湯の代わりに飲むと良いそう。

料理なら、ブラウンやイエローのマスタードシード×米酢で粒マスタードを、フェンネルシード×キュウリでピクルスが作れる。

阪急沿線のスパイスグルメ<スパイスカレー>

【京都】素材の味を生かす京都のスパイスカレー「SPICE GATE」

店主 山縣 智さん [好きなスパイス]黒コショウ
「カレーの主役は素材」という山縣さん。それゆえスパイスの使い方も繊細で、シンプルで食べ飽きないメニュー作りがモットー。

ビリヤニ専門店を手掛け、朝カレー、京風スパイス朝定食などスパイスの魅力と個性を存分に発揮したメニューを展開する「SPICE GATE」。店内にはスパイスの販売スペースもあり、ほかではあまり見ない珍しいスパイスも多くそろう。

店内の至る所にスパイス瓶が。独自にブレンドした「チリミックス」から、香りが良いことで知られる「シャヒジーラ(ロイヤルクミン)」など珍しいスパイスもそろう。

看板メニュー「京都京北産の鹿モモカツカレー」は、30種ものスパイスを使用しているのに、素材のうま味を邪魔しない、欧風カレーに近いコク深い味わい。「カレーのメニューは、メインの素材はなるべく京都の食材で、それを生かすためにどんなスパイスを使えば良いかで考えます」。

「京都京北産の鹿モモカツカレー 限定10食」1,980円
猟師さんから「鹿肉を使って」と頼まれて生まれたメニュー。臭みが一切ない柔らかな鹿モモのカツに、甘酸っぱいラズベリーソースを乗せた一皿。カチュンバルなど6種の副菜がつく、食感も味わいも楽しいスパイスカレー。

こだわりは「スパイス同士が喧嘩しないこと。また、新鮮で品質の良いスパイスを使うこと」。上質なものは少量でも風味が立つという。スパイスの使い方を尋ねると「色々組み合わせないと…と難しく考えず、まずは1種からはじめて、好みを見つけることがおすすめ」だそう。まずはお気にりのスパイスを見つけるところからチャレンジしてみよう。

店名SPICE GATE
営業時間7:30~11:00、11:30~21:00(LO)
定休日無休
問い合わせ075-741-7554
アクセス阪急京都河原町駅下車 約5分
住所京都市下京区恵美須之町546-1 しきさい寺町ビル2階【MAP
URLhttps://spicegate.jp/

阪急沿線のスパイスグルメ<薬膳茶>

【大阪・池田】体が欲する食材で季節の養生を「薬膳cafe MANA HOUSE」

写真左)国際薬膳師・中医薬膳師 冨永あゆみさん [好きなスパイス]黒コショウ
写真右)漢方養生士・漢茶マスター 松宮浩子さん [好きなスパイス]陳皮
陳皮(みかんの皮)はうどんや煮物など料理に使いやすいのでおすすめという松宮さん。
「味も香りもいいので黒コショウが好き」という冨永さんは、料理の最後によく使うそう。

閑静な住宅街の真ん中にある「薬膳cafeMANAHOUSE」は、薬膳師や漢方養生士の資格を持つ冨永さんと松宮さんが「元気になれる場にしたい」と昨年9月にオープン。「スパイスは身体を温めたり、気の巡りを良くしたりするものが多いんです。薬膳は季節・体質・体調をみて材料や調理方法を選ぶ事が大切」と松宮さん。薬膳カレーや手づくり菓子などがそろう同店のおすすめは、冬限定の薬膳茶「温のお茶」。

「温のお茶(ポットサービス)」770円
1杯目はショウガとシナモンが香り、2杯目以降は徐々に自家製リンゴチップやクワの実から甘みが染み出すフルーティーなお茶は、ホッとする味わい。

紅茶に乾燥ショウガやリンゴチップ、クワの実、シナモンなどを組み合わせた甘酸っぱくスパイシーなお茶で、時間の経過とともに味が変化していくのを楽しめる。冬にうれしい素材がつまった独自ブレンドのお茶だが「飲み過ぎてもいけません。何事も適量で…」と冨永さん。自分の体調に合わせたオーダーメイドも可能なので、気になる人は相談してみては。

