駅と街のストーリー:護(まも)って、受け継ぐ。~大阪・服部天神~【TOKK2021年9月号】

【TOKK2021年9月号】
護(まも)ってきたもの、つないでいくもの、そして、新たなスタートを切るもの。
街の玄関口・駅を出ると、それぞれの街を彩る物語との出合いがあった。

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【服部天神宮】駅の御神木が街づくりのシンボルに

ホームの屋根を貫き、天へ向かってのびのびと葉を広げる大きなクスノキ。

服部天神駅の名物ともいえる御神木だ。御神木のある駅は実はそう珍しくはないけれど、神棚と共にまつっているのは、こちらだけなのだとか。

「御神木をおさすりして、お参りをしてから電車に乗る。そんな風景が日常です」と話すのは、服部天神宮の宮司・加藤芳哉さん。

御神木はもともと服部天神宮の境内にあったもの。駅が境内に設置される際に、街の人の願いもあって残され、現在にいたる。

毎年8月24日に行う恒例の神事。「阪急電車の守護神」である御神木を前に、ホーム上で服部天神宮の宮司が安全祈願の祝詞(のりと)を読み上げる。

「服部の人たちは、古きよきものを護ろうとする気持ちが強い。御神木が残された背景にある思いが、今の街づくりのベースになっているのでは」。

そんな加藤さんの言葉は、駅前の風景に重なる。

足の神様として知られる服部天神宮。わらじをかたどったお守りや絵馬が人気。
スポット名服部天神宮
問い合わせ06-6862-5022
アクセス阪急服部天神駅下車すぐ
住所豊中市服部元町1-2-17【MAP
URLhttps://hattoritenjingu.or.jp/

【ぱんだ食堂 晴山閣(せいざんかく)】先代の味を受け継ぐ人気の街中華

江戸時代に能勢街道の宿場町として栄えた名残りか、今も駅前には多くの飲食店が軒を連ねてにぎわう。駅の西側、服部阪急商店街に店を構える「ぱんだ食堂 晴山閣」もその一つ。

創業から63年、親子二代にわたって営む中華料理店だ。今里で開業し、1964年に豊中市へ移転、現在の地へ移ったのは今から約6年前のこと。

気さくな笑顔でお客さんとのコミュニケーションもばっちり。名物は、うま辛いスープがやみつきになる「にらそば」と、先代から受け継いだ辛口のたれで食べる「餃子」。

「親父は背中で語るタイプの人間。料理を教わったことはないんです」と話すのは二代目店主・浅野佳幸さん。それでも、舌で覚えた先代の味を今でもしっかり護り続けている。

そして、先代から受け継いだもう一つが、「作り置きをしない」というポリシー。「例え時間や手間がかかっても、よりおいしいものを提供したい」。その志が、今も昔も変わらない「晴山閣」の礎(いしずえ)となっている。

「餃子」350円
「にらそば」980円

時代は変わっても、まっすぐ通った芯がこの街の人たちにはある。1910年の駅設置から今日まで、街の中心にどっしり構える御神木のように。

取材メモ
「ぱんだ食堂 晴山閣」は本格中華の店ながら、なんと洋食も人気。メニューを見てみると、確かに「オムライス」や「ビフカツ定食」の文字が。「実は洋食のほうが得意」と笑う浅野さんは、かつて外食チェーンに勤めており、その経験から生まれた一皿だとか。
スポット名ぱんだ食堂 晴山閣(せいざんかく)
時間11:30~14:00、17:00~21:00LO
問い合わせ06-6866-1595
アクセス阪急服部天神駅下車 約4分
住所豊中市服部西町2-4-12【MAP
定休日月曜休(祝日の場合は営業)

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