どこか懐かしい雰囲気でつい長居したくなるカフェ。自家製ブレンドのお茶やスイーツ類も販売されている。カフェでお茶菓子として提供される、食べ応えのある乾燥ナツメもおすすめ。
店名薬膳cafe MANA HOUSE
営業時間10:00~16:00
定休日日~火曜休
問い合わせ070-1819-7077
アクセス阪急池田駅下車 約5分
住所池田市室町1-24【MAP
Instagram@manahouse_ikeda

阪急沿線のスパイスグルメ<クラフトコーラ>

【吹田】箕面のモミジやユズが赤いコーラに「WORLD CONNECT COLA(知己)」

写真左)コーラマイスター 樋口英樹さん [好きなスパイス]クミン
写真右)コーラマイスター 中村茂之さん [好きなスパイス]カルダモン
全部で3種類あるクラフトコーラ。「遊び心を大事に」がコーラ作りのカギ。

訪問介護業の「知己」がコーラ作りを手掛けるようになったのは「飲み過ぎたら体に良くない」と健康を気づかうコーラ好きの利用者の声から。コーラには明確な定義がなく、それなら「地元の食材で体にやさしくおいしいコーラを作ろう」と決意したそう。

「みのおもみじワールドコネクトコーラ」250ml 2,500円 100ml 1,100円
ホットワインにプラスしたり、牛乳で割って飲んだりするのも◎。

「みのおもみじワールドコネクトコーラ」は、クローブなど14種類のスパイスのほか、実生ユズに止々呂美のビワと山椒、赤シソ、モミジと箕面の特産品が詰まったコーラ。ユズのおかげでフルーティーで飲みやすく、シロップタイプで料理の調味などにも使えると人気。お湯割りで飲むのもおすすめのクラフトコーラ、いろいろ試してみて。

吹田くわいや吹田菊芋を使用した「すいたくわいワールドコネクトコーラ」。「みのおもみじ」と味わいが違って楽しい。
店名WORLD CONNECT COLA(知己)
営業時間9:00~17:00
定休日無休
問い合わせ06-6381-5175
アクセス阪急相川駅下車 約9分または阪急吹田駅下車 約13分
住所吹田市内本町3-1-5【MAP
備考知己では販売のみ
インフォ店舗で飲むなら「CAFEDININGVALORE.」(吹田市泉町2-29-1吹田市文化会館2階【MAP】)、販売は「BUS STOP CAFE」(豊中市上野東2-2-45【MAP】)でも。
URLhttps://worldconnect.base.shop/

阪急沿線のスパイスグルメ<パンデピス>

【高槻】スパイスたっぷりのフランス菓子「パティスリー カヌリエ」

写真左)菅 可奈さん [好きなスパイス]シナモン
写真右)菅 陽輔さん [好きなスパイス]カルダモン
フランス菓子の名店「W・ボレロ」出身の夫妻にとって「スパイスはフランスやヨーロッパのお菓子に欠かせないもので、料理に深みや広がりを与えてくれるもの」だそう。

フランス語で“スパイスのパン“という意味を持つパンデピスは、その名の通りスパイスをたっぷり使用した大人のスイーツ。

「ケーク・パンデピス」1個320円
マールが風味付けに使われたしっとりとしたケーキ。スパイスとハチミツの芳醇(ほうじゅん)な香りと余韻が贅沢。

「パティスリーカヌリエ」ではアニス、メースなど6種のスパイスに栗のハチミツで作った濃厚な味わいのパンデピスが楽しめる。「かつてヨーロッパではスパイスは富の象徴でした。特別な食事にスパイスを使ったものが多いのはその名残」と菅さん。

「スペキュロス」1本750円
甘いシナモンの香りが鼻に抜ける、サクサク感のあるサブレ。固いものが多いスペキュロスの中でも食べやすいと人気。

ほかにもシナモンの香りがたまらない「スペキュロス」などもそろえており、菅さんの「伝統的なフランス菓子を提供したい」との気概を感じる。相性の良いワインやリキュールと共に楽しみたい逸品。

店名パティスリー カヌリエ
営業時間11:00〜19:00
定休日水曜と不定休
問い合わせ072-668-4820
アクセス阪急高槻市駅下車 約14分
住所高槻市天神町1-5-5【MAP
URLhttps://www.patisseriecannelier.com/

